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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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王女VS王女



午後からは暇になってしまった。

と言うのも、召喚科の先生が明日にならないと到着しないらしく、授業がない。

そんな話をみんなにしながら、食堂で一緒にお昼ごはん。


「それなら服飾科に来てほしいわ。相談したいこともあるし」

「あぁ、服の魔道具化についてだね? 流石に授業に混ざる訳にはいかないから終わるまでここで待ってるよ」

「そうだね、お姉ちゃんが授業に参加したら…」

「絶対大騒ぎになるの…」

えぇ…なにそれ…。


「それでしたら私もここでアスカ様と一緒に待ちます」

シルフィー様からそう言ってもらえて助かった。お願いしようと思ってたし。

一人でお屋敷に帰ってもらうとかは心配だし、近くにいたほうが何かと安全だろうから。


お昼休みが終わり、教室へ向かうみんなを見送って、シルフィー様とお茶をしながらのんびり。

他にも同じように寛いでる学生が何人もいる。 本当に自由だな、この学園。


「魔法科の授業はどうでしたか?」

「そうですね…、アスカ様に教えていただいたのが魔法の真髄、学園で教えていただけるのは基礎といった所でしょうか」

「シルフィー様が、魔法の知識を教わったのは王妃様からですか?」

「はい。幼い頃から…。ただ、お母様のは習うより慣れろといった感じで実践形式だったので、座学は新鮮です」

王妃様らしいな。 (ママの師匠に近いものが…) 

流石にあんな無茶はしないと思うよ? (ママはどんな目に合ったの!?)

あんまり思い出したくない…。前にも言ったけど、生きてるのが不思議なくらいだったよ。 (鬼だ…)

うん。本当に厳しかった。 ただ、時間もない中で鍛えるには、あれが一番だったんじゃないかとは思う。 (ほぇー)



「アスカ様…」

「はい?」

「改めてありがとうございました」

「えっと…?」

「私の魔力不調を治してくださった事です。おかげでこうして学園へ通う事も出来ましたから」

「あぁ…。でも、変に魔力が増えてしまいましたから、本当に良かったのか…」

「勿論です! 魔力はあって困るものではないですし…」

まぁそうかな? (強くなるだけ!)

魔力不調で、魔法を上手く制御できないよりはいっか。 (うん! あっ…)

ん?


「聞きましたよ! やはりアスカ様に治していただいたんですね! 内緒にするなんて酷いですよ、シルフィー様」

ストレリチア様?なんで王女様がここに…。 (ママと同じで午前しか授業ないから暇なんじゃ?)

お城に帰らないのかな!? (食後の休憩してたとか…)

しまったなぁ…。うちの子達といる訳じゃないから、特殊な会話もしないと思って遮音してなかったのがアダになったな。



「会話の盗み聞きは、はしたないですよ?ストレリチア様。私とアスカ様の大切な時間を邪魔しないでください!」

「うっ…。お二人にご挨拶をしようと思ったのですが、タイミングが掴めなくて…。って、それよりも! アスカ様、ライアンも治していただけませんか?」

「無理だから話さなかったのです。あの治療は愛し合い、信頼し合う者同士でしかできないのですから!」

「…本当ですか?アスカ様」

だいぶ誇張されてるな? (でも的外れでもないからなんとも…)

うん…。


「愛し合うに関してはわかりませんが、信頼が必要なのは本当です」

「ほらごらんなさい!」

「ちょっとシルフィー様は黙っててください!」

「イヤです!」

王女同士だから遠慮がないというか、仲がいいというのか、似たもの同士だなこの二人。 (言ったら否定しそう)

まぁね。 ただ、お互い立場もあるから、対等な立場で言い合いができる相手って中々いないんじゃないかな。 (あぁ!)


「ライアンは最近、アスカ様の話ばかりしてますし、尊敬していると言っていたので大丈夫です!」

「愛と信頼がないとダメなんです!」

「愛はいらないって言われましたよ!」

「照れてるだけです! アスカ様は奥手なので」

いや、そろそろケンカやめてくれないかなぁ。周りの注目がヤバいことに…。


「なんだ…痴情のもつれか?」

「王女様二人に取り合いされてるわ…」

「いや、その取り合いされてる方も王女様だから」

周りから聞こえてくる会話はとんでもないもので…。

また変な噂立つぞこれ…。 (すっごい今更感)

えぇー。 (ママは女好きで知れ渡ってるし)

引きこもりになっていいかな!? (リア達が許さないと思う)

私もそう思うけど! はぁ…。とりあえずお二人を止めるか。 (それがいいの)


「ストレリチア様、場所を移すなりしませんか?あまりここで騒ぐと…」

「だってシルフィー様が! あっ…」

「えっ…」

ようやくお二人も周りの状況に気がついたようで、真っ赤になって大人しくなった。


「ライアン様を治療をしたくないから断ってるわけではないのです。手段に問題があるのと、副作用があるので慎重になってるんです」

「そう…ですか…」

「そんなにライアン様は悪いのですか?」

「数年、殆ど身体の成長がみられません…」

「私より酷いですね…」

「ええ。魔法も殆ど扱えませんからあの子」

出来るなら治してあげたいけどなぁ。


「一度、陛下と王妃様、それにライアン様の許可を頂ければ、診るだけでもしましょうか?」

「いいのですか!?」

「許可が頂ければ、ですけどね」

「わかりました! 説得します!」

ストレリチア様はそう言うと走り去った。


「よかったのですか?」

「診てみないことにはなんとも言えませんし…何とかできるならしてあげたいですから」

「お優しいですね。そういうところも素敵です!」

そういって腕に抱きついてくるシルフィー様。


「仲直りしたのか…?」

「うちの王女様、走り去られたけど!?」

「フラれたのか?」

すっごい風評被害が聞こえる! (風にのって噂は何処までも〜)

ストレリチア様が知らないところで私にフラれたみたいになってるの申し訳なさすぎる! (遠くから見てたらそう見える)

はぁもう…。今度ちゃんと謝ろう。 (また変な噂になりそう)

なんでよー! (ママから謝って復縁した! みたいな?)

どーしろと!? (知らなーい!)

もう、早くドラゴライナ王国へ帰ろうかな…。 (リズ、友達できて楽しそうにしてるのに)

うっ…。

もういい。噂は気にしない事にする! (それがいいの)



「アスカ! お待たせー。 え、何この空気? というかまた私達がいない間にいちゃいちゃして!」

「ふんっ、またどうせ変な噂でも立ってるんでしょう。気にしたらキリがないわ。アスカ、早くきて! 未亜達もまってるわ」

聞き捨てならないんだけど、否定もできない。


もう早くここから移動したいし、ちょうどいいや。

リアとティアねえ様に手を引かれて食堂を後にした。

「置いていかないでくださいー!」

「ここで待っててもいいわよ?」

「うんうん。いちゃいちゃしてたんでしょ?今度は私達の番だしー」

「酷いです!」

ドラゴン姉妹のシルフィー様の扱いが雑になったような…。 (遠慮はなくなった!)

いいのそれ…。 (シルフィー様がそうしてほしいっていったから)

そうなのね。ならいいのか…。いいのか!? (いいのだー)














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