表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/770

みんな揃って異世界へ



目を開けると、最近割と見知ったお城の客間。

「二人ともついたよ。身体に違和感とかない?大丈夫?」


「うん、僕は大丈夫。 無事についたみたいだね」

そう言うと慌てて私から離れるユウキ。そんなに嫌!?


逆に美亜ちゃんは目を閉じたまま、まだしがみ付いてるね。

「未亜ちゃん、もう大丈夫だから離れてもいいよ?」

「ふぇ?もう着いたの!?」

一瞬だもんね。驚くのも仕方ないよ。


「着いたよ。身体に違和感とかない?」

未亜ちゃんは自分の身体をチェックして

「うん、多分大丈夫」


確認しておこうかな。

「二人ともちょっとジッとしててね」 


二人の魔力の流れをチェック。

うん、大丈夫。 

美亜ちゃんも魔力酔いしなかったみたいだし。

順応早いなぁ。


「二人とも問題ないよ」


部屋を見渡した後、歩き回る未亜ちゃん。

やっぱり物珍しいのかな。

「ほんとにお城? すっごい豪華なお部屋…」

「客間らしいからね。 ここ私が貸してもらってるお部屋だから、寛いでも大丈夫だよ」


「ついにアスカ姉ちゃんはお城暮らしかぁ」

「違うからね!? 借りてお世話になってるだけ」

申し訳ないくらいなのに…。


「うわぁ〜すごいよ! 窓からの景色! こんなの見たことない…」


「ユウキ、未亜ちゃんを見ててね。 私達が来たこと伝えてくるから」

「わかったよ」



部屋を出て人を探すつもりだったけど、ちょうどタイミングよくメイドさんが…ユリネさんだ。

「アスカ様!?」

「お久しぶりです、ユリネさ…ふぐっぅ ちょっと、ユリネさん 離して〜! あ、こら! また… ふにゃぁっ!」

「来てくださるの遅いですよっ! もぅもぅ…」

「それ以上はダメーー! アリアさーん! 助けてー!」



私の声が聞こえたのかユウキが来てくれた。

「アスカ姉ちゃん!?大丈夫?」

「ユウキぃ…助けてぇ…」

「取り敢えず引き剥がせばいい?」

「うん、早く…この人ヤバい…」


バタバタ…

「ユリネ! またか! アスカ様から早く離れなさい! 全く…」



「はぁ…はぁ…もぅ、このメイドさん怖い…」


二人がかりで引き剥がされたユリネはまだ名残惜しそうにアスカを見ている。


「全く、何をしているのだ。ここは城の廊下だぞ! そういう事は部屋で…いやそうではなくてだな…」

アリアさん?怒るとこそこじゃないと思うのだけど。


「お姉ちゃん、大丈夫?何があったの」

「メイドさんに廊下で襲われた…」

「お姉ちゃんを襲った…?どういう事?」


あっ…未亜ちゃん!? しまった…

「メイドさん? どういう事か説明して頂けますか…?」

「ひっ…」

がしっ


あ、ユリネさん逃げようとして捕まった…


「と、とりあえず アスカ様。一度お部屋へ。王妃様へ使いも出しますから」

「わかりました。騒がしくてすみません…」

「いえ、ユリネの責任ですので。お気になさらず」

アリアさんは一瞬戸惑うも見なかったことにしたよ…


「いや、あれ…いいの?ほっといて」

ユウキが指差す先には憤怒の未亜ちゃんに正座姿でお説教されているユリネさんの姿が。

ここお城の廊下なんだけど。


「ユウキ、私にはあれを止める勇気はないよ?できる?」

「うん、ごめん。無理だね」

でも、流石に廊下だし…まずいよね。

アレしかないかぁ。


美亜ちゃんの後ろに回り込んで…二人を眠らせる。

「スリープ…」

倒れる未亜ちゃんを支えて抱き上げる。

「アリアさん、すみません。そっちのユリネさんお願いできますか?」


「はい。お任せを」

あ、引きずってくんだ…


「ユウキ、取り敢えず部屋へ戻ろ」

「そうだね」



部屋へ戻り大きくて豪華なベッドに未亜ちゃんを寝かす。


「はぁ…来るなり疲れたよ。 はっ! ユウキ、扉開くよ!」

「へ?」

探索かけといて良かった。毎回びくぅってなるの心臓に悪いから。


バーーン!

