表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

461/774

話題の魔道具



サウザンド・アームズ 学園街店。

今日も朝からお客さんが出入りしてて忙しそうだから、商品を見ながら手が空くのを待ってたのだけど、私を見つけたマリッタさんが声をかけてくれた。

「あっ! 姫様だ!」

その呼び方、街まで広がってるの? (ここは学生の出入りも多いし)

確かにそうだろうけど。噂されてるのか私は…。


「姫様の作った魔道具の調理器具すごいね! こんなの見たことないよ」

「もう情報が来てるんですか?」

「うん! ただ、作れる職人が限られるし、一つ作るにもかなり時間がかかると思う」

そんなにか…。 (ママ基準で考えたらだめなのー)


「高額になるし、今は貴族や大きな商店からの注文だけ受けてるよ。それよりこっちだよ!」

そう言って見せてくれたのは学園祭で作ったステッキ。

見た目がアレンジされてて、派手なのとか色々あった。 (この国の人って派手好き?)

なのかな?


ステッキの注文が凄い事になってて、殆どの職人がそっちにかかりっきりなんだとか。

「じゃあ、ボードの入荷はまだ先になりますか?」

「あ、そうだよ! 今朝入荷したから連絡する予定だったの。来てくれてちょうど良かった」

店の奥から台車に乗せてボードを持ってきてくれる。


「ありがとうございます。台数は…?」

「注文数バッチリ押さえたよ!」

「かなりの数だったのに…助かります」

「お得意様だし、これだけ魔道具界に貢献してくれた姫様のお願いだからね!」

これは嬉しい。ドラゴンの里へ早く届けてあげないと。 (みんな喜ぶの!)

だね。楽しみにしてたし。パーツも一通り購入出来たからカスタムもできる。


お金を払い、商品を受け取ってストレージへ。

「ありがとうございましたー! って、話そらされたけど、こっちだよ!」

「ステッキの話なら聞きましたよ?注文が多くて大変だって」

「いや、そっちじゃなくて。 他にバリエーションないのかなぁと。これの開発者も姫様だよね?」

「一応あるにはあるんですが、まだ許可を取ってないので…」

「そっかぁ…。でも楽しみにしておくよ」

「はぁ…」 (どうするの?)

一応予備は持ってて、魔道具科の先生に見せるつもりはしてるよ。 (そっか!)


朝からお店が忙しかったのも、ステッキの影響らしい。

そんなに人気? (娯楽少ないから…)

なるほどね。確かにドラゴライナ王国でもゲームは人気だもんなぁ。 (あれも出す?)

いや、あれは作れないと思う。完全に魔刻刀ありきだし。 (残念ー)

こればかりは仕方ないね…。魔界で普及させるために、簡略化して作りやすくした調理器具魔道具でさえ大変みたいだから。 (ファリス達ならヨユーで作れるのに)

向こうと比べたらいけないって事だね。

さてと、リア達が待ちくたびれてるし、そろそろ行こうか。 (はーい!)



「待たせてごめんね」

「いいわよ。里のみんなのを買ってくれたんだし」

「長老様にお金払わせなよー」

「充分過ぎるくらい貰ってるよ。角とか…」

「あ〜人間はアレ欲しがるんだってねー」

「薬になるからね」

「私達もあげるわよ?」

「ありがとう。もしもの時はお願いするよ」

気持ちは嬉しいけど、かなりの量もらってるからなぁ…。 (お薬にしないの?)

時間のある時にね。最近はなかなか長く一人の時間を取れないから。 (みんながママに構うから)

うん。でもそれは嬉しいことなんだよ。

前はユウキが喚ばれて、一人ぼっちって時が多々あったから。 (そだね…)



みんなと話しながら、学園街を出て王都を歩く。

リズは都会に慣れていないのかキョロキョロとしてて危なっかしい。

トローリーや、ボードも走ってるから気をつけてあげないと…。

「リズちゃん、手をつなごうか」

「はい、未亜母様!」

あっ…。

未亜のがお母さんしてる気がして来たわ…。 (役をとられたママ)

いいんだけどね。


「お姉様、市場には何をしに行くの…?」

「食材とか色々買いたくてね。シエルも寄りたいお店があったら言ってね」

「はいなの…」

「わう?肉?」

「それもいいのがあったら買うよー。レウィも買い物していいからね」

一応、まだ召喚獣のフリはしてくれてるけど…。街に本当に獣人が居ないんだよね。 (ごく稀にいるくらい)

うん…。肩身の狭い思いをしてるんだろうね。 (……)


「ママ、ミノウシはもうないの?」

「いや、まだかなりある…」

ミノウシと聞いてうちの子たちがピクッとしてて、知らないリズは首を傾げてる。


「お母様、ミノウシって何ですか?」

「私が食べた中で一番美味しいお肉、かな」

「食べてみたいのです!」

「わかったよ。今日は久しぶりにステーキでも焼こうか」

「わぁ〜。嬉しいのです!」

「お姉ちゃん、私も手伝うね?」

「お願いね。ステーキに合うような野菜類も買っていこう」

「うんっ!」

市場へ向かう途中で、いくつかお店も覗き、シエルが服用の素材を購入してた。

お金は大丈夫なのかと思ったけど、留学するときに貰ったのがまだあるらしい。


「特に買うものもなかったから、減ってないの…」

「そうよね。お屋敷に一通り揃ってるし、必要なものは持ってたりするから、私も減ってないわ」

「だよねー学園祭で使ったのなんて微々たるものだしー」

私も減る分より増えたお金のが多いから困ってるくらいだもんな。



「リズ、欲しい物があったら遠慮せずに言うんだよ?ある程度は買ってあげるから」

「はいなのです!」

とはいえ、地球みたいなおもちゃ屋とかがある訳でもなく、リズが欲しがる物があるのか謎だけど…。



王国街もウエスタン風の街並みにスチームパンクが混ざったような雰囲気で、今日も人で賑わってる。

ウィンドウショッピングするだけでも見たことのないものが並んでて楽しい。

「…美味しそうな匂いがするよー」

しばらく歩いたところで、クンクンと匂いの元を探そうとするティアねぇ様に案内される様に路地へ。

前もこんなことがあったような…? (ネオンの…)

あぁ! まぁでも今回はいい匂いに誘われて〜だから大丈夫でしょ。 (かなぁ)

この国も治安はいいみたいだから、路地裏でも危ないとかはないでしょうし。


「ねぇ様! どこまで行くのよ?」

「多分こっちだと思うんだけどなぁー。 レウィもわからない?」

「わう! 肉の匂い! こっち!」

さすがレウィ…。先頭を案内するように歩いてくれるレウィは頼もしい。



路地を進むと、表通りとは雰囲気の違う、なんていうか下町風とでも言うのだろうか…表通りに比べると賑わいの少ない、そんな場所に出た。

私達はかなり場違いな感じがする。だってここ… (うん…)

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