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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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サバイバルゲーム



ゲームに参加する人数が多い時はフィールドが屋外まで広がる。

逆に少なければ、屋内フィールド、屋外フィールドそれぞれで別の試合もできる。


今回の場合、設定は最大フィールドで、私達の陣地は教室側。相手は訓練場側。

 

「最初に二分、作戦タイムがあるから今のうちに旗を置く場所を決めよう」

「お姉ちゃん、それって持ち歩くのはダメなの?」

「もちろんオッケーだけど、持ってると自分の陣地からはでられないよ。無理に出たらブザーがなって、取られた判定になるから終わりだし、その人が当てられても終わりになるから」

「上手くできてるわね〜!」

「どうしたい?隠してもいいし、持ち歩いてもいいよ?」

「それなら私が持つ…」

「そうか! それなら確かに! 姉ちゃん、スピネルに任せたらだめかな?」

「いいよー。みんなもそれでいい?」

「いいわよ。私は突っ込むし!」

「私もー」

「当然ティーも!」

血の気が多いなうちの子達…。 (フンス!)


私とレウィは遊撃、未亜とシエルは敵が入ってきたらスピネルの位置から離れるよう相手を陽動してくれる。

スピネルはスキルを使って潜むらしい…。ユウキも近くに潜んでいざってときの護衛。 (いちゃいちゃしやがって…)

ティー、言い方。 (ついちゃっかり…)

うっかりじゃないのかよ!


「お嬢様、今回私は自由に動かせて頂いてもよろしいですか?」

「勿論。ピナさんも楽しんで!」

「ありがとうございます。必ずお嬢様方に勝利を…」

ピナさんは何処かの騎士かな? (かっくいーセリフ! ティーもいいたい!)

なんて? (ママにしょーりを!!)

あははっ、ありがと。ティーも楽しんで。 (ひゃっはー!!)


”後三十秒でスタートします! ルールを守って、怪我の無いように楽しんでくださいね!  …………三、二、一、スタート!!”

拡声魔法によるスタートの合図で駆け出すうちの切り込み隊。

はやっ…。


「レウィ、ついてきて」

「わう!」

かなり迂回しつつになるけど、私の選んだルートは高い位置な上に身を隠せる遮蔽物も多い。

ここからなら周りを見渡せるし、飛び降りれば高所から狙い撃つこともできる。

「レウィ、そっちから覗いてみて。もし見えたら撃ってもいいし見逃してもいいよ」

「了解、主様!」

おぉ、久しぶりに喋ったなレウィ…。 (ママ、旗見つけた!)

早くない!? (ピナさんが速攻だった…)

何者だよ…ほんと。 (ただ、守りが固くて!)

わかったよ。レウィに行ってもらうから。 (あい!)

「レウィ、早速遊撃だよ! ティー達と合流して攻撃に参加!」

「わうーーー!」

遠吠えして走ってったな。楽しそうで何より。


さてと…。あの先輩たちがこんな簡単に旗を見つけさせたってことは…

そーっと覗くと、やっぱり! 二人ほどコソコソとこっちの陣地に入ってきてる。

これは討ち取らせてもらうか。

高台から飛び降り、落下しつつ空中から二人へ向けてニ発ずつ。


「やべっ、姫さんに見つかった! 守りに入ってると思ったのが間違いだった!」

「ごめん私当てられたー。って、そっちもだけど」

「マジかよ…あの距離からそれぞれ二発…」

「狙われたら最後、姫スナイパーは伊達じゃないねー。戻ろう!」

「ああ! 作戦練り直さな…」

”しゅーりょーでーす!”

「マジかよっ!」

「うちらの負けだよね?」

「当然そうだろうな…だって攻め込んだの俺達だけだぜ?」

「これ最速の決着じゃない?」

「かもなぁ…」



”時間が早かったので、スタート位置を変更して再スタートしまーす”

確かに早かったなぁ…。 (旗とったー!)

やるねぇ! 当てられた子は? (いないよ?)

すごいなうちの子達…。



二回戦目は作戦や配置を変えて挑んでみたけど、圧倒的すぎた…うちの子達が。

二人一組でバディを組んで、旗は今回ティーと私が守る。

他は全員攻め込んだのだけど、私とティーは敵の影すら見なかった。

速攻で相手方は全員撃たれて、誰もいない安全なフィールドを、相手が復活するまでの短時間で悠々と捜索し、旗を見つけて終わったらしい…。

ピナさんとレウィコンビが見つけたと。これ、最初に見つけたのもピナさんだったらしいから…。 (タダもんじゃねぇの!)

うん。メイドさんすごい。私覚えた。 (ピナさんが特別?)

そうとも言う…。 


クラスメイトとのお試しプレイではこんなこと無かったから… (我が軍は圧倒的なのだー)

軍ではないな?まぁ強すぎたのは間違いないね。


フィールドから戻ると、待合室は凄い人になっていた。

「先輩なんですかこれ…」

「みんなが遊んでるのを見てた人が興奮して叫んだりしててね?それにつられてお客さんが入ってきて。外もすごいよ」

「そうでしたか、なにか手伝えることありますか?」

「大丈夫! これも想定していたじゃない。知れ渡ったら絶対凄いことになる! って」

「そうでしたね」

遊んだクラスメイト全員の共通認識だった。遊べばわかる楽しさ。

間違いなくお客が凄い事になるって。

唯一の心配は滑り出し。ここで失敗すると認知されずに終わることも可能性としては考えていたから、想定内とはいえ、これは嬉しい。


列の整理も先輩達がしてくれてるし、私達家族みたいな大人数もそうそういないから、フィールドを二つに分けた二面での運営になる。

「姫さんはもう一つも顔出さなきゃならんだろう?行ってやれ」

「ありがとうございます」

確かにそろそろ一度、召喚科にも顔を出さなきゃ!


移動する私にみんなついてくるんだけどね? (次はママのカフェー!)

召喚科のカフェだよ! (レシピはママのだし!)

まぁ、そうね…。 でも、可愛い召喚獣も見てあげてね? (あい! ラムネは?)

ずーっとおネム。 (さっきも!?)

あれくらいじゃ動じないよ。 (さすが! プリンは危ないかもって帰っててもらったのにー)

カフェでは出してあげていいからね。 (わーい!)














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