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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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異世界を楽しんではダメですか?



落ち込むシルフィー様をなんとか元気づけようと頑張ってたら、王妃様が会いに来てくれた。

「シルフィーがちっとも報告に来ないと思ったら何してるのよ…」

「おかあさま、あそびにいってます。おねーさまはおべんきょうしてません!」

「どういう事?」

私は思わず目を逸らす…。



ねぇ、ティー。シルフィー様って家で何してたっけ? (学校に行くママを見送ったあとはリズとテレビ見てーリアとゲームしてー)

…うん。それから? (昼ドラ見ながらごはん食べたらリズ達とお昼寝して、起きたらレウィのお散歩にシエルと行ってー)

それから…? (テレビ見ながらおやつ食べてーママの帰りを待つ!)

私が帰った後は部屋に一緒にいたけど、大体みんなと遊んでたね? (ママが指輪とか魔道具作ってる横でね)

どうしよう。庇える情報が一切ない!! (あると思ってたことにティーは驚き?)

昼間、そんな事になってたなんて知らないもの。 (シエルとリアはママのママのお手伝いしてる)

それは知ってる。夜とかも食事の仕度を始めると食器出したりしてくれるものね。

ティーとリズもその辺は抜かりなく手伝ってくれてるもんなぁ。 (美味しいもの作ってもらってるから当たり前ー)


でもほら、王女様だし! 初めて自由になれたんだから仕方ないんじゃないかな? (ママは甘い!)

そうかな…。


「…シルフィー?報告する事はあるかしら?」

「えっと…」

こちらの世界との違いとか色々と話してはいるのだけど…。 (テレビとゲームの情報が大半)


「ティーちゃん。お願いしていたシルフィーの行動を報告してもらえる?」

「はーい!」

頼まれてたのね…。 (うん! ママに迷惑かけてないかみといてーって)

迷惑とは思ってないけどね。異世界を堪能してくれてただけだし。


王妃様はティーの報告を聞きながらこめかみを押さえてる。

シルフィー様は……うん。コメントは控えよう。

「おねーさま…だめだめなのですね! あすかおねーさま、あるふぃーのががんばりました!」

「アルフィー様は何をしてたのですか?」

「もじのよみかきと、おかあさまから、まほうのつかいかたをおしえていただきました!」

おぉう。これは…


「アルフィー様は偉いですね。楽しかったですか?」

「はいっ!」

アルフィー様は学んだ魔法の事とかを教えてくれて、ものすごくしっかりしてる。

さすがドラゴンと言うべきなのか、いや…これは本人の頑張りだね。ドラゴンだからと括ってしまっては頑張ってるアルフィー様に失礼だ。


「じゃあアルフィー様には私からプレゼントを差し上げますね。魔力の扱い方を学べるおもちゃですよ」

屋台の景品で出してるステッキを渡して、扱い方も教えてあげる。


「ありがとうございます! かわいいー!」

ステッキに微力な魔力を流すのもあっという間に上手くなってて、魔法のセンスもいい。

しっかり勉強をしていた証だろうな…。


「おねーさまのさっきのもおべんきょうですか?」

「そうですね。違う世界のことを知るというのはそれだけで学ぶことがありますから。私もそれで色々とお勉強しましたよ」

「そうだったのですかー。おねーさまにあやまってきます!」

素直でいい子だ…。


これで少しはシルフィー様の威厳も回復したかな。 (ノーコメント!)

……。



「まったくもう! 今まで制約がキツかったから、自由にしていいとは言ったけど、限度があるわよ?」

「すみません…あまりにも快適で、楽しいものが多すぎて」

「いいわ。暫く私がみっちりと鍛え直します」

「そんな!! アニメとドラマの続きが…」

録画しとくか…。


謝りに行ったアルフィー様も、口を挟めなくなってるし。 (ママみたいなジト目してる)

