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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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家族会議



ドラゴライナ王国で行われたサバイバルゲームのあった日の夜。

魔法学園のお屋敷でみんなと会議を行った。

議題は、そろそろ留学を切り上げて帰ろうかって内容。


ドラゴン姉妹は学園の授業に飽きてきたようで、帰りたいと。新しい刺激も無くなってきたみたい。

シエルは服飾科にはまだ名残惜しそうではあるけど、ここで学んだ事を活かした上で、地球でもっと色々なデザインを見て、新しいものを作りたいと前向き。

ユウキとレウィはどちらでもいいけど、冒険者は続けたいから、ドラゴライナ王国なり、アクシリアス王国でギルドに行きたいって。

スピネルはユウキ次第なのは言うまでもないね。

未亜、ティー、リズは私の傍にいたいから、それが叶うのなら場所はどこでも構わないそう。


唯一、難色を示したのはシルフィー様。

学園その物には未練はないけど…、学園にいる間は私達とずっと一緒にいられた。

でも、私達が地球へ帰ってしまうと離れ離れになるから、それが嫌みたい。

「リズも私と離れ離れになるのは嫌ですよね?」

「はい…シルフィー母様と一緒にいたいのです」

「ですよね!」

「でも、ワガママを言ってシルフィー母様を困らせたりしないのです」

一番崩しやすそうなリズから説得しようとしたシルフィー様は、リズのそのセリフでようやく諦めてくれた。


ピナさんも私についてくると言って聞かなくて、説得するのに難儀した。

時間の流れが違うから長時間アキナさんと離れ離れにしたくないと説明。

納得はしていない様だったけど、何とか応じてくれた…そんな感じだった。



そんな訳で留学を切り上げることに決定。

私自身も召喚に関しては伝えられるだけ先生に伝えたつもりだし、クラスメイト達も召喚獣と仲良くしてくれてる。

ラムネを通じて確認も取れてるから安心。

魔道具に関しては…ね。 (ママが学ぶことはないの!)

そうなんだよね。こちらのレベルを知るという意味では充分に理解したから。 (これ以上サインした書類が増えたら大変!)

………それもあったね。


それに元々、休むのも切り上げるのも好きにして良いと言われていたから、問題はないはず。





週末休みの明けた登校日の朝、午前の授業がない私は学園長室へお邪魔した。

「…本当に帰ってしまうの!?嘘よね?」

「みんなと相談して決めたことですので…。本当にお世話になりました」

「そんな…。せっかく学園も国も落ち着いて、これからって時に…」

確かに私達が入学した時に比べて学園内の雰囲気も明るくなったし、魔道具科も召喚科も理想的な環境になったと思う。


王都の街の方も、表舞台に獣人さん達が戻ってきたと聞いて、以前知り合った人達にも会いに行ったっけ。

トラ獣人さんのお店は、元々かなりいい立地にお店を構えていた様で、放課後にみんなと食事しに行ったら繁盛してた。 (美味しいから納得!)

だよね。あのパスタはまた食べたくなる。 (うん!)

マジックバッグのお礼にってレシピも教えてくれたから再現はできるけど、やっぱりお店で食べたいよ。



学園長はなんとか私達を引き止めようとしてくれたのだけど、私達にも都合があるし…。

いい加減、地元の学校にも行かないと。 (どっちもお勉強なのは一緒!)

まぁね。学ぶ内容は大きく違うから比較はできないけどね。


「それならこうしましょう!」

説得を諦めた学園長はある提案をしてくれた。

その提案というのは、学生としての籍を残したままにして、好きな時にまた学園に来ていいと。

遊びに来るだけでもいいし、授業に参加してもいい。その上で、学園街のお屋敷もそのままにしてくれるって。

「そんな特別待遇をしてしまって大丈夫なのですか?」

「むしろあなた達を手放してしまう事の方が国としても、個人的にも大きな損失なのよ?ライアンの治療のお礼もできていないのに…」

気にしなくていいのに…。 (元気になって、少し背も伸びた!)

