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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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国営で本格始動



私達は、平日に学園へ通い、週末はドラゴライナ王国のお祭りに行ったり、リズがリアやティアねえ様と一緒にフィア達の所へ再度お泊まりチャレンジに行ったりとしながら二ヶ月ほど学園に滞在した。

そろそろ留学を終了して帰ろうかって声も最近出てきている。

近々相談して、結果を学園長に話しに行く予定。



毎週末、帰ってきてたドラゴライナ王国では、お祭りと並行して、かなりの規模でステッキを使うサバイバルゲームのフィールド工事が進められていて驚いた。

だって、王国の外壁が更に外へ広がるレベルだからね。


アキナさんの話では、工事期間中は試練の塔の内部がフィールドとして開放されていて、既に遊べるようになっていると。

「こんなゲームをうちの姪っ子が考えたから、そのフィールド工事を始めるねーって告知したんだけど、ほらアスカちゃん達の屋台ってゲームも景品も大人気でしょ?その影響もあって早く遊びたいって声がすごくてね。急遽、塔を使うことにしたの」

なんか申し訳ない…。 (お祭りが盛り上がってるからおっけー!)

アキナさんから正式にステッキの追加発注もあったもんね。

前回の分とあわせて、またすっごい量の魔石と現金を貰ったし。



当然、うちの子たちがそんな楽しい事があるのに、黙っているはずもなく…。

週末だけ現れる激強”チーム・まおー”としてちょっと有名になったりと面白い事になっている。


因みに母さん達も時々遊んでいて、勇者と蒼白の巫女だから有名だったのだけど、うちの子達に惨敗して消えていった。

勇者がまおーに負けたらさもありなん…。

父さんが、ユウキとスピネル、レウィを引き抜こうとしたけど失敗に終わったらしい。


それでも、母さん達もただでは転ばなかった。

広場に唐揚げの屋台を出して、チーム・まおー公認! まおーの味! って旗を立てて荒稼ぎしてる。

公認したの? (引き抜きを断ったから、せめてそっちはーって。シルフィー様が交渉してくれて、売上の二割で公認した)

なるほどなぁ。それにしても二割って結構だな…。 (公認だし。味付けはママのニンニク醤油だから)

母さんの塩味は無くなったのか。あっちも美味しかったのに。 (シエルが衣装を作る資金になったの)

あ〜なるほどね。チームの運営資金みたいになってるね。 (そんな感じ!)

私に言ってくれればそれくらい出したのに…って言いたいけど、自分達で考えてやっている事に口を出すのは野暮かな。



ゲームをするみんなが、新しい規格のステッキも当たり前に使いこなしててびっくりする。

潜在的なスペックが高すぎるでしょあの子達。

意外だったのが、未亜のスナイパーが上手すぎたことだろうか。

一人で全滅させた試合もあるくらいに使いこなしている。少しでも顔を出せば即撃ち取ってるし。

「走り回らなくていいからすごく楽だよ!」と未亜。

フィアやニレ、ルナシアさんも参加する時もあって、今のところ負け知らずらしい。


そんなうちの子達の、”チーム・まおー“ それに対抗するように現れたのが”まおー討伐隊“。

アキナさん率いる、奥様達。

当然スノウベルさんや、白銀の刃メンバーも混ざっている。


ちなみに私はチームに参加していないし、ピナさんも中立の立場を貫いて、どちらにも参加していない。

これには少しアキナさんが拗ねてた。

「私の嫁なのにー!」

「どちらについても角が立ちますから、申し訳ありません。お嬢様も参加されていませんから、私は護衛の仕事がありますし」

仕事なら仕方ないかーってアキナさんも渋々だけど、諦めてた。



というかだね、何よ? チーム・まおーって…。 (ママにしょーりを!)

そんな理由!? (一番みんな気合が入るの!) 

喜んでいいのかわからなくて複雑だよ私は…。


シエルは初めこそ試合に参加していたけど、途中からマネージャーみたいな立場に落ち着いて、飲み物を用意したり、チーム衣装を作ってくれたりと活躍。

どこで見たのか、ちゃんと迷彩服になってて笑ってしまった。ユウキとレウィ以外はミニスカートやショートパンツだけど、これがまた可愛い。



シルフィー様はゲームには参加しないけど、いつの間にかチーム監督みたいになってる。

私も参加してないのには理由があって、カメプロやステッキの生産やら、フィールドの工事を手伝ったりと忙しかった。


仮フィールドの塔にもアキナさんの指示でカメプロが設置してあり、塔の前の広場…{普段は王族エリアの一角で、壁によって隔てられ塔への通路ができる。ギルド試験の時にも、その壁沿いに屋台が並んでいた辺り} に、巨大モニターが置かれていつでもプレイ中の試合を見ることができる。


シルフィー様はそれらの映像を見て分析し、作戦立案をしている。

軍師かな? (チームのブレーン)

王女様だからあまり失礼の無いようにね…。 (はーい!)


