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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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港町へ



海、海ね…行く理由って言うと今は一つしか思い浮かばないけど… (それで合ってる!)

そうだよね。もうそんなに作業進んでるの? (魔法のある世界だよ?)

全く持ってそのとおりだわ。 (王宮魔術師が材木とか切り出して運んだから早かった)

納得だよ。ミルフィーさんも? (うん、王妃様に指揮を任されて張り切ってた)

そっかぁ。頑張ってるんだね。


そうなると海へ行くと言ってもあまり遊びでって感じではなくなるな、奈々達には申し訳ないけど…。

「異世界の海が見れるの!? やった!」

「奈々!!」

「あっ…ごめんなさい」

「いいのよ、楽しんでもらえるのなら私としても嬉しいから」

あら、王妃様の言い方だと遊び感覚? (うーん…知らない! 港にはセンサーおいてないし)

それは仕方ないね。



王妃様は馬車で移動するつもりだったようなのだけど、ティーたっての希望でドラツーを飛ばす事になった。

「ティーがみんなをお届けー!」

「助かるけど、いいの?」

「ええ。荷物も積めるだけ積みましょう」

「本当に助かるわ、馬車でキャラバンになる予定だったのよ」

どれだけあるのよ荷物…。様子を見て倉庫も拡張しなきゃかもだな。



魔術師の訓練場にドラツーを出したら奈々は大興奮で走り寄ったし、麻帆は気を失った。

流石に今回はわかってたから、予めティーに頼んであった。 (バッチリ受け止めた!)

ありがとね。



それからは皆さん大忙し。

ドラゴンに関して正式に発表もあったからか、結構な大人数が作業をしてる。

アリアさんや騎士様達も総出で荷物の積み込み。

なのに私達は手伝わせてもらえなかった。


倉庫はぎりぎり拡張の必要はなく、無事に積み込みも完了。

「後はティーにお任せー」


見知った人だけが乗り込み、港町へ向けて出発!

シルフィー様はまたお留守番か…。 (当分自由がない!)

かえって悪いことしちゃったね。 (夏休みに游びすぎて宿題終わらなかった的な)

わかりやすい例えだな。



初めての奈々と麻帆には色々とドラツー内を説明をして回る。

びっくりはしてたけど、過ごしやすそうだって喜んでた。 (ドラツーだし!)

だね。今日もよろしくね。 (らじゃー)

今回も私の手持ちの服に着替えてもらい、サイズが合わないところはシエルがパパッと手直ししてくれた。

手際の良さに二人もびっくり。



リズはリアと未亜が案内してくれてて、私の出番がない…。 (たまにはお母さんさせてあげて)

仕方ないか。 シエルもそっちに合流したし、任せよう。




私は友達二人をもてなさなきゃ。そう気持ちを切り替え、窓を開けて景色も見てもらう。

「ほんとに飛んでるわ…」

「すっげー! もう街があんな小さくなってる!」

窓の外を流れる景色に釘付けになってるな。



少し離れたところにいた王妃様に手招きされて、そちらへ移動。

「アスカちゃん、あの子達はどこまでアスカちゃんの事情を知ってるの?魔王とか性別の事とか…」

あ…。


「そうでした、ご報告があったんです。 私の姿の偽装は母親がかけた魔法で間違いありませんでした」 

「え?じゃあ元々女の子だったって事?」

「はい…当時を知ってる方に言われましたから」

「どういう事よ…、話してくれる?」

王妃様にも母様の詳しい話を伝える。



「そう…そんな事があったのね。小さな頃から色々経験して、それで今のアスカちゃんがあるのよね」

「はい。母様に出会わなかったら…なんて考えたくもありません」

「となると、うちの息子はアスカちゃんを呼び出して、魅了とかのスキルをくっつけたのと、偽装解除したってところかしら」

「おそらくは…。 母や祖母の姿を見る限り、外見も似てますから、見た目に手が加えられた様子もないと思います」

「そうよねぇ。お母様なんてそっくりだったもの…美人の家系ね?」

美人なのは王妃様だと思うけど…。 (親戚だよ?)

