表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

448/774

魔王の必要性



「ティアリス、ゆっくり考えていいよ。ね?」

「はい…」

俯いて考え込む幼いティアリスは何を思うのか…。


「アスカ様、申し訳ありませんでした…生意気な口利きをしてしまい…」

「ロウも気にしないで。もう、私の部下って訳じゃないんだから。今はなか…」

「しかし! 先程魔王が必要ならここにいると! そう仰られたではありませんか!」

「うん。”本当に魔王が必要なら”ね?」

「ロウ、貴方は少し落ち着きなさい。アスカ様の仰られた言葉の真意を理解していませんよ」

「……真意…?」

「私達は、こちらの世界の方に助けられ、一族の不始末まで押し付けてしまったのです。 その上で住む場所までも用意して頂き…そこでは前のような力はなくとも皆と力を合わせてやってきたではないですか」

「それはそうだが…それも魔王様という、トップがおられたからではないか」

「そこだよロウ」

「はい…?」

「ティアリスは、いてくれるだけで良かったのよね?力はなくても…ね」

「仰る通りです…」

戦わなければいけない相手も、理由もないのなら、幼い子に背負わすべきじゃないよ。魔王なんて…。

しかも、こんなに平和な世界で…。


「見た感じ、ティアリスはこの世界で自衛できるだけの力は充分にあるよ?たとえ冒険者になってもやっていけるくらいにね」

「こちらはそこまで…?」

「うん。平和だよ。 私ね、この世界の人に本当にお世話になったんだよ。だから、お願い。ファリスもロウも取り戻した力を、大切なものを守るためだけに使って。力の使い方を絶対に間違えないで」

「わかりました。私はアスカ様の意向に従います」

「異論ありません。仲間が平和に暮らせる場所を与えてくれたこの世界に弓を引くなど…リッチーの骨にかけて致しませぬ」

「ありがとう」

この二人は私が一番長く一緒に居た仲間であり家族だから、わかってもらえて嬉しいよ。



「お母様…私はやっぱり強くなりたいのです。それで、世界を色々と見てみたいのです! そして、もし困っている人がいたら助けられる、そんな力がほしいのです。それが私にできる恩返しだと思いますから!」

「そっか、ティアリスがそう望むなら私は力を貸すよ」

「ありがとうございます!」

まだ小さいんだ、この先やりたい事が変わることもあるだろう。その時はまた一緒に悩めばいい。

さてと…みんなに説明しなきゃなぁ。


まずは迷惑をかけてしまった学園長だね。


ファリスとロウは留学するティアリスの従者としてついてきたらしいのだけど、見た目の幼すぎるティアリスは入学には早いと学園長に止められた。

書類手続きを魔族年齢でしたものだから、顔を見るまで学園長も分からなかったらしい。

これは仕方ない。魔族年齢なら、今の私よりティアリスのが年上だしなぁ…。多分、十七、八よねあの子。

見た目はせいぜい五、六歳。学園長が止めるのも当然。


元々留学というのは私を探す口実でしかなかったロウ達は、留学が叶わぬのならと、本来の目的である私を呼ぶ事にした。

ここで一番魔力の高い人を呼んで欲しい、知り合いだから…と、そう頼みこんで、私が呼び出された訳だ。

そりゃあ学園長も困って、早く来て! ってなるよね。



学園長にもロウ達が迷惑をかけたことを謝り、三人を預かることを伝えた。

留学の打診を利用し、押しかけて無理を言った二人にも謝罪させる。

「申し訳ありません…ご迷惑をおかけしてしまいました」

「アスカ様を呼びつけるような事をしてしまい、申し訳ありませんでした…」

いや、ロウは私にしか謝ってないな?


「解決したのかしら? アスカちゃん、任せて平気?」

「はい。仲間ですので…」

「わかったわ。バサルア共和国には、こちらから連絡しておきます」

「お手数おかけします…」

なんだろうなぁ。頼れる側近だった二人が問題児みたいになってるぞ…。 (今の笑うとこ?)

笑い事じゃないけどね…。



一日目の学園祭終了後、お屋敷へ三人も連れ帰り、家族には包み隠さず話した。

何故かシルフィー様までお屋敷についてきたのはもう突っ込んでも仕方がないんだろうと諦める。

ノワルレイナさんと王子は別のお屋敷にいるらしいし…。

留学生用のお屋敷いくつあるんだよ! (五軒あるって!)

多いな!!

「お姉ちゃんの子供…?」

「どちらかというと孫って言ったほうが正確かも。血としてのつながりじゃなく、魔王としての力を受け継いでるって意味でだけどね。ほら、魔王の時は魔力体だったって話したでしょ?」

「あぁ…。って! もう何がなんだかわかんないよ!」

未亜は頭を抱えてるけど、それ以上説明のしようがない。


ティーは早速ティアリスに話しかけて仲良くなろうとしてくれてる。 (妹だから!)

そうだね。大切にしてあげて。 (あい!)


うちの家族は、私の魔王時代の事をファリス達にあれこれ聞いてるものだから、私は気が気じゃない。

二人とも基本は私の事を褒めて持ち上げてくれてるのだけど、ちょいちょいやらかしエピソードが混ざってるんだよなぁ…。


「魔獣の子供を保護したと連れて帰ってこられたことがありましてな…」

「小さくてかわいい子なの…?」

「いえ、数メートルはあるベヒモスでしたな」

「わう?ボクと同じ!」

あったなぁ! そんな事も。よく覚えてるな…。 (ジジィなのに…)

リッチーだけどね? (ジッジー?)

もうそれでもいいよ。


「こっそり魔王城を抜け出されて…心配で探し回っていたら、街へ行ってお菓子を探してたと言われた時はもう…全身から力が抜けましたよ」

「お菓子は大事よ?甘いものが無いなんて言われたら、私は家出して帰らないわ」

「うんうん。私なんてもうアスカのお菓子がないとダメな身体になっちゃったしー」

私の作るお菓子に中毒性が?お菓子はヤバいの? (美味しすぎてヤバいよ?)

それは素直に喜んでいいのだろうか。 (託児所でも配るときはみんな整列するし)

…頭痛い。


なんにせよ、ロウ達は家族に受け入れられているようだし、学園長から滞在の許可も貰えてるからいいとして…。

「お母様?」

「ティアリス、私には敬語とか使わなくていいよ。私も、そうだなぁ…リズ! ティアリスのことはこれからそう呼ぶね」

「リズ…! はい! わかりました、お母様!」

「リズ。敬語になってるのー」

「お姉様、申し訳ありません…」

ティーがお姉様か…性別は無いとはいえ、たしかに見た目は女の子と言われても不思議ではないな。 (ママに似せたから!)

そうだったね。


「ティーはティー! 」

「は、はい! ティー姉様」

「ティー!」

「ティー姉…」

「うむ、それならヨシ」

妹が出来たティーは嬉しそうだから良しとしよう。

これからはリズも私の子として大切にしていかないと…。 (未婚のJKなのに二人目…)

二人どころか精霊も含めたら… (子沢山!)

それもいいかなって思うよ。 (ママがいいなら!)

うん。さすがにファリスとロウは無理だけど…。 (キツイおばさんと頭骨の硬いジジィは兄妹にいらないのー)

言われ方よ! でも否定できる材料がないのがなんとも…。

子供の素直な意見が怖いわ。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