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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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海岸でなにする?



造船所で船が組み立てられていくのを見ているのだけど、さすが魔法のある世界。

クレーンとかもないのに速度がすごい…。


ものの一時間で基礎部分が組まれてしまった。

「あとは任せましょうか。私は船長と相談することがあるから、少し別行動するわ。騎士も何人か残しておくけど、アルフィーを任せてもいいかしら?」

「はい、必ずお守りします」

王妃様は私にアルフィー様を託すと、船長の居ると言う建物へアリアさんたち数人と行ってしまった。


「あすかおねーさま、さっきのまほうおしえてください!」

「魔力ドームですか?いいですよー。此処では邪魔になりますし移動しましょうか」

「それなら〜いい場所にご案内します〜」

同行してくれてるセナさんに案内されて、海岸へ。



暑くも寒くもなく、潮風が心地良い。

「私も見てていいー?」

「いいよ、ただ、奈々と麻帆は真似しないでね?」

「えー!」

「危ないってことよね?」

「うん、魔力も多くないし、慣れないと本当に危ないから」

「つまんないー」

んーそれもそっか…。 (ママ、まだステッキある?)

あるよ。そっか、あれなら…。 (ティー達が見とく!)


ティーにステッキをいくつか渡してお願いしておく。



「リズは一緒に勉強する?」

「するのです!」

未亜とリアはどっちに行こうか悩んで、リアはティーの方へ。未亜は残った。


アルフィー様に魔力ドームに色を付けて、流れがわかりやすくなるようにして見せてあげる。

「お姉ちゃんのこれ、久しぶりだね。ほんとキレイ…」

「まりょくのながれがはっきりとみえます! えっと…」

包んでいる魔力ドームの流れと見比べながら、すぐに真似をして掌に魔力ドームを展開するアルフィー様。

流石だな…。見ただけで再現するかー。多少の揺らぎはあるものの、初めてにしては安定してる。


「アルフィー様、最初はまん丸にするように意識すると楽ですよ」

「はい!」

「お母様、リズには難しいのです…」

「リズ、魔力の流れがどうなってるか見える?」

「はい…それはお母様のおかげではっきりと見えるのです」

「どうなってる?」

「えっと…外側から中心に向かって…ぐるぐるって」

「それが答えだよ。今リズが言ったので合ってるからそのとおりに魔力を操作すればいいの」

「はいっ!」

一度口に出して言った事で、理解できたのか実行は早かった。


「出来たのです!」

「偉いよー。じゃあ…アルフィー様もリズもそれを大きく膨らませるようにイメージして…そうそう」

「風船が膨らむようにだね!」

「うん」

とはいえ、アルフィー様もリズも風船を知らないんだよな…。 (シャボン玉ならリズは知ってる)

そうなの? (ママのママが見せてくれた!)

へぇーそうなんだ…母さんありがとう。


リズにはシャボン玉をイメージして膨らませるように言ったらアッと言う間に大きくできた。

さすがうちの子!


アルフィー様はそれを見ていて見様見真似でやってのけてしまった。

素質すごいなこの子…。


ただ、周りでみんながキャッキャと遊びだした声につられて、二人とも集中力の限界。

魔力ドームが霧散した。

「あっ…」

「あぅ…」

「休憩してステッキで遊ぼっか!」

「「はいっ」」


その後は海岸を走り回り、ステッキでの撃ち合いが白熱して…。

奈々と麻帆が当てられまくって人間クリスマスツリーみたいになってた。

走り疲れたのか、魔力も減ったのか…二人は私の隣にへたりこんだ。

「つっかれたー! 子どもたちの体力なめてたよ」

「一番子供っぽい奈々がなに言ってるのよ」

「楽しかったし!」

「それは良かった」

「これって、こっちの玩具?」

「うん、そんなところだね。魔力を扱う勉強にもなるから二人にもちょうど良かったでしょ?」

「ええ、ティーちゃんが教えてくれて、イキナリ実践だったわ」

「でもわかりやすかったよ?」

奈々にうまく理解させたティーはすごい。 (奈々でもわかるステッキ講座!)

あははっ。



そういえば、ティーのお願い聞いてあげなきゃね? (やった!!)

駆け寄ってきたティーの希望を聞きつつ、ステッキを作る。

少し手の込んだ細工をした柄…それを握って魔力を流すと紫色に光る棒が数十センチ伸びる。

うん、なんか見たことあるなこれ。 (アニメで見たの! ロボがこれ使ってた)

そっちかー。


「まさか、この玩具…」

「ママの発案、設計制作だよ?」

「マジかよっ!! すっげー。私も作って!」

「いいけど、地球では使わないでよ?守れないなら帰るときに取り上げるからね?」

「うん!」

奈々はティーの色違いで緑色。

「アスカちゃん…」

「麻帆は何色にする?」

「黄色がいいわ」

柄の部分はそれぞれデザインを変えて作る。



それを見てたうちの子達が黙ってる訳もなく…。

全員分制作。

スナイパータイプの未亜のだけは、目立つとダメだからって光らない。 (さすがプロスナイパー)

デザイン考える時も真剣だったからなぁ。ほんとプロかもしれないね。


アルフィー様も最初に渡していたのは量産タイプだったから、好みに合わせて作ってあげたら大切そうに抱えてて可愛い。

「あすかおねーさまありがとうございます、たいせつにします!」

「そうしてもらえると嬉しいです」


みんなは王妃様が戻ってくるまで浜辺で遊び回ってた。



「盛り上がってるわねー」

「おかえりなさい王妃様」

「アルフィーの事ありがとね」

「はい。 アルフィー様、魔力ドームを扱えるようになりましたよ」

「…嘘よね?」

「教えてほしいと言われて、見てすぐに覚えられました。素質や魔力を扱う技量がすごいです」

「あの子、成長速度がすごいのよ。教えた事を直ぐに吸収するから、こっちも教えがいがあって楽しいのよ」

教えがいがあるっていうは少しわかる。リズやティーもそうだし。いや、ティーは教えなくても出来るときもあるしなぁ。 (ゆーしゅーなので)

本当にそのとおり。 (ふふん)



「アスカちゃん、これ…見てもらえる?もし改善点があったら教えてほしいのよ」

「はい?」

渡されたのは魔道具の術式。

………魔力効率もいいし、破綻もない。


「何処にも問題ないですね。船に取り付けるのに充分な性能かと思います」

「本当!? 嬉しいわ…アスカちゃんの太鼓判貰えたわ〜」

嬉しそうな王妃様は、その魔道具を船のために量産するって張り切ってた。

今回の帆船だけじゃなく、色々な船につければ船乗り達の安全が格段に上がるからと。

さすが王族と言うのか、王妃様自身の優しさなのか…。広く物事を見てて本当にかっこいい。













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