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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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服飾科の結果



学園祭最終日。

最終日とは言っても、午後から行われるマジックボードのレース、ストレリチア杯がメインイベントになる。

国を上げて準備をしてるって話だから、どうなるのか…。


生徒の私達は午前中に学園祭の片付けをしているのだけど、服飾科の集計もあるから、私は楽しみ。

うちの子達が頑張った成果だから。



魔道具科のフィールドは作った時と同じように魔力ドームで包んで一括収納。

当然今回はみんなに事前説明をして許可をもらってる。

資材は学園のモノだから、すべて返却。

他の生徒たちはそれを片付けてくれる予定。

「アスカ様、ありがとうございます。後はお任せください。学園長先生に頂いたお仕事を私達にさせてくださいませ」

「そうですよ! ここまでして頂いたら楽なものですし…。反省を込めて仕事をしなければならない者もいますからね」

サラセニアと、ストレリチア様は仲良くなったと思ってたけど、サラッと釘をさしているあたり、まだ多少の禍根は残っているのかもしれない。

召喚科には、私の設置した魔道具類が沢山あるから、それらを回収しない事にはあちらも片付かないから正直助かる。


使った物資類を種類ごとに仕分けして、ストレージから出して魔道具科の教室へ並べる。

「じゃあ後はお任せします。あちらの片付けが一段落したらまた戻りますので」

「ここまでしてもらったら充分だ。あっちでも姫さんを待ってるだろうからな」

大きな木材を抱えた先輩にもそう言われ、召喚科の教室へ向かう。


今日、ティーとリズはお昼までお屋敷でお留守番。

ピナさんがいてくれるから大丈夫。 (ボードの最終調整ちゅう!)

午後からだもんね。 (名前もつけたの!)

なんて名前? (ゴーストボード!)

だからシエルが作った革ジャンにドクロマークついてたのか…。 (ふっふーん!)

ティーまで患いだしたかと思ったよ。 (魔法とか言ってる時点でみんな中二病!)

痛いとこつくね?確かに地球ならそうだわ…。今更だったね。 (うんうん!)



ティーと話しながら召喚科の教室へ到着。

片付けを召喚獣の子達も手伝ってくれてて、召喚科が変わった事を実感して嬉しくなる。

魔道具調理器具をストレージへ回収し、室内へクリーンをかける。

「アスカ様のその魔法便利すぎますわ…唐揚げの油汚れまできれいになってますわよ?」

「これからまたみんなで勉強する教室が汚れたままなのは嫌じゃないですか」

「そうですわね! 私達も負けてられませんわー!」

モルチアナが指示を出し、あっという間に役割が決まる。

今回の学園祭でモルチアナのクラスでの立ち位置が決まってしまった感じがする。 (学級委員長!)

まさにそれ。 (そういえばモルチアナの召喚獣見てない…)

そうなんだよね…。

今までちゃんと接してなかったから、しっかりと仲良くなれたら会わせてくれるって言ってた。 (へぇー!)


多分、ラムネを通じて、モルチアナが変わった事は魔召界に伝わってるだろうから、そんなに時間はかからないんじゃないかな。 (かわいい子かな?)

大きいとだけは聞いたけど…。だからどちらにしても教室で出せないって言ってたし。


召喚科の後片付けも終わり、魔道具科へも再度顔を出したのだけど、もうすることはなく自由時間になった。

んー、それなら服飾科の結果を聞きに行こうかな。 (みんな待ってるの!)

そっか! どうなったのか楽しみだよ。


服飾科の教室を覗くと片付けは終わり、展示されていた服が何着かトルソーにかけられたままになっていた。

「アスカ!」

「お姉様、来てくれたの…」

私を見つけて駆け寄ってきたのはリアとシエル。

「片付けお疲れ様。結果はどうだった?」

「それが凄いことになってるのよ!」

「うん?」

リアとシエルに手を引かれ、並べられた服の前に行く。


「お姉ちゃん! 見てこれ!」

未亜が見せてくれたのは集計結果。

上位、三つの作品が僅差なのがわかる。うちの子達の服もその中に含まれてた。


「これ、どうなるの?」

「その事でちょっと相談があるのよ」

「うん?」

相談というのは他でもない、三つの作品全てを、魔道具にしてほしいと。

クラスの仲間が頑張って作った服。それが三つ僅差の結果なったのだ、一位の作品だけに絞るなんてできないと。

そういう事ね。


「わかったよ。じゃあ各チームの希望を聞いて、魔装化させるよ」

静かだった教室から歓声があがる。

そんなに喜んでもらえるのならいくらでも作りますとも。 (さすママ!!)


服飾科の生徒と話し合う。

何が出来ないか聞かれたのだけど、正直わからない。

いっそ、こうしてほしいって希望を一通り書き出してもらう事にした。 

「それを見て、出来ないと思ったものは省くからそれじゃダメかな?」

「無茶なことでもいいのですか!?」

「それを見てみないとわからないから、まず希望を書いてもらいたいの。ただ一つ約束してほしいのは、誰かを傷つけるようなものはやめてほしいかな」

「すっごい攻撃魔法とかですか?」

「そうだね、それを使って悪意のある誰かが人を傷つけるのなんて見たくないからね。みんなだってそうじゃない?せっかくきれいに作った服が、人を傷つけ、血に染まるのなんて見て嬉しい?」

「…絶対に嫌です!」

「だよね、私もヤダ!」

みんな同意してくれてるから大丈夫でしょう。

後は魔道具を付ける時に判断する。


本来、魔装は戦う時に身に着けたりするものなのかもしれない。

例えそうでも、私はそんなものに手を貸したくはないから…。 (ママの魔道具は便利で楽しいものじゃないと!)

それが理想だね。全てがそうできないのはわかってても、避けれるのなら避けたい。

せっかく平和な世界なんだからね。


チーム毎で話し合いを始めるのを見守る。

今すぐ決めなくても良いからとは言ったのだけど、楽しそうだから邪魔もできない。

うちの子達も同じ。本当に楽しそうで…。

良かった、うちの子たちが悲しむ結果にならなくて。

まぁ信じてたけどね! (当然なの!)


どのチームも簡単には決まらず、後日へ持ち越し。

午後からはボードレースだからね。

私はカメプロの調整もあるし、早めにレース場へ行かないといけないし。

ストレリチア様に魔法科の訓練場に呼ばれてるからな。











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