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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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港を堪能しよう



運んできた荷物が降ろされた後、全員ドラツーから降りたのを確認し、一度収納。

王妃様に案内されて港町を見て回る。

「変わった魚がいっぱいだわ…」

「色が熱帯魚みたいだよね」

この辺は暖かいから、あながち間違いでもないのか。



「先ずは新鮮な魚料理でも食べましょう」

「あるふぃーはおさかなすきです!」

軟体類だけは避けたい…あれは無理。 (貝もでしょー)

うん…あんな見た目のものをよく食べようとしたなと、昔の人を尊敬する。



王妃様が案内してくれたのは大きなレストラン。

見た感じはそうなんだけど…多分かなりの高級店。 (王族が来るくらいだし)

それもそうね。


王妃様はお店の人と知り合いのようで、直ぐに二階の大きな部屋へ案内された。

「ここ、私の実家が経営してる店なのよ」

「そうなのですか!?」

「ほら、こちらへ来た時にお世話になった親戚の家、それがここなの」

ドラゴライナ王国から密航してきた時の! なるほどなぁ。


「こちらの両親は今は王族関係者になるけど、店はそのまま残してるのよ」

「一階はかなり混んでましたものね」

人気店なのよ〜って笑ってる。



二階の窓からは港と、大海原が見渡せる。

「うわぁー! すっご!! めっちゃ海! 全部水だよねあれ」

奈々の感想はどうかと思うけど、言いたい事はわかる。


「見えないのです…」

「私が抱っこしてあげようか?」

「……お母様がいいのです!」

逃げるように奈々の傍から私の元へ走ってくるリズ。

珍しいなリズが人見知りするのも…。


「奈々は落ち着きがないから抱きあげられるの不安なのよ」

「ひどっ! 違うよね?」

リズは返事もせずに私に顔をうずめてる。

奈々は落ち込んでるけど麻帆の言う落ち着きがないってのも的外れではないからフォローしにくい。


とりあえず、リズを抱き上げて海を見せてあげる。

「わぁ… キラキラしてます! お母様、あれはなんですか?」

「船だよー。あれは荷物を運ぶ船だと思うよ」

「ママ…」

「ティーも?」

「うん!」

もう片手でティーも抱き上げる。

「おー、しょっぱい水たまり!」

「よく知ってるねー」


「アスカちゃんが母だわ…両手で二人とかどんな力してるのよ」

「だってあれじゃん、妹の未亜ちゃんも簡単に抱き上げてたし」

「そういえばそうだったわ…」

「あ、あれは…うぅ…ごめんなさいお姉ちゃん」

「いいよ、あの時のは私の責任だったし」

怪談に怯えて学校内を走り回ってたっけ…。 (正体はティー!)

発端は私だけどね。



「アスカは私だって簡単に抱き上げてくれるのよ!」

「まさかみんな抱き上げてもらった経験あり!? いいなー」

「確かにちょっと経験してみたいわね…」

なんか言われてるけど気にしない。 (ママも手が早い!)

言い方ね? 手を出したみたいに言わないで! (遅かれ早かれ?)

そんな無責任なことしません!



「あすかおねーさま…」

「アルフィー、無理言わないのよ!」

「大丈夫ですよ」

見上げてくるアルフィー様も抱き上げる。


「おぉーさすがおねーさま!」

「少し窮屈かもしれませんが…」

「だいじょぶです! うみー!」

楽しそうで何より。



「ほらほら、何食べるか決めないと私が選んじゃうわよ?」

それは不味いな…。

「あ、アスカは苦手なものがあるので、それだけ避けてください」

「そうなの?」

「はい、タコ、イカ、貝類はアウトです」

奈々…みんなの前で言わなくてもいいと思うんだけど!?助かったけどさ…。


「タコ、イカ…?どれのことかしら…」

奈々が王妃様に説明してくれてる。名前が違うからややこしいな。

変なジェスチャーしてて、リアが爆笑してるし。

ただ、おかげで伝わったらしい。


「ターコンとイカントね?わかったわ」

ターコン…。 (イカントはママのパパが丸焼きの屋台してた!)

そうだったね。



王妃様が頼んでくれたのは魚のフルコース。

刺し身や茹でカニ、煮付けや焼き物など色々だった。

「カニ! ママカニだ!」

「そういえば食べてみたいって言ってたね」

「うん!」

見た目は似たようなものだから…。 

パキッと…うん、できたね。


身を食べやすくして渡してあげる。

「ありがとママ!」

「リズも欲しいのです!」

「いいよー」

リズにも渡してあげたら美味しそうに食べてる。


「食べ慣れてるわね?」

「そういう訳ではないのですが、生まれ故郷にも似たようなのがいまして」

「へぇ〜、面白いわね。 でも、慣れない子もいるみたいよ?」

「…ん〜! ん〜! 折れないんだけど!」

「私も無理だわ…」

「貧弱ね…かしなさい。やってあげるわ」

奈々と麻帆には硬かったか。リアが脚を食べやすくして渡してあげてる。


「ありがとうリア」

「いいのよ。アスカは手が離せないでしょ?」

「うん、まぁ…」

ティーとリズに挟まれてるからな。 (隣はとくとーせき!)