そんな訳で、最強の頭脳とマネージャー、最強のプレイヤーが集まったチーム・まおーは負け知らずな訳だ。

…ねぇ、チームの名前、今からでもなんとかならない? (ならない! アキナさんのチーム名も変えなきゃいけなくなるし)

確かに…。完全にロックオンされてるよね? (受けてたつの!)

さようですか…。チームに私はいないのになぁ。 (ハッ!)

気がついてなかったの? (そ、そ、それはそれ! リズはいるし)

名前つけたのティーだな? (なんでバレたん…)

わかるわ。まぁいいけど…。 (魔王公認!)

もうそれでいいよ。 (ヒャッハーー!)

世紀末チームかよ…。



そして今日は、最強の”チーム・まおー“に”チーム・まおー討伐隊“が挑む初めての試合が朝から行われる。

これは千年祭前半の大きなイベントにまで発展した。

うちの子達が参加しない平日に、アキナさん達は他チームを倒して挑戦権を手に入れたんだとか。


私はと言うとピナさん達と広場のモニター前に来てる。ただ、観客の数が凄まじい。

女王様が率いるチームがいるのだから当然といえば当然か。 (でもね?)

うん? (アキナさんが全力で来てって。勝ちを譲るとか絶対禁止ーって)

なんというか、流石アキナさんだね。 (そっちのが絶対盛り上がるっていってた)

間違いないね!



普段は三階層までフィールドとして使っていて、各階層で一つ、合計三つの試合が同時に行われているのだけど、今回は一試合のみ。しかも一試合で二階層まで使うと言うのだから規模が凄い。


一階層は市街地エリア。ドラゴライナ王国の街並みの一角を再現。

ダンジョン内で当然天井があるから、高さにだけ多少の拡張魔法を使って複数階層の建物も再現してある。

当然、建物内にも入れるから遮蔽物も多く、利用できるオブジェクトも多い。


二階層は森と川。本当に水が流れてる本格仕様。

木で視界も悪いし、川は場所によって流れも早かったりするから不用意に渡れなくしてある。

いくつか橋もあるけど、悠長に渡っていたらいい的だろうな。

まぁ、うちの子達なら余裕で飛び越えるんだろうけど…。


ルールは八対八による時間無制限の殲滅戦。

無制限とはいえ、午後からは別のイベントがあるみたいだから、実質午前中のみにはなる。

決着がつかなかった場合、撃たれた数で勝敗が決まる。

運営がカウントするから間違いはない。


しかもルールが少し特殊。

撃たれたら、当然自分達のエリアへ戻らなきゃいけないけど、味方が敵を撃てば復活できる。


つまり味方を撃たれても、敵を撃つことができれば、相手の戦力を減らしつつ、味方の数を増やすことになる。

今回の試合のためにアキナさんが考えた特別ルールで、盛り上がれば正式なルールにもなるかも?という試験も兼ねているらしい。


スキルも直接攻撃とかは当然禁止だけど、探索とかは使えるから、ずっと隠れてやり過ごすって事は不可能。

ただなぁ…。 (うん?)

ユウキとスピネルってみつけられるのだろうか。

ティーはスピネルのスキルで潜まれてても探索で見える? (うん!)

そっか。 でもアキナさん側に見つけられる人居るのかな? (諜報部の人も混ざってるから…)

なるほど…それだとどうなるかわからないね。 (面白くなりそう!)

ならいいか。


今回の試合からもう一つ新たに導入した魔道具があって、フィールド内だけなら短い通信が使えるヘッドセット型の魔道具を全員がつけている。

ファミリンの応用で、フィールドにいくつか設置した魔石を介して、魔力の少ない人でも扱える。

当然、その魔石に魔力を溜めておかなきゃいけないけど、この国は魔力の多い人が多数居るから問題はない。


フィールド作成は、この試合のために私が全面協力したからね。 (ママが全力で作ったフィールドやべーの!)

せっかくの試合だし、みんなが楽しめるように頑張ったよ。

カメプロもプレイヤー全員が一つずつヘッドセットに小型のをつけてもらってるから、臨場感も凄いことになりそう。

素材類はぜーんぶドラゴライナ王国が用意してくれたから頑張った。 (ワクワクが止まらねぇ!)

楽しんでおいで。 (はーい!)


”いよいよこの日がやってまいりました! 負け知らずの最強”チーム・まおー“を”まおー討伐隊”は打ち破る事はできるのかー! 注目の試合、いよいよ開始です!”

実況の人めっちゃ気合入ってるな…。 (解説の一人は奥さん…)

いる気はしてた!!






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