そう言われたそうね。



「二人には性別に関する事以外はおおよそ伝えてあるので」

「そう、わかったわ」

「気にかけていただいてありがとうございます」

王妃様はいいのよ〜って笑うと、アリアさんに抱かれて外を見てるアルフィー様を見に行かれた。



「お母様、お母様! すごかったです! ティー姉のこくぴっと?もかっこよかったです!」

「色々見て回った?」

「はいっ!」

「あれもこれもと興味を示すから大変だったわ…」

小さい子そのままって感じよね。リズって。

未亜とシエルもリズに振り回されたのかお疲れ気味。

お礼を言って、飲み物を出してあげる。


「ありがとうなの…」

「いいえ〜シエルもありがとね」

「リズちゃんは元気いっぱいで可愛いし、私達の話もしっかり聞いてくれるから心配はないと思うよ」

「未亜もお母さんみたいな顔つきになってきたね?」

「ホント!?ちょっとそれは嬉しいかも…」

子供にうちの環境が理想的なのか私にはわからないけど、リズにとってはこれでいいと私は思う。

色々な事をたくさんの母親代わりになってくれる人たちから学べるのだから。




ティーの飛ばしてくれたドラツーは、さほど時間もかからずに港町に到着。 (ゆっくりめにはとんだ!)

初めての子達が色々見てたりしたからだよね。ありがと。 (うん!)


「アスカちゃん、ドラツーはこのまま港町へ降りてもらっていいわ。ドラゴンにみんな慣れてきてるし、テストケースにもなるから」

「わかりました、場所はどうしましょう?」

「資材置き場が広くとってあるから…あ、あそこよ」

王妃様が指差すのは港のすぐ側にある広場。近くの建物は造船所だろうか…。 

ティーお願いね。 (はーい!)


ドラツーはぐんぐんと高度を下げると、ふわっと広場に着陸。

「揺れも何もないのね。酔わないから助かるわ」

「飛行機みたいに音もないもんねー」

「空の旅は楽しめた?」

「ええ、ありがとうアスカちゃん」

「もう降りてもいいの?」

「奈々、流石に待って」

気が早いから。 (興奮してて危なっかしい)

目を離さないようにしなきゃ…。



王妃様の指示で積み込まれた資材が降ろされるのをしばし待つ。

「うー…外が気になる!」

「勝手な行動は危ないからおとなしくしててね?もしもの時は対応するよ?」

「何するの?」

「眠らせるとか…?」

「やってやって! 気になる」

本人が言うならやるけども…。

スリープ魔法を奈々へ飛ばす。

座っていたカウンターに突っ伏して静かになる奈々。


「こんなに効くものなの!?」

「アスカの魔法よ?私でも抵抗なんてできないわよ。一般人のあなた達に抗えるわけがないわ」

「さすが最恐の魔王様…」

麻帆になんだか嬉しくない褒められ方したなぁ…。


「んあっ?」

「あれ?お姉ちゃんの魔法なのにこんなすぐに起きるの!?」

「ママがめっちゃくちゃよわよわにしたからー」

「あー。そういう事…」

体験したいだけの奈々にそんな強くかけないよ。 (魔力使った?ってレベル)


「私寝てた?」

「ええ、突然パタッて寝てたわ。だらしない顔してね」

「ひどっ! っていうか、私がかけられたらわかんないよ!」

知らんがな…。 (かけてって言ったくせに)

ほんとよね。


その後、奈々は麻帆にかけろってうるさくて…。でも麻帆は嫌がってるからやんないよ。

「ケチー!」

「アスカちゃん、もう一度奈々にかけて。数時間起きないくらいで」

「そうする?」

「やめてっ!?…諦めるから!」

はしゃぎ過ぎて疲れないといいけど…。



「そういえばお姉様、どうして港町にきたの…?」

「聞いてないんだよね。でも多分、造船のお手伝いだと思うよ」

「前にお話してた…?」

「そうそう。運んできた荷物もそれ関連だと思うからね」

シエルは気になるのか、見にきたいって。

多分危険もないし、大丈夫だとは思うけど…。後で王妃様に確認するか。 (ティーとリズも!)

はいはーい。











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