あれから特に異常もないようだし安心だよ。


「それにね?」

「…?」

「そろそろアスカちゃんに多額のお金が入ってくるわ。それを受け取ってもらわないといけないし」

「なんでお金!? 賠償金とかはもう受け取りましたよ?」

「それとは別よ。 魔道具と、レシピの権利に対して支払われる物だから」

あ、書類にサインしたやつか! (とんでもないことになってそう…)

えぇー…。使い切れてもいないのにまたですか。


学園長が説明してくれたのは、ステッキ三種類に、キッチン用の魔道具各種、魔装につけた装飾、からあげのレシピ…等。

大凡の予想額を聞いただけで私は頭が真っ白になった。 (だからサインするときは気をつけないと)

そんな事言われても…。


ステッキは量産体制が整い、街には専門ショップも出来たんだとか。 (見に行かないの?)

うーん…。やめとくよ。 (こっちもフィールドの工事してる)

マジかぁ。 (ドラゴライナ王国ほどの規模じゃないけど!)

それはそうでしょうね。アキナさんの所は力の入れ方が尋常じゃない。 


今はそっちは置いておいて…

「そんな多額のお金、受け取っても使い道がありません! お金が死蔵されて動かないのは良くないですよね?」

「よく知ってるわね?そこでもう一つ提案よ!」

「使い道があるのならありがたいですが…」

「物件を買わない?建物の管理や使用人にも給料として払えばお金は動くわ。これから定期的にお金が入るから増える一方よ?それを使えるいい方法じゃないかしら」

「確かに…。 ですが建物を所有したところでそれも使い道がありません」

「コチラに遊びに来た時に利用すればいいじゃない。別荘みたいなものよ」

「はぁ…」

使用人も、学園街のお屋敷に居てくれてるメイドさん達をそのまま雇っていいと言ってくれた。

確かに全く知らない人より気心は知れてるし安心だけど…。

学園街のお屋敷を何時までも借りたままよりはいいのかな。 (遂に家持ち!)

ドラゴライナ王国にももらったお屋敷があるけどね? (そうだった! 王族ハウス)



「一度家族と相談しても良いですか?」

「ええ。もちろんよ」

また今夜も家族会議だな…。 (お金があって困ることがあるんだね)

うん…。まさかこんな事になるとは。



午後の魔道具科での授業を終えて帰宅後、みんなと再度相談。 (家族会議パートツー!)

「いつでもまた来れると言うのならそれでいいじゃない。私達もたまには友達に会いたいわ」

「そうだねー。遊びに来るくらいならいいかもー」

ドラゴン姉妹は肯定的と。


「うちも遊びにきたいの…服飾科にも行きたいし、街のお店も行きたい…」

「僕も賛成かなー。街に拠点として家があったら、ギルドで仕事するにしてもありがたいよ」

「わう! 主様はお屋敷持ち!」

シエルとユウキも賛成と。スピネルはユウキとセットだし… (レウィも賛成でいいかと)

かな?レウィはユウキとギルドでお仕事しそうだしね。 (うん!)


「私はお姉ちゃんと一緒なら何処でもついていくよ!」

「ティーも!」

「お母様と離れるのは嫌なのです!」

「それは私達だってそうよ!」

「うんうん。だよねー」

「私もアスカ様についていきます!」

いや、シルフィー様は帰らないとだめよ。 (継承権ー)

そう言ったら拗ねてしまって口を聞いてくれなくなった。 (そのうち諦める)

だといいけど…。



「ねえ様は、そろそろアクシリアス王国でお仕事しなくていいのかしら?」

「うっ…そうだったよー。でもノワルレイナ様が嫁ぐのなら、私はお役御免でもよくないかな」

その辺は、王妃様や陛下と要話し合いだろうね…。


「まぁ、アレだよ。みんな姉ちゃんの決定に従うってことで」

「うん! お姉ちゃんの好きにして」


みんなユウキの言葉にうなずいてくれてる…。


「じゃあ、お屋敷を購入して、そこに転移出来るようにしようか」

「それがいいのー!」












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