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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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美亜、魔力を学ぶ



大型連休後、最初の週末。

昨日のうちに転移リングの魔力の充填も確認したし、予定していた異世界へ二人を連れて行く。

その予定だったんだけど。


ユウキが帰ってこない。

昨夜お風呂上がりに召喚阻止ブレスレットをつけ忘れてたユウキはリビングで召喚されて消えた。

ユウキもたまには召喚されたいって言うから地下の大型タイプを普段は使っていないのが仇になったよ。

でもさ、出かけるって時に呼ばなくてもいいのに。

召喚するやつも空気読んでほしいよね。

無理だろうけどさ。そう思わずにはいられない。



数時間か、朝までには帰るかな?と期待してたんだけど朝になっても帰ってこなかった。

やっぱり帰りの時間を指定する魔道具必要だなぁ…複雑になるから時間かかりそう。

転移リングを応用する形で考えてみるか…。


そんなことを考えてたら美亜ちゃんも不安そう。

「ユウキ君遅いね」

「わざとじゃないから仕方ないけどね」

未亜ちゃんとリビングで待ってるんだけど帰る気配がない。


今、午前9時を過ぎたところ。せめてお昼までには戻ってほしいな。

向こうへ行く時間と戻って来る時間は転移リングで調整しちゃうからあまり関係ないと言えばないんだけど…気持ち的にね?

未亜ちゃんも楽しみにしてたし。


「今のうちにもう一度忘れ物のチェックと、注意事項の確認しようか」

「うん。一泊予定なんだよね?」

「そうだね、明日の夕方くらいに戻るつもり。 だから着替えとかも少し持ったしね」

私は以前行ったときに城下で買った服を着てるけど、美亜ちゃんは普段着。

二人のも買えばよかったんだけど、センスのない私が選ぶより本人に選ばせてあげたい。

だからなるべく目立たない服を選んではもらってる。


ストレージに預かってる荷物を一度取り出し確認作業をする。




「うん、大丈夫。バッチリ」

荷物チェックも何度もしてるもんね。


「じゃあ、注意事項は?」

「えっと、ユリネさんっていうメイドさんは有能だけど要注意」

「うん」

「あるある言う王子には近づかない」

「うん」

「街へでたら絶対にお姉ちゃんから離れない」

「良くできました」

 


荷物をストレージに仕舞わないとね。



……

「暇だね」

「うん。  あ、じゃあ質問! お姉ちゃんは異世界に慣れてるんだよね?」

「まぁ、そうなるのかな? あちこちに呼ばれたし」

数えるのも嫌になるくらいに。


「魔法とかはそこで覚えたの?」

「そうだね、召喚された時にオマケみたいにスキルとか増えたりもしたし、アイテムから覚えたり」

「それって私にもできる?」

あー、できるようになっちゃったね、魔力覚醒したから。だけど、どう伝えたものか…。


「こないだ私の魔力を未亜ちゃんとユウキに循環させたよね?」

「う、うん」

なんか未亜ちゃんの顔が赤い。


「あの時に未亜ちゃんの魔力は覚醒してる」

「ええっ!?」

そりゃあびっくりするよね…。



「次の日の朝に体調悪そうだったからチェックした時に、未亜ちゃんの身体に魔力が流れてた」

「じゃあ魔法使えるの?」

「結論から言ったらそうだね。元々こっちの人も魔力波長は出てるんだけど…自覚してない」

「地下への扉や明かりの魔道具が使えるやつ?」

「そうそう。でも微弱で身体を巡ったりはしてないの。例えるなら静電気が出てるような程度」

「静電気…」

「簡単な魔道具とか程度なら使えるくらいかな」

「そうなんだ…」

わかりにくかったかな?