やめてよ…。


「私はアスカちゃんと大切な打ち合わせがあります。シルフィーは、自室で報告書と反省文です!」

「…はい…」

「おねーさま…」

なんとかフォローしなくてはなぁ…。

トボトボと部屋を出ていくシルフィー様を見ながらそう思う。



「アスカちゃんごめんなさいね。役に立たない娘を押し付けてしまったみたい」

「いえ、そんな事は…こちらには無いものが色々とありますから仕方がないかと思います。そういう物に触れるというのも学びではないですか?」

「はぁ…もう。優しすぎるわよ?もう少し役に立つような事をしてくれてると思ってたわ」

「慣れないと、何ができて出来ないかわかりませんから…仕方がないのではありませんか?まだ二週間足らずですし」

「…まぁいいわ。あの子の報告書を見て判断するわ。それより、力を借りたいの!」

「はい?私に出来る事でしたら」


王妃様のお願いと言うのは、例の帆船についてだった。

「魔道具を作り始めたのだけど、やっぱりまだアスカちゃんの魔法防壁には遠く及ばないわ…」

「見せていただいても?」

「ええ…」

王妃様は私がプレゼントしたネックレスから魔法防壁の部分を読み解いて作ろうとしたらしい。

そのせいで色々と絡み合ってる部分を中途半端に再現してしまっている。


「すみません。あれって他の効果とも絡み合ってますから、純粋に魔法防壁の術式だけを読み解くのは難しいと思います」

「そうなの!?」

「はい。あれには各種耐性や、ありとあらゆる害をなすものから護るようにしてありますから」

「そこまでしてくれてたのね…」

「ですので…」

船につける魔法防壁なら、天候と海魔獣への対策…それくらいでいいから。

紙に、必要な術式だけを書き出す。


「おそらく、これくらいで船は守れるかと思います」

「……これなら確かに随分楽だわ。ここが各種魔法、物理への耐性よね? こっちは?」

「それは念の為、精霊魔法への耐性です。海に何がいるかわかりませんから。精霊と敵対しないに越したことはありませんが、もしものためです」

「確かに、それはそうよね…こちらは天候ね?」

「はい。風雨や雷への対策です。船上で水を雨から集めたりしますか?」

「よっぽどないわね。水の魔法を使えるものが乗り込むし、水の出る魔道具も設置するから」

「でしたらこのままで大丈夫かと思います。後は船乗りの方に、海の上での脅威について直接教えてもらえると確実かと思います」

「現場の人間から意見を聞くということね。わかったわ。手配しておくから、また来てくれる?」

「はい。造船素材の加工もしなくてはいけませんし」

「そうね、木材は切り出して加工してしまってもいいの?」

「はい。そこへドラゴンの素材を合わせて強化しますから。寸法はズレないようにします」

「わかってたけど、規格外すぎるわね…。 頼ってばかりでごめんなさいね」

「いえ、これくらいはさせてください。私も色々とお世話になりましたから」

王妃様は少し困ったように笑うと”ありがとう、助かるわ”って言ってくれた。


シルフィー様はこのままこちらに残るそうで…。

「どちらにしても、そろそろ戻ってきて貰わなくてはいけなかったから仕方ないのよ」

「そうでしたか。継承権第一位の王女様ですものね」

「いえ、陛下が限界で…」

「あはは…」

寂しかったのかな。 (元気にしてるか?ってティーもよく聞かれたー)

申し訳ないことをしたね。 (馴染んで楽しんでたシルフィー様との差!)

それは仕方ないとは思うけどね。待つ方は心配だろうし。 (ママにブーメラン!)

あぁ、私も早く帰らないと。 (うん!)


王妃様とアルフィー様に挨拶をして、ドラゴン姿のティーともお別れ。 (あっちで会おー!)

そうね!


ーーーーーー

ーーーパシンッッ!!!

えっ…?


いつも通り転移しようとしたら、凄まじい力で干渉されて術式が崩れ、再構築されていく。

この力…! まさか!!


再構築された転移魔法陣に吸い込まれるように、私は引っ張られていった。

でも不安はなかった。寧ろ懐かしくて…。


ーー

ーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー



「無茶しないでください!」

「仕方なかろう。こんなに成長しておるとは思わなんだからな…」

この声、やっぱり…!


「アルディエル母様!!」

「やっと捕まえたぞ、アスカ…!」

カツカツカツ…と懐かしい足音を立てながら傍に来た母様に思い切り抱きしめられた。


「…私は休ませていただきますからね」

「あぁ。暫し休め…ご苦労だったなウェルチ」

「はい…。 アスカ、また後で会いましょう」

「はいっ!」

懐かしい母様、ウェルチ姉様、懐かしい場所…。


「アスカ、それがお前の姿だったんだな」

「えっ?」

「ん?」

どういう事!?







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