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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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フィナーレを飾るのは…



学園祭三日目も大きなトラブルもなく、上手く回ってる。


うちの家族たちが食堂へ早めのお昼を食べに行っているタイミングで魔道具科に予想外のお客様が。

「アスカちゃん、来ちゃったー」

ゲームをする為に並ぶお客の列整理をしていたら見知った人達が並んでた。

「アキナさん!?母さん達まで…! お忍びですか?」

「今日は正式に招待されてるよー」

「私もいる…」

スノウベルさんは護衛かな?ハーレムパーティの奥様達もいるし。


「子供たちの学園祭だからね。アキナに頼んで連れてきてもらったよ!」

「学園祭って言うからどんなものかと思ったが、結構な規模じゃねぇか」

今まで私とユウキの学校行事に参加する事もなかった両親が来てくれたのは、正直嬉しい。

後でみんなの所にも顔を出してくれるらしい。


待ってる間にフラッグ戦の映像を見たアキナさんと母さんがハイになって、既に臨戦態勢。

スノウベルさんも静かに闘志を燃やしてる。

ドラゴンは本能的に闘争を求めてたりするのだろうか? (身体がうずくのだー!)

正にそんな感じだよ。

 

対戦はアキナさんのハーレム部隊vsうちの両親プラス魔道具科の先輩。

バランス良く分かれてくれれば楽だったのだけど、母さんとアキナさんがバチバチで…。

そうなると当然奥様達はアキナさんにつく。

偶に人数の合わないといった事もあるから先輩達も助っ人で入るのは慣れてる筈なのに、ドラゴンの気迫で気後れしてる。

私は今、運営だから混ざれないからなぁ…。うちの子達がいればよかったけど。 (惜しいことしたの、もぐもぐ)

さっきまで遊んでたじゃない。お昼はちゃんと食べなきゃだめよ。 (はーい!)



対戦の結果は、悔しそうな母さんと、疲れ切ってる父さんを見て察してほしい。 (ママのパパ、目の仇)

普段の行いだね…。


よほど楽しんで貰えたのか、千年祭のお祭りにもイベントとして出したいってアキナさんが言い出した程。

ちょうど受付にいたライラ先生とライリー先生が何やら数枚の書類を渡してた。

「作ってくれた生徒に不利益が無い様にするための物ですのでご了承ください」

「へぇー、しっかりしてるね! わかったよ!」

何だろあれ…。 (………)


何やら手続きをしに行くというアキナさん達と別れ、私は召喚科へ。

仕込みの手伝いとか、演出をしないと!


演出はいくつか魔道具を作って今朝から常備してある。 

学園祭初日に、私のやった芸をユウキにやって欲しいってスピネルが言ってて、困り果ててたユウキが申し訳なくなったから作成したのだけど、どうせ作るならカフェにも置こうと思って。

当然、モルチアナに何枚も書類へサインを求められたのはお約束。


召喚獣カフェへ近づくと、店内にバカップルがいるって声が聞こえてきて、まさかと思い覗いたら弟ではなくてホッとした。 (でも知り合い…)

そうね。王子とノワルレイナさんだもの。


召喚獣達の芸は、家族連れ、友達連れ、カップルなど、お客の希望に合わせて芸も変えるから…。

今回は当然カップル設定を選んでる。 (見せつけやがってー!)

身内にもいるからコメントしづらい…。 (ママもハーレムだし)

違うからね!



カップル向けのハートが舞う演出の中、ハムスタータイプの召喚獣を連れた子が占いをしてる。 (ママが最初に喚ぶのを手伝った子だ!)

うん。すごく仲良しなんだよ、あの子達。

ハムスターの子がカラカラを回すと、占いのカードが弾き出されてひらひらと飛ぶ。

表向きに落ちたカードから占うって言ってたな。 (当たるの?)

魔法も使ってるから何かしらの効果はあるとは思うよ。 (ほえー)

ただ、占いは受け取り方次第だからね。信じれば当たるよ。 (そういうものなんだー)

そういうものなのです。


無事に占いも終わったタイミングで挨拶。

お二人はこの後、冒険者科の屋台へ向かわれるらしい。

ユウキと王子は仲良くなってたし、会いたいのかな。


王子が、昨日は学園街で一日デートをしていたと自慢げに話してくれた。学園祭なのに街にいたの? 