そうね。他に食べたいものは? (この真ん中は食べないの?)

カニのあたまかー、クセがあるけど大丈夫かな。

開いて渡してあげたらティーは、平気で食べてるな。 (でも、脚のがんまい)

私もそうだな。 ティーに少しもらったリズは…無理だったか。

「苦ぁ…なのです…」

「お茶飲みなさい、リズ」

「はいなのです…」



そんな感じに美味しい海鮮をお腹いっぱい頂いた。

料金は気にしないでと言われてしまい、払えず…。



食後の腹ごなしに、港を色々と見て回った。

「ファンタジーだわ…」

「うん…夢の中にいるみたい」

麻帆と奈々には帆船とかあまり馴染みはないかもな。現代でも無い事はないけど、めずらしいだろうし。



「アスカちゃんを少し借りるけどいいかしら?見て回るのならうちの者をつけるわよ?」

「一緒に行ってもいいですか?」

「私も一緒に行くわよ」

「大丈夫よー。多分すごいものを見れると思うし」

いたずらっぽく笑う王妃様。 (ママの大規模な魔法!)

魔力ドームに放り込むだけよ? (それでも!)


ついて来ると言い出した未亜とリア以外も全員一緒に造船所に戻った。 (ティーとリズは離れません!)

魔法使う時は少し離れててね? (はーい!)




「大凡の資材は用意が終わって、切り出しもしてあるのだけど、任せて大丈夫かしら?」

「はい、ドラゴン素材も?」

「ええ、一緒に纏めてあるわ」

「わかりました」

話しながら資材置き場へ向かい、山のように積まれた船のパーツを見上げる。

かなりの大きさになるんだろうなぁ。


「何が始まるの!?」

「奈々、流石にじっとしてなさい。邪魔になるわよ」

「ちぇー」

「大きな魔法を使うから、じっとしててね」

興奮してる奈々が危なっかしいな。 (見とく!)

お願いね。


「みんなも少し離れてて」

うちの子達はわかってるだろうからあまり心配はしてないけど。


「アルフィー、よく見ておきなさい。大規模な魔力の動きが見れるわよ」

「はい、おかあさま!」

なんだかプレッシャーが…。



資材をすべて魔力ドームで包み、先ずはドラゴンの鱗や角などを粉末にしていく。

それらを切り出してある木材に浸透させるようにして結合。

寸法や強度も確認。

…大丈夫だね。 (すっげー!!)

竜骨やマストとかは特に念入りに強化しておく。 (大事な部分?)

そう。船の大切な部分だね。


すべての素材を強化して、元のように並べ直す。 (はっや!)

切ったり組んだりとかのが絶対に大変だからね。あとはプロにお任せだな。

魔力ドーム解除。



「寸法に狂いが無い様に気をつけましたが、念の為確認してください」

「…ええ。ほんと相変わらず規格外だわ」

「すごい…あんなにまりょくがうごいたのに、きれい…」

「アルフィーもあれくらいキレイな魔力操作を出来るようになれるといいわね?」

「はい! もくひょうがみえました」

勉強熱心だね、アルフィー様。 (魔法楽しいみたい)

そっかー。王妃様っていうすごい先生がいるから余計にかもね。



「「………」」

「何をバカみたいな顔してるのよ?」

「リアちゃん、言い方…」

「だって、口開けて固まってるわよ、二人とも」

「お母様の凄さにひざまづくといいのです!」

ちょ…リズ!? (あはは!)

そして二人も本当に膝まづかないでよ!


「魔王様…」

「恐れ多いわよ! 奈々!」

「やめてよ二人とも! そんな距離を感じる様なことをされると悲しくなるから!」 (頭が高ーい、控えおろー!)

私は何処かのご隠居か! (引退した魔王だから合ってる)

…そうだけど!! (学園で悪の成敗もしたし) 

わかった、わかったから…。 (ふひひ)


奈々と麻帆が普通になるまでしばらくかかった…。

「いやーびっくりしすぎて!」

「一瞬、親友を名乗っていいのか不安になったわ…」

「二人とも親友でしょ?私泣くよ…」

「魔王様泣かしたら私が制裁するわよ?」

「リアも脅さないの!」

「リズもお母様の力を見れて嬉しいのです! 尊敬なのです!」

「ティー達のママだし!」

そっか、リズにも大規模な魔法見せたのは初めてか…。 (感動してた!)

また見せてあげられるといいけどね。 (うん!)



その後、一つだけ問題が起こった。

まだ加工してなかった素材が混ざってたらしく、刃物が一切とおらなくて船大工さん達が困ってた。

なので、大工さん達の道具にもドラゴン素材を混ぜて強化。

これで加工できるでしょう。 (切れ味やばっ!)

強度と柔軟性、魔力効率も高いドラゴン素材だからなぁ…。 











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