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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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逃げてきたらしい



ドラゴンの里から帰ったら、ユウキに会うためにシャーラが遊びに来てた。

私がちっとも師匠のところに顔を出さないのに、シャーラだけはこちらへ行き来してるのがバレて、大変な騒ぎになったんだとか…。

シャーラは逃げるように転移してきたらしい。

「しばらく帰りたくない! 陛下も魔剣士団長も怖すぎる…」

そう言って震えながらユウキに抱きついてた。

何があったのやら…。


私が一度、あちらへ顔を出したほうがいいのかもだけど、前回の事があって身の危険を感じるからなぁ…。 (ていそーが危ないの!)

ほんとよね…。シャーラに手紙を渡しておこう。”身の危険を感じたから行かない”って。 (それがいいの)


シャーラも今日は一緒に夕食を食べて、泊まっていくらしい。

スピネルと仲良くしてるからそっちは大丈夫なんだろうけど…長く滞在するのなら学園長に許可だけ取らないとな。

明日は学園祭明けで一日休みだけど、明後日からは普通に授業があるし。



「アスカ、明日はせっかくの休みだし、どこかへ出掛けたいわ」

「勿論いいけど、学園祭終わったばかりで疲れてない?」 

「平気よ。私達をなんだと思ってるのよ」

「元気だよー。学園祭くらいで疲れたりしないってー」

ドラゴン姉妹はそうだろうけど…。


「未亜達は平気?」

「大丈夫だよ。リズちゃんも連れていってあげたいし、ダメかな?」

「そういう事なら…みんなで出かけようか」

「私はお供させていただきます」

ピナさんも同行ね。シエルとレウィも元気だし来てくれると。



「姉ちゃん、僕らは別行動するよ?」

「わかった。シャーラはこっちに不慣れだし気をつけてあげてね」

「大丈夫だって」

ユウキ達は三人でデートですか、そうですか…。 (ネオン看板のとこ行くのかな?)

そんなこと私は知らないよ! (ふひひ)




未亜達の作ってくれた夕食を食べて、食後の休憩をしていたら、アキナさん達と、両親がお屋敷を訪ねてきてくれた。

学園祭の後に、国同士の話し合いをしていたらしく、顔を出すのが遅くなっちゃったって。

私達もドラゴンの里へ行ったりしていたから、すれ違いにならなくて良かった…。


「アスカちゃん達のおかげで、こちらのゴタゴタもカタがついたから、スムーズに話が進んだよー。ありがとね」

「いえ、ドラゴライナ王国の代表としてこちらに来てますから。アキナさんのお役に立てたのなら良かったです」

グリシア王国経由でバサルア共和国も話し合いに参加する事になったらしいけど、そろそろ元首国が交代する時期らしく、その後になるんだとか。


夕波王国の方は、ハルナさんが名代としてドラゴライナ王国に来てはいるけど、商売に必死で話が進まないってアキナさんが困ってる。

まだ進んでないの!? (島国の特産品を売ってるの!)

フルーツとか? (そういうのもあるけど、着物とか小物、武器は刀。あとは食べたらあかん色したお魚)

あー…南国戦国なんだっけ。 (戦国時代は終わって平和になったから江戸時代風?)

わかりやすい喩えありがとう。

話が進まないのは困るんだろうけど、アキナさんにとって実姉だから強く言えないのだろうか…。


「本格的に、お母さんに叱ってもらったほうがいいかもしれないなぁ」

「アキナ、それは大変なことになるよ?ハルナお姉ちゃんがボロボロに…」

「はぁ…もう。あの守銭奴は!」

アキナさんと母さんが怖い話をしてる…。


お祖母ちゃんと言えば、ここへ来る前に母さん達はアクシリアス王国を経由してきたらしい。

それで学園祭の話を聞いたお祖母ちゃん達もコチラへ来たいって言っていたらしいのだけど、アキナさん達が止めたらしい。

まだ、話し合いの段階ではお祖母ちゃんほど力のあるドラゴンが顔を出すのはまずいって…。


私としては祖父母にも来てほしかったけど、アクシリアス王国の王妃様のような親族がいる訳でもないから簡単にはいかないんだろうな。 (撮影したの見せるの!)

それがあったね。撮影しててくれてありがとうティー。 (うん!)



