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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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終業式



テスト期間も無事に終わり、返却もされた。

私は追試が必要な教科なんてない。誰かとちがって…。


「うわぁぁ! 二つも追試!! これでまたアウトだったら夏休み補習確定だー!」

「うるさいわよ?だからしっかり勉強しなさいと言ったのに」

「だって! 勉強しようとはしたんだよ? でも気晴らしも必要って思って掃除を始めたら…」

それ一番だめなパターン…。どうせマンガとか読み出したんでしょう。 (試験勉強あるある)

よく知ってるね? (未亜もやってた!)

うちにもいたのね…。まさか未亜も追試? (それはへーき!)

良かった…。 (一番苦手な英語を克服したからヨユーができたって)

そっかぁ。安心したよ。


奈々は翻訳スキル消えたしなぁ…。 (一般人だし)

私も… (それはナイ無い)

むー。

「読まなくなった本をまとめて売ろうかと思って…その前に少し読もうかなーって開いたら止まらなくなった…」

やっぱりか…。 (元がだめな子は、お勉強サボるとこうなるって見本?) 

あまりにもあんまりな評価!


「それで?奈々は勉強をほっぽりだして何を読んでたのよ?」

「大江戸美味いもの紀行」

なにそれ…私もちょっと気になる。


内容はどうやら江戸時代の食事事情などを解説したものらしい。

渋いな! (時代劇でやってるお蕎麦とか?)

かもしれないね。天ぷらやお寿司も当時からあったって聞いた気がする。詳しくはないから知らないけど…。


「はぁ…取り敢えず追試でいい点数を取れるように頑張りなさい」

こめかみを押さえて、心底呆れたようにそう言う麻帆。


「アスカー…」

「頼らないの!」 

私は別に頼られるのは構わないけど、教えられるとは思えないしなぁ。 (アホっ子につける薬はねぇの!)

ひっどい言われ方…。確かに奈々はちょっとアホっ子だけど…。それでも大切な親友だから力にはなりたい。


「奈々は何が追試になったの?」

「英語と数学…」

「私、勉強を教えるとかは多分出来ないからごめんね…。その代わり、頑張って追試を終わらせたらうちに遊びに来ない?泊まりでもいいし」

「ほんと!?」

「アスカちゃん?」

「もちろん麻帆も。だから頑張って奈々」

「わかった!!」

やるぞーって気合入れてるから大丈夫かな。楽しみがあれば頑張れるでしょう。

私も一緒に遊ぶ予定は入れたかったから。


「ありがとうアスカちゃん」

「うん?」

「ほら…奈々ってなかなかやる気出さないから」

「やればできる子なのにね」

「本当によ…小さい頃から苦手な事を頑張らせるのにほんっと苦労したんだから」

幼馴染ならではだな。 少し羨ましい。



お泊り会を何時にするかは奈々の結果次第になるから、また後日改めて。


終業式も終わり、いよいよ夏休みに入る。 (わくわく!)

色々予定を立てようね? (あい!)



テスト期間中に指輪の生産も終わらせることができたし、来てくれたピナさんに預けた。

例の偽造された魔道具関連も、アクセサリー職人の人が数個完成させたと、預かってきてくれたから魔道具にしてある。

魔道具として完成したものは、纏めて後日私が届けなければいけないらしい。

「以前お嬢様が手渡しで交換されたので…他の被害者の方もそれを期待してしまっているそうです。陛下も”今回は仕方ないからお願い”と…」

「そういう事ね。わかった。その時は向こうへ行くよ」

「お手数おかけします」

ピナさんは、こちらへ来ると身の回りの事や家事なども母さんと一緒にやってくれてて、助かるって母さんに言われてた。

家族が増えたからなぁ…。当然、私もできる限り協力はしてるけど、学校へ行っている間はどうしてもね。



そんな感じで、ピナさんやティアねえ様がちょくちょくこちらへ来ていたから、時間関係がどうなっているのかさっぱりだったけど…向こうでピナさんが過ごした期間を教えてもらえたので、それを目安にした。

二週間弱らしいから、こちらと大きく時間がズレて経過してはいないのはありがたいな。 (ズレも最小限!)

魔道具に手を加えて良かった。


ティーから、そろそろ一度シルフィー様を連れて戻ってきてほしいとの王妃様からの伝言も貰ってるから、転移したいのだけど…。

「嫌です! もう私はここの娘なんですー。 アスカ様のお母様もそう言ってくださいました!」

「…母さん?」

「えっと、ほら…遠慮してたりしたから、娘みたいなものだから、気にしないでーって…ね?」

それは…たしかに仕方ないか。母さんの優しさだから、責めるのはおかしいね。



少し意地悪だけど最終手段。

「シルフィー様、たまには帰らないとアルフィー様に忘れられますよ? どうします?アルフィー様に”おねえちゃんだれ?”って言われたら…」

シルフィー様が物凄いショックで固まったな。多分想像しちゃったんだろう…。 (一人だけ作風が変わった!)

劇化タッチになったって? (そんな感じ!)

言わんとすることはわかるけど。


「帰ります! アスカ様、お願い致します」

「はい。ではお送りいたしますね」


誰かついてくるかと思ったけど、みんなお留守番ね?

そう…。どうせすぐ帰るでしょって?確かにそうね。

みんなはペットのお世話もあるものね?

わかったよ…。 (ティーは向こうにいるから!)

うん。じゃあ行くから。 (あーい!)



ーーーーーー

ーーーー

ーー




転移先にはアルフィー様が待ち構えてて…

「おねーさま、おまちしてましたの!」

そう言って飛びついてきたのは私にだった。


「アルフィー…?私には?」

「…おねーさまはどなたですか…?」

マジで!?

シルフィー様が真っ白になって…。 


「てぃー! ばっちしー!」

「いぇーい!」

ドラゴン姿のティーとハイタッチしてるな…。まさか!? (ふふん)

さすがにやりすぎよ? (だってー! ママの作戦に乗っただけ!)

うっ…そう言われたら確かにそうなんだけどね?


「アルフィー様、シルフィー様があまりにもお可哀そうですよ?」

「あたしだけおいて、たのしーとこにいってしまったのです」

「シルフィー様は王女様としてのお勉強をされていたのですよ?」

「あたしもいつかいける?」

「そうですね、大きくなられて、王妃様と陛下の許可が頂けたらお勉強に行くこともあるかもしれませんね」

「おー」

運悪くというのか、お約束というのか…そんなタイミングでシルフィー様のデジタルペットの通知音。


「はっ…ご飯の時間ですね」

「おべんきょう…?」

そんな目で私を見ないで…。 (見事にオチが!)

こんな笑えないオチって無いよ!



その後、妙に賢いアルフィー様に、シルフィー様は責められる事に。

「おべんきょうですか? それはなんですかー?」

「えっと…これは…」

「おかーさまにほうこくー」

「アルフィー、待って!」

「おべんきょう…?」

「……うっ…これも社会勉強です! まだ小さはアルフィーには難しいかもしれませんね!」

もう色々と見てられない! (ウケる)



その日、シルフィー様が姉としての威厳を失ったのは…。 (しゃーなし!)

プレゼントした私も責任感じるからやめて…。 

かといってアルフィー様にもプレゼントしたらあれが玩具だとバレてしまうし。

 

威厳の回復、頑張ってください! (手遅れ感すっげー!)

………。












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