まぁでも…学園内だけだと、学科が少ないから何日も潰せるほど見るものもないか…。唐突に始まったイベントだし仕方ないかも。

ただ、上から目線で、”アスカ殿も早く良い相手を選んだほうがいいのである”とか言われたのにはちょっとイラッとした。 (王子のくせに生意気だ!)

相変わらずの言われ方。 


二人には服飾科の投票にも行ってもらえるようお願いしておく。

どのチームが勝つにしても、投票数が多いほうがいい。



母さんが気にしてたし、唐揚げの味による売り上げ割合をモルチアナに聞いたら、しっかりと把握してた。 (さすが細かい!)

「二日目から味のバリエーションが増えたのは良かったですわ。ありがとうございます。売上に関しては、同数ですわよ?」

そんな事ある? (あー! ティーそれ知ってる! 食べたもん)

お昼の前に? (食堂へ行く前にみんなで買ったの!)

毎日飽きない? (飽きない! ママの味は、んまーだから。二種盛りになっててお得。三つずつ!)

へぇ〜。私は接客側には手を出してなかったけどそんな事になってたのね。

確かに塩味の試食をした時に、どちらも食べたくならない?って意見は出てた。

私は裏で仕込みをしてたから、そっちは任せっきりだったからなぁ。 (役割分担!)

うん。表に関してはモルチアナが有能すぎてね…。



午後からは、もう一度魔法科の出し物を見るために、みんなと食堂へ行ってたティーとリズを連れてきてくれたピナさん達と魔法科の訓練場へ。

思っていたよりお客の数が多くて、席の確保に難儀した。

生徒の魔力消費も考慮されてて、日に一度しか見られないから仕方がないけど、噂が広まってお客が増えたんだろうな。

母さんやアキナさんの魔力も遠くに感じるから見に来てくれてるようで安心。


今回も先生のナレーションからはじまる。

リアとティアねえ様による水を模した魔力ドームは初日より更に大きく展開されてた。それでも安定していて…他の生徒達が作り出す魚たちも更に生き生きと泳いでる。

お客からもすごい歓声。

「お母様! すごいキレイなのです! わぁ〜……」

感動して魅入ってるリズの気持ちはよくわかるよ。

私もまたピナさんにハンカチを借りたくらいだから…。 (今日は披露する最終日だから期待しててって言ってたの!)

そっか…!


何をしてくれるのかなって見ていたら、未亜とシエルの魔力を感じる大きな…

「クジラ…?」

小さな魚たちは逃げるように消えていった。


二人でクジラを維持してるのはすごいな。

悠々と泳いだ後、大きく尾ビレを振り上げて…。

まさかテールスラップするの!?

バッシャーーンと尾ビレで魔力ドームの水面を叩いた勢いに合わせてクラスメイト達が大きな水しぶきを演出。

それがまるで本物のように観客席へ。

驚いた人の悲鳴や歓声の中、魔法は消えていった。

「すごい…母様達がすごいのです!」

「そうだね、後で感想伝えてあげてね?」

「はいっ!」

最後に相応しい、すごい演出だった…。 (クジラの動画で見たのを目の前で見れたー!)

すごい迫力だったね。 (録画して正解だったの!)

私にも見せてね? (あい!)



私は出番が終わって戻ってきたみんなを労い、興奮したリズは落ち着かなくて危なっかしいから、リアが抱き上げてくれてた。

「リア母様、すごかったのです! ばしゃーんって!」

「ありがとうリズ。楽しんでもらえたかしら?」

「はいっ!」

「アスカならきっと、もーっとすごいのもみせてくれるよー!」

「ホントですか?お母様!」

またティアねえ様にハードル上げられたよ…。


「リズ、私にはあんなすごいのはできないよ。あれは沢山の人が協力して一つのものを作り上げたからこその、素敵な作品だからね」

「はい! でもお母様にもなにか見せてほしいのです!」

「そうだね、またいつかね?今日はせっかく凄いものを見せてくれたみんなに感謝しよう?」

「わかったのです!」

素直で良い子だ。願わくばこのまま成長してほしい。


うちの家族に囲まれて笑うリズの幸せを守らなきゃ…。

当然うちのみんなも! (おー!)








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