「アスカちゃん! お久しぶりね」

「お久しぶりです、お邪魔しています」


…タタタタタ

「あ、また」

バーーン!

「アスカ様! お久しぶりですー!」

「お久しぶりです、王女様」


この扉よく壊れないよね…。流石お城。



「アスカちゃん大丈夫?なんか疲れてないかしら?」

「えぇ…ちょっと来るなり色々と。そうだ、弟と妹を連れてきたので、ご挨拶を…」


未亜ちゃん寝てた…あーもぅ。どうしてこーなった。 (全部メイドのせいだな?)



それからいつものテーブルで王妃様と王女様に経緯を説明し、妹が寝てる訳も話して謝る。

「と言う訳で、妹は私が眠らせたんです。挨拶できなくてすみません…」


「弟のユウキです。突然お邪魔してしまって申し訳ありません」

流石にユウキは慣れたもので、スムーズに挨拶するね。

呼ばれたらお城ーとか多いからなぁ。 

 

「いいのよ〜。ご丁寧にありがとうございます。

私はこの国の王妃よ。こっちは娘のシルフィ。 ようこそ、歓迎するわ!」


「シルフィです。ようこそいらっしゃいました」


「寝てるのが妹の未亜です。落ち着いたら起きると思いますので」

「わかったわ。それにしても、ユリネは毎回何をしているのかしら…」

ほんとだよ…。身の危険がすごい。


「ぅんん…」

起きたかな?驚くだろうから傍に行ってあげないと。

「すみません、ちょっと失礼します」


王妃様たちに断りを入れて、ベッドのそばへ

「未亜ちゃん、ごめんね。起きた?」

「ん…お姉ちゃん…?」

「うん、大丈夫だよ。ゆっくり起きて」

周りを見渡しながら起き上がり、人が増えてることに驚いているね。



「改めまして、この子が妹の未亜です」

「み、未亜です。はじめまして、よろしくお願いします」


「可愛い妹さんね、はじめまして。私は王妃のセルフィです」

「娘のシルフィです」

王妃様の名前初めて知ったよ。気軽に呼べるものじゃないから知っても、だけど…。



「うちのメイドがごめんなさいね…。後でキツく言っておくわ。

それと、それぞれお部屋を用意するから少し待っていてくださいね?」

いやいやいや! そんなお世話になれないよ!


「いえ、王妃様。今回は街に宿をとるつもりなので…」

前回ギルドへ向かう時の道沿いに何軒かあったのは確認済み。


「え…? アスカ様達はお城に居てくださらないのですか?お話したかったのですが…」

ごめんなさい、王女様。私だけでも申し訳ないのに…。


「アスカちゃん、もしかして申し訳ないから〜とか遠慮してる?」

「えっと…  はい。私だけでもご迷惑おかけしてるのに…。

それに街の観光に連れて行ってあげたいので、街に宿をとろうかと」


「ここからでも街へはいけるでしょう?」

「ですが…」

「だ、め、よ! 部屋が別々なのが不安なら一緒でもいいから、お城にいて頂戴。ね?」 

「いいのですか?」

「当たり前じゃない。その方が私も、シルフィも嬉しいわ」

「ありがとうございます…」



「ユウキ君と未亜ちゃんもいいわよね?」

「ご迷惑でなければ…」

「ありがとうございます。あの…部屋はお姉ちゃんと一緒にしてください。お願いします」


「わかったわ、ユウキ君は男の子だし部屋は別にするわね」

「はい、すみません。ありがとうございます」


「もう、みんな硬いわね?リラックスしなさいな」


優しい王妃様の気遣いでお城に滞在させてもらえる事になった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あれ……?痴漢防止の魔道具は? もしかしてあのガチレズメイドを対象指定に入れてるの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