ティーと話してたら母さんが私のそばに来て、隣にいるリズを見て首を傾げてる。

「ところでアスカ、その小さな子は?」

「今度こそ本当にアスカの子か!? 相手は誰だ!」

父さん煩い…。

いや、ちゃんと紹介してなかった私も悪いか。


両親とアキナさん達にもリズを紹介し、詳しい話をする。

「アスカお母様の娘のティアリスなのです…リズと呼んでください」

礼儀正しく挨拶をしてるリズはしっかりしてる。 (いい子!)

うん。場合によっては厳しくする必要があるかとも思ってたけど、大丈夫そうだね。 (戦闘とかは…?)

それに関しては、リズが望むのなら…だね。

騎士科で震えてたのを見てるからなぁ。 (あぁー)



母さんとアキナさんは、幼いリズを可愛がってくれてるけど、父さんは複雑そうな顔をしてる。

「未婚なのに、子供だけ増えていくのはどうなんだ…?」

「じゃあ私が誰かと結婚でもすれば納得するの?」

「「「「結婚!?」」」」

いや、モノの例えだから。みんなして過剰反応しないで。


「嫁に出すのか…?娘を…。 まだ十五だぞ?ダメだダメだ!」

どないせーゆーのよ。 (気にしないほうがいいんじゃない?)

はぁ…親としては複雑なのかもね…。


ブツブツ言ってる父さんと、何やら会議を始めたリア達はそっとしておこう。 (今回火種を巻いたのはママ…)

母さんみたいに、家族が増えたーって受け入れてくれれば楽なんだけどな。 (ママのママも子供好き)

かもしれないね。

そうならもっと一緒に居てほしかったけど…。 (ママ…)

理由もわかってるから、今更何も言う気はないんだけどね。



結局その後に、リズが未亜達を母様って呼んだことで、父さんが”ハーレムかよ!”って絶叫してた。

そういう意味ではないと思うのだけど、もう説明するのも億劫。



アキナさんが寄ってくれたのはもう一つ用事があって、例のステッキで行うゲームに関してだった。

学園というか、グリシア王国に手続きの書類は出したのだけど、量産体制がまだ整っていないらしく、お祭りの間には間に合わないと。

お祭りのイベントとして出したいアキナさんとしては早く現物がほしいからその依頼。

開発者の私が作る分には問題がないらしいので、アキナさんから直接作成の依頼をされた。

「慌てなくてもいいけど、早いと嬉しい…」

「任されました。早めに制作してお届けします」

「ありがとう、助かるよー」

うーん。お祭りか。

同じのばかりじゃつまらないし、バリエーション作ろうかな。 (どんなの!?)

連射出来るのとか、長くて遠距離を撃てるのとか? (またそれ絶対楽しいやつ!)

お祭り会場にフィールドができたら遊びに行こうね。 (あい!)


もう少しゆっくりしたかったけど…ってアキナさんと両親は転移して帰っていった。

お祭りの最中に、女王様が一日、国を空けて来ちゃってるだけでも大変なんだろうな。


帰り際に激しいスキンシップをされたピナさんがぐったりしてたのは見なかったことにしよう…。

新婚なのに、離れ離れにしてしまって申し訳ない。 (奥さんいっぱいいるのに!)

それはそれでしょう。誰かの代わりを誰かができるなんてことはないんだからね。 (うーん?)

ティーは私と離れ離れになって、リア達がいるからって平気? (やだ!! ママはママなの!)

そういう事だよ。 (納得したのー!)



今夜はティーとリズが私の部屋で寝るから、ベッドも広げたまま。

「お母様、今日はシルフィー母様がいないのです…」

「あぁ、シルフィー様はこの国の王妃様に呼ばれてたよ」

「もう会えないのです?」

「明日くらいにはまた来てくれると思うよ」

「良かったのです!」

嬉しそうにしてるけど…多分明日には送り届けなきゃいけないんじゃないかと思う。 (それはどーだろ)

どういう意味? (残りそう?)

次期国王陛下が!? いや、ないとも言えないのがなぁ…。 (でしょー?)



リズを寝かしつけて、その日の夜のうちにアキナさんに渡す魔道具を大量生産してたら、ピナさんに夜ふかしがバレて、早く寝るようにって叱られたのはまぁ…うん。 (いつものママ)

なんでバレたんだろう…。 (アキナさんに頼まれたらすぐ作りそうだし)

あ〜…。













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