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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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精霊の管理地



再生の様子を確認するのは、シャーラというか暗部が請け負っていると聞いていたから油断した!

「なぁ?どういう事だと聞いているんだが?」

「お手紙にも書いた通りなのですが…」

「それで納得すると思うのか! 来ていたのなら顔を見せるくらいするのが礼儀だろう!」

そう言いながら飛びかかってくる師匠。 (ティーも精霊に気を取られてて油断したっ)

いや、シャーラは勿論、師匠も気配なんてないから探索でも使ってなきゃわかんないよ! (しかもちょっとまともな事言ってる!)

感心してる場合じゃないよ!



前回の事で学んだ私は、身体強化もかけて飛びかかってくる師匠を躱す。

「ちっ、お前まだ力を隠していたのか!」

そう言いながら師匠は私の横を通り過ぎて、勢い余って小川に飛び込んでいった。 (あー…)



ずぶ濡れになった師匠が小川から出てきたのだけど、見えちゃいけないオーラが見える気がする! (ひぃー)

「…なぁ?アスカよぉ、お前は師匠にこんな仕打ちをするのか?」

理不尽だ!! (それは前に思い知った!)

私も身に沁みてよーーーく知ってるけど!


本気になった師匠が全身に魔力を纏い、腰の剣を抜く。

ヤバイヤバイヤバイ…。師匠に武器を抜かせたら終わる!

切りかかってきた師匠の斬撃を魔法防壁で止めるも、凄まじい力で後方へ押し引きずられる。

「…武器を抜くつもりもないという事か?舐められたものだな!」

咄嗟だったから出してる余裕がなかっただけで…


「「ママやめて!!」」

リコとツキの大きな声で我に返る。 (やってしまったの…)

そうだった! ここ、精霊の子達が頑張ってキレイにしてくれた場所だった!

とはいえ、今の師匠には理屈も何も通じない…。


慌てた私は師匠を魔法防壁を織り込んだ魔力ドームで包む。

「おい! アスカお前…何のつもりだ!」

「すみません、ちょっとそこで大人しくしててください!」


精霊達がキレイに整備してくれた小川沿いの道には、私が攻撃を受け止めた反動で地面がえぐれてしまっている。

地面に手をついて魔力を流し、修復。 (ママ、魔力流しすぎ!)

ふえっ? 


ティーに止められるも、リコとツキに怒られて慌てていた私の流した魔力は止められず…。

「はぁ…もう! またそんなに魔力流したら精霊が活性化してしまうわ! ここにどれだけの精霊がいると思ってるの!」

「ごめん…」

「…私達頑張ったのに。ママが壊した…」

「ごめんね、ツキ…」

「まぁ、今のはママが悪いわけではないから、ツキも許してあげて。ね? これだけママの魔力があればツキも活動しやすくなるから」

「…うん」

リコがとりなしてくれて何とか落ち着いたけど…。


直近の問題は…。 (魔力ドームの中で大暴れしてるの!)

アレどうしよう? (ティーに聞かれても…)


ガンガンと魔力ドームの中から破壊を試みる師匠。

これ開放したらとんでもない事になるよね? (辺り一体更地に…)

ダメダメ! 絶対にダメ!



「アスカお姉ちゃん、どーするの?」

「シャーラはどうしたらいいと思う?」

「うーん…。 ボク、陛下に報告してくる!」

いや、そっちはそっちで問題が… (行っちゃった)

はぁ…。




魔力ドームの外から師匠の説得を試みるも、全く話を聞いてくれないまま、メリアさんが到着。

「なんですかこれは…。というか、いらしていたのなら顔を出してください!」

「すみません…」

現状の説明と、何故こっそり来たかの言い訳をしてる間も師匠は暴れ続けてる。 (籠の中の猛獣!)

今の師匠はたしかにそんな感じだな!


これ多分、私が一度師匠に殴られないとだめだろうなぁ。 (それ、大丈夫?)

まぁ、慣れてるから…。

「シャーラ、お母様を呼んできてもらえますか?」

「はっ」

お母様って… (暴走妄想特急! 間もなく到着します!)

怖いよ!


「大丈夫です。アリッサもお母様には敵いませんから」

「そうなんですか!?」

そういえば恩人だって言ってたっけ…。それにあの方って異様に戦闘力高かったよね。 (うん、この世界やべーのばっか!)

言い方…。



しばらくしてシャーラと一緒にやってきた皇太后様は、師匠に一言。

「アリッサちゃん? 何してるのかなぁ?」

魔力の圧とかそんなのじゃく、背筋がゾクッとして寒気がするそんな声だった。 (ぴぎゃーー!!)

ナンダコレ。初対面のお祖母ちゃんに向けられた敵意とはまた質の違う恐怖で寒気がする…。 


師匠も皇太后様には逆らえないようでおとなしくなる。

「いえ、これは…アスカが!」

「精霊の子達が頑張ってくれた場所で何をしているの?」

「それは…」

「アスカちゃん、これ解除してくれる?」

「は、はいっ!」

当然逆らえる雰囲気ではない。


「いや、待て! アスカ、解除するな!」

師匠が止めるのと私が解除するのはほぼ同時だった。


そもそも私が皇太后様に逆らうのは無理だよ?だってめっちゃ怖いもん。 (魔王よりやべーの!)

本当に何者なのこの方…。 (魔王を倒したあとに出てくる裏ボス)

的確な表現をありがとう。


その後、師匠は皇太后様に引きずられてどこかへ連れ去られた。

抵抗もせず、何も言わず項垂れて連れ去られる師匠を見て、私はどう思えばいいのかわからなかった。 (……)

「アスカ様、これで借り一つですからね」

「うっ…。助かりましたメリアさん」

何をしてもらいましょうかーとか言ってるメリアさん。 (とんでもない人に借りを作ったママ)

怖いこと言わないでよ…。


色々と思い通りにはならないなぁ…。 (そんなもん)

だねぇ。ままならないわ。 (ママだけどな!)

………。今の笑うとこ? (一応?)



私はもう一度、リコとツキに謝罪をして、流しすぎた魔力過多の影響を確認。

「さっきも言ったけど、精霊が活性化するからツキが活動しやすくなるわ」

「新しく精霊が生まれたりはしない?」

「既にここは最上位精霊でもあるツキの管理下にあるからそれはないわ。ただ…」

「ただ…?」

「ツキが精霊女王になる条件が整いすぎたわね」

なんてこった…。 (またママがやらかしたー)

うぐっ…。


不都合とかはないらしいので、取り敢えずはリコとツキに任せるしかない。 (ティーも見とく!)

ありがとう、お願いするよ。






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