「多分私の大量の魔力を流したせいだから…ごめんね。不都合はない筈だけど…」

「謝らないで? 私嬉しいんだ。お姉ちゃん達と一緒だって思えて」

「そうなの?」

「今まで私にはそういうの何も無かったから。だからお姉ちゃん、私にも魔法教えて?」

そっか、私やユウキのスキルや魔法とか、こっちだと特殊能力みたいなものだもんね。


「そういう事なら、わかったよ。 ただ簡単にはいかないからね?」

「うん、頑張るよ。 ちなみにさ?お姉ちゃんの魔力ってどれくらいなの?」

正確な数字は今はわからないけど…ん〜。


「ユウキはあまり魔法が得意じゃなくて、前衛向きなんだけど…並みの人の何倍も魔力があるのね」

「凄いね…得意じゃないのに何倍もあるって」

「そのユウキの魔力は私の2%くらい。大雑把にだけどね」

「はぇ?そんなに違うの?」

「うん、私は前衛も一応できるけど基本的には魔法特化だからね」

「へぇ〜!」


「この魔力っていわゆるゲームとかのMPみたいなもので、そこにステータスやスキルの補正もかかるから…。

イメージを考慮せずに比較して、ユウキが1の魔力で火の魔法を使った物と、私が同じように1の魔力で同じ火の魔法を使った物、威力は私のが何倍にもなるね」


「お姉ちゃんが凄いのはユウキ君から聞いてて、わかってたつもりだったけど…」

「うん? まぁ元魔王だし…」

「予想よりお姉ちゃんがヤバかった件について…」

ヤバいとか言われるとちょっとへこむんだけど… 


「魔法や魔力は私が詳しいから話したけど、前衛に関しての力とかの強さはユウキに聞くといいよ」

「わかったよ。でもお姉ちゃんのが強かったりしないの?」


「ユウキは力とか素早さが私よりずっと高かったはずだから、力では私勝てないよ?」

「そっちもびっくりだよ…」

「ユウキ強いからね。何度も助けてもらったよ」

「お姉ちゃん、私も助けれるようにるよ!」

「今でも充分に助けてもらってるよ、ありがとうね」

お世話になりっぱなしで申し訳ないくらいに…。



そんな話をしてたら魔力のうねりを感じる。

「…あ、ユウキ帰ってくるよ」

「ほんと?」

「うん、魔力を感じる」


床に魔法陣が現れてユウキが現れる。


「っはぁ…ごめん。姉ちゃん達、お待たせ」 

「ほんとだ、ユウキ君帰ってきた」

「でしょ?」


召喚から戻ってすぐは不安定なのはユウキも同じ。

「ユウキ大丈夫?少し休むよね?」

「そうだね、ごめん」

「いいよ、仕方ないし」

不可抗力だし、召喚したやつが悪いよ。



「ね、ユウキ君、休みながらでいいから少しお勉強させて?」

「勉強?」

「さっきお姉ちゃんから魔法や魔力について教えて貰ったから」

「なるほど…じゃあ前衛に関すること?」

「そう。お姉ちゃんがそっち方面はユウキ君が詳しいって。力ではユウキ君に勝てないからって」


「アスカ姉ちゃん、それいつの情報だよ…」

「一緒に測ってもらった時?」



「いい?未亜姉ちゃん、一緒に測ったのはアスカ姉ちゃんが魔王になる前。この意味わかる?」

「…あ、うん。わかった」

「アスカ姉ちゃんは僕を数十倍強くした後に、魔法を特化させて振り切ってるって思って」

「イメージできないよもう…」


「でも、前衛関係なら確かに姉ちゃんより詳しいと思うから任せて」





ユウキにひどい事言われてた気がするけど、お勉強の邪魔したくないから大人しくしとこ。

頼りにしてて本気で背中を任せたのはユウキだけなんだけどな…。








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― 新着の感想 ―
この姉……、弟なら童卒させてもいいとかいつか思うようになりそうでこわいな…… 弟とも弟で初めては姉がいいとか言い出しそうだし…… 妹も妹で、姉大好きだから男に渡したくはないけど弟のこともだいすきだしハ…
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