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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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主として 姉として 母として



地下へ行こうとしたらピナさんもついてくるって言うから、通れるように波長を刻んでおく。

後でシルフィー様のもやらなきゃな。

なんか一緒の部屋にいるのが当たり前になってきてて不味いぞ…。

部屋の用意を急がなくては。


「ピナさんも部屋作ろうか」

「いえ…私は夜には戻りますから」

「毎回それしてたら寝不足になるよ?」

ピナさんは首を傾げてるけど、二時間後くらいにあちらへ戻るから一日こちらで過ごしたのに休めないって事になりかねない。


「せめて泊まれるようにくらいはね?」

「はい…お手数おかけします」

「いいよー。後ね、一つ相談したいの」

「はい? 私にわかることでしたら…」

文化とかが違って理解できないかもだけど、伝わるかな…。


「こちらにも昔は忍者とか侍って呼ばれる人達がいたんだけど、主が報奨として刀を渡したりもしてたのね」

「世界が違えど似たような存在はいるのですね」

「うん。 だから、私からもピナさんに刀をプレゼントしたいの」

「そんな! 刀とは代々受け継ぐくらいでしか手に入れるのは困難なのです。実戦で扱えるようなものは高額ですので…」

「まぁ、私のはなんちゃって刀になっちゃうけどね。手作りだから」

「まさかお嬢様は刀まで造れるのですか!?」

ティー達にもプレゼントした刀について説明し、刀装具は手持ちから選んでもらう。


「本当によろしいのですか? このような細工の細かい物はどれだけ値打ちがあるか…」

「使わなきゃ私が持ってるだけになってしまうからね。それにピナさんが使ってくれるのなら私は嬉しいよ?」

「ありがとうございます…」

ピナさんの希望はあくまでも忍びらしく、目立たない配色。

拵えも刀身も素材は特殊だけど、見た目は通常の刀っぽくなった。唯一違うのは反りがほとんど無いことか…。

確か忍者刀って直刀だったから似たようなものかな。


「何か他に希望はある?」

「でしたら是非、銘を刻んでください。主様の名を…」

呼び方が主様になっちゃったな。そのうち戻るといいけど…。

ピナさんの希望だし、明日夏と漢字で刻んでおいた。


「ありがとうございます…この刀と命にかけて、主様を護ります」

跪いて受け取るものだから、渡すのが私なのに雰囲気だけはそれっぽい。

「これからもよろしくね。でも、自分の命も大切にして。これはお願いだよ」

「はっ…必ず」



地下に三人分の部屋用の拡張と、ピナさんの部屋は内装も作成。

シンプルな寝泊まりだけって部屋になっちゃった。

本人の希望だし、いいか。


後は…いつだったかリアがドラゴンになれるようにと広げたままの地下をステッキで遊べるフィールドへとカスタマイズ。

ちょっとした市街地のようにしておいた。

流石にうちの地下に森を作るわけにもね? (あれ!?ママは?)

地下だよー。フィールド作ってる。 (おー! 見たい!)

いいよ。ある程度はできてるから。 (はーい!)


「これはまた…訓練でもなさるのですか?」

「そうだね。ステッキをつかうのは魔力を扱う上で訓練にもなるし、うちの子たちの希望だから」

「左様でございますか」


「ママ! 通れない人がいる!!」

空間扉から顔を出したティーが叫んでるな。

「あー待ってね、今戻るよ」



私の部屋のクローゼットにリズとシルフィー様、ユウキの部屋にスピネルの波長を刻み全員で地下へ降りる。


「フィールドを自由に見てみて。改善とかしてほしかったら応じるよ」

「わぁー。凄いのです! ティー姉、お母様が凄すぎます!」

「ティー達のママなんだよ?」

ふふっ、楽しそうで何より。



暫くみんなは歩き回り、希望を聞きながら幾つか変更。

明確なスタート地点とか、地下とか…。

この子達本気だわ。 (ママにチームへ入ってもらうためだから真剣!)

なるほどね。それは私もちゃんと答えないといけないね。 (うん! 真剣なママに勝たないと意味がないの)

そっかそっか。楽しみだよ。



部屋についてはシルフィー様は要らないと頑なだったけど、なんとか説得。

「アスカ様の傍に居たいですのに…」

「出入りは自由にしていただいていいですから。一人になりたい時とか、のんびりしたい時に使える自由な部屋だと思ってください」

「はい…ありがとうございます」

比較的シンプルで派手さのない部屋が出来上がった。


問題はスピネルだった。

長く地中に封印されていたからか、暗いのは嫌だけど、部屋は黒くしてほしいという難しい要望。

家具類も要望通りにしていったら… (闇の邪悪な魔女…)

あー…ちょっと禍々しいから、言いたい事はわかるけど、あの子本人は純粋で良い子だからね? (うん!)

「アスカお姉ちゃん…ありがと。落ち着く…」

「それは何よりだよ。ユウキの部屋へは好きに出入りできるから、地下がやだなって思ったら出ればいいからね」

「うん…今は自由…」

ユウキも来れるし大丈夫よね。




これでとりあえずやるべき事は終わったかな。 (ママもゆっくりしてー)

はーい。でもそろそろ夕食の仕度しないとな。 (ママのママが未亜としてるよ?)

あら…そっか。途中から未亜がいなかったのはそういう事か。

未亜もフィールドのチェックはしてたからな。



リビングへ行くと父さんがソファーで居眠り。テレビくらい消しなさいよ。 (あ、ママあれ!)

ん? アニメのCM? (見たい映画!)

言ってたやつだね。ヒーローモノと魔法少女モノを同時上映か…。了解。


スマホで調べると夏休みに入った週末から始まるらしい。

しかもいつも行くモールにある映画館で見れるね。 (おーそんなのもあるんだ!)

モールは色々あるからね。ちょっとした遊園地みたいだよなぁ。 (うん!)


そっか、もう夏休みかぁ…。

みんなと色々と予定も立てたい。連れて行きたい場所が多すぎるなぁ…。 (わくわく!)

また計画立てようね? (はーい!)













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