のんびりとこちらに慣らそう
予定通り、日曜はのんびりと過ごす。
学校の宿題とかの確認がてら少し復習。
何を習ってたかもう記憶の彼方だ…。
教科書をパラパラと見ていればすぐに思い出せるからいいけど。
土曜の夜には一度あちらへ帰っていたピナさんもお昼くらいには戻って来た。
向こうでも色々と雑務をこなしてきたそうで、いくつか報告をしてもらった。
一つは、例の魔道具偽造販売のその後について。
職人さんが国の監視の元、制作に入ったそう。
制作場所の確保に少し時間がかかったんだとか。
一つ作るのにも何日かかかるそうで、私の出番はまだ先。
ある程度数が出来たらピナさんが届けてくれるそう。
二つ目が少し問題で、ピナさんに謝られてしまう事態だった。
「申し訳ありません、お嬢様…」
「いいよ。元はといえば私が作ったものだから。予想しておくべきだったね。 合計いくつ必要なの?」
「それが…既に隠居状態の方々にまで話が伝わってしまったらしく…」
「あぁ、年に数回しか会わないっていう?」
「はい…そちらも数に含めますと百五十八になります…」
…ちょっと意味がわかんない。 (予想以上に多かったの)
せいぜい二桁かと…。甘かったな。
「さすがに少し時間もらうけど大丈夫?私も学校とかあるし…」
「はい。そこは陛下も無理しないようにと仰っておられましたから」
百五十八個でも果たしてペアリングって言えるのか…、もう私にはわからないけど作るしかない。 (もう生産数が会社規模…)
だねぇ。 まぁでも、サイズとかは指に嵌めたらピッタリになるから、同じ意匠の物を作るだけだし…。 (魔法金属すげー)
三つ目が国交に関しての進捗。
ドラゴライナ王国と、アクシリアス王国の間の決め事はほぼ纏まってきたそう。
後は経由地となる夕波王国なのだけど、ハルナさんが今、一時帰国して報告している最中らしい。
送り届けたアキナさんも、やっと話が進むと喜んでいたと。
そうなると、そろそろ私が国家間専用通信魔道具に、夕波王国の国王陛下の波長を刻みに行ったりとかしなきゃいけないかもしれないな。
グリシア王国はドラゴライナ王国に借りが多すぎるからと、しばらくはドラゴライナ王国にとって有利な状態が続くらしい。
「最後ですが、こちらを…」
ピナさんに手渡されたのは何通かの手紙。
「前回、お嬢様が偽物を回収なされて、本物を手渡されましたよね?」
「バザーの?」
「はい。あの後、新聞でお嬢様の事を知った子供たちから、お嬢様へのお礼の手紙だそうです」
それは…嬉しいな。
一つ一つ手紙を読んでいく。
どれも小さな子が書いてくれたお礼の言葉と、保護者の方からのお礼の言葉が書かれていた。
良かった…喜んでもらえてたんだ。
こうやって直接感謝の気持ちを受け取れるなんて思いもしなかった…。
「返事を書いたら届けてもらえる?」
「申し訳ありません。お嬢様は王女というお立場です。しかも継承権第一位の高貴な御身分です」
そんな自覚はないのだけど…そうも言ってられないのね。
「本来なら、一般庶民からの手紙がこうしてお嬢様の御手に届くようなこともあり得ません。今回は特例として陛下が許可されたのです」
「そう…じゃあ私はこのお手紙にお礼も言えないんだね…」
「そこで、新聞です。国が発行しているものなので、それにお嬢様からのお言葉を載せて伝えることはできます」
「それは、アキナさんの許可はもらえてるんだね?」
「はい。ただ、一人一人にと言うのはさすがに…」
なるほど…。そういう事ね。
私は手紙を書いてくれた人達へのお礼をメモし、ピナさんに渡した。
「手紙へのお礼を纏めて短く文章にしておいたから、それを届けてもらえる?もし不都合があるようなら、また書き直すから」
「はい。確かに…」
多分、特定の人に深く関わると、王族として良くないのだろうな…。
手渡しで本物と交換したのでさえ不味かったのかもしれないけど、あそこで無視をしていたら私は後悔したからそこは諦める。
またアキナさんに迷惑をかけてしまったかもしれないけど…。
「もう一つ、陛下からお嬢様へ伝言です。”その場その場で、国民に対して真摯な対応をしてくれた事は間違ってないから気に病まないでね。むしろ王族への評価、アスカちゃんへの評価へ直結したから問題ないよー良くやってくれたね”との事です」
お見通しだったか…。さすがアキナさん。
「ありがとう。アキナさんにもお礼を伝えてもらえる?」
「はい。承りました。 陛下もお嬢様にはかなり無茶な要望をしておられますし、お嬢様も甘えてよろしいかと思いますよ?」
「そうかな…」
「はい」
早めに指輪作ろう。それがお礼になればいいな。
ピナさんは私のメモを届けるために、今回は早いけど転移していった。
「アスカ様、もうよろしいですか?」
「はい。どうかされましたか?」
シルフィー様は私とピナさんのやり取りが終わるのを待っていてくれたみたい。
「昨日買っていただいたぼーどげーむというのを皆さんと遊びませんか?アスカ様が参加してくださらないとリズも寂しがります」
ボードゲームか。久しぶりだな。
リビングにみんな集まって、今は遊び方とかをユウキや未亜に教わってる最中らしい。
「お茶とお菓子の準備して、みんなで遊びましょうか」
「はいっ」
日曜の午後は、ボードゲームで大いに盛り上がった。
たださ、人生をシミュレートするゲームなんだから私が結婚しても怒らないでほしい…。
それでもいや?わかったよ…独身でゴールすればいいのね?
それはそれでいやなの?どうしろって言うのよ…。
プレイヤー同士の結婚?そんなルールないよ!? 無いなら作る?
はぁ…好きにして。
うちの子たちや、シルフィー様によって強制変更されたゲームルールのせいで、嫁と子供という形で纏まってしまった。
それを見たスピネルもユウキと一緒になったから、最終的にコマは三つになってしまった…。
私達のコマ、ユウキ達のコマ、最後はレウィ。
奥さんをもらい、堅実に進んだレウィは子宝にも恵まれ、幸せなゴール。
大所帯になって、お金が加算されたから財産は沢山あるけど、ルーレットの出目に恵まれず進みの遅かった私達は二位。
ユウキとスピネルは、子宝のマスに止まれなくて、スピネルが拗ねた。
ゲームでもそこは譲れないらしい。無理やりコマを戻したりするものだから最下位に。
もうルールも何もないのだけど、みんな楽しそうだしいっか…。




