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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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女子力向上?



お昼休みにとんでもない話を聞いてグッタリして教室に戻る。

あと数時間頑張れば帰れるし、帰ったらゆっくりしよ…。


週末になったら三人で異世界へ行きたいから、魔力循環を試したいし。

色々やりたい事あるなぁ。


「アスカ〜。みたよー?中庭で! 熱烈なハグ。ちょっと妬いちゃうなぁ〜?」

…っ!

「奈々、見てたんだ…」

心細かったとこに未亜ちゃんの声聞いて安心してつい…しまったなぁ。


「アスカ目立つからねぇ。中庭の真ん中であんなことしてたらそれはもう」

ユウキといい、奈々といい、何?私ってそんな目立つの!?


「あの子が噂の妹さん?」

噂って…あのメールか。

「まさか奈々…?」


「…なんの事かわからないなぁ?」

これ絶対知ってるやつ! ごまかすの下手かっ。

「もぅ…いいけどさ」

今更どうにもなんないし。


「それで〜?アスカさん。親友の私にはハグしてくれないの?」

ぇぇ…。変な記憶の書き込みで親友って認識はあるけど…


「ほらほら〜」

手を広げて待たないで!?

これやんないと引かないやつ?はぁ…

一応、ブレスレット外しとこ。万が一学校で麻痺とかヤバすぎる。


恥ずかしいなぁもー。

仕方ないから控えめにきゅって抱きついといた。

「ふわぁ〜何この、安心感…ヤバっ」

なんか言ってるけど…もう離して欲しいなぁ。


「アレが親友特権かっ。羨ましい」

「ちょ、これ…」

「わぁぁ…」


なんか周りに色々言われてるし。

「もぅ…はーなーしーてー!」


何とか奈々の腕から逃れて、ちょっと睨む。

「アスカ、貴女に涙目で睨まれても…」

どうしろと。もぅ…ブレスレットつけとこ。



中庭の出来事と教室の出来事が風の速さでファンクラブに伝わったのをアスカは知らない。

見れなかった会員は悔し涙を流したとか。流さなかったとか。

ファンクラブ規約にある本人の許可なく撮影禁止。これに助けられてはいたが…。





一日の授業が終わり校門近くで待っててくれるユウキと未亜ちゃんを見つける。

「ごめんね、待たせちゃって」

「大丈夫だよ。私も来たばかりだから」

「今日は夜ご飯どうする?買って帰る?僕はそれでもいいよ」

コンビニとかで済ますのも味気ないしなぁ。


「ん〜私が作るから材料買いに行こ。二人は食べたいものある?」

「私も手伝うよ。食べたいものかぁ〜お姉ちゃんの得意な料理ってなぁに?」

「アスカ姉ちゃんは何作っても美味しいからなぁ」

「なにそれ! お料理のスペックも高いの?お姉ちゃんそっちの女子力は高いよね」

「アスカ姉ちゃんだし…」

微妙に褒められてる感じがしないのは気のせいかな?



そんな話をしながら、少し遠回りして割と大きなスーパーへ。

ユウキと二人のときも料理はしてた。

面倒くさいときはコンビニやお惣菜で済ませてたけど。


「買い物しながらでいいから食べたいもの決めてね〜」

「わかった。姉ちゃん消耗品は大丈夫?」

「うん、モール行ったときに買い足したし」

「あ、お姉ちゃん。卵が安いよ! オムライスは?」

「いいね、それにしよっか。ユウキもいい?」

「うん。なら玉ねぎとか野菜を取ってくる」


ユウキもそれなりに料理はするから、必要なものはわかるし大丈夫だね。

「なら私達は鶏肉を見に行こうか。未亜ちゃん、明日はお昼お弁当にでもする?」

「うん、毎日購買のパンもね…」

「ならその材料も買ってこ」

「うんっ」




野菜と一緒にちゃっかりお菓子も抱えてきたユウキに呆れつつ、必要なものを選び終わりレジへ向かう。

レジ横に並んでたリップを見て、化粧品のことを思い出した。

「ん〜お化粧かぁ…」

「お化粧?こないだ一通り買ったけど、足りないものあった?」

「うん、私の経験かな?」

「私も一応、一通りはできるけど…一度売り場で実演してもらう?」

そんなことできるんだ?ならそれをトレースするか…。


「ここにも売り場あったけどやって貰えるかな?」

「多少買えば大丈夫じゃないかな?」

「姉ちゃん達、気になるなら行ってきなよ。会計くらい一人で大丈夫だからさ」

「いいの?」

「うん、そっちに僕もが行っても、ね?」

そっか、ユウキ待たせちゃうしね。


「ありがと、ちょっと行ってくるね」

「ごめんね、ユウキ君」

お金を渡し会計をユウキに任せ化粧品コーナーへ。



商品を並べてるお姉さんがいるから、この人に聞いてみよ。


「すいません、メイクの体験というかやり方って教えて貰えますか?」

突然声をかけたせいかお姉さんはびっくりしてたけど、直ぐにカウンターへ案内してくれた。

「よかったね、お姉ちゃん」

「うん。未亜ちゃんもして貰ったら?」

「私は見てたいから、大丈夫」

そうなのね、見て覚えるのもアリなんだ。


「何か希望とかありますか?」

お姉さんに聞かれるが全くわかりません。プロに任せた方がいいよね。


「わからないのでお任せしていいですか?」

「いいの!?完璧な素材を私の自由に…」

お姉さん、キャラ変わってない?大丈夫?


なんかめっちゃ道具出してきた!

「ねぇ、未亜ちゃんこれ大丈夫なのかな?」

「うん、お姉ちゃんの言い方が悪かったというか…仕方ないというか」

私のせいなの!?

「多分大丈夫だよ?」

それはこっちを見て言ってほしかったよね。




会計が終わったユウキが合流して、そんなにかからずメイクは終わった。

道具いっぱい出した割に早かったなぁ。


鏡で見せてもらう。

「おぉ〜ちょっと大人っぽくなった?」

「ほわぁ〜お姉ちゃん…ヤバい」


お店のお姉さんはやり切ったって顔してるし。

「ありがとうございます。このメイクに使ったもの幾つか買いたいのですが」

「はい、ありがとうございます。えっと、これとこれと…」

出してくれたのは数種類だった。

あんなに道具出した意味…。


これくらいなら買っちゃうか…手間かけちゃったし。

「じゃあこれ買います」

会計してもらって待たせたユウキに謝るけど、思ってたより早かったから平気って。

そうだよね、メイクって時間かかるイメージ。

さすがプロってとこかな?




みんなでお買い物の荷物持ってのんびり帰ってきた。

「じゃあご飯作りますか!」

「私お米炊くね」

「ありがと、任せたー」

私は野菜の下ごしらえだね。


ユウキはお風呂の準備しに行ってくれた。





「うん、卵も上手くできた、多分完璧。サラダは未亜ちゃんが作ってくれたし」

「できたー?おぉーさすが姉ちゃん。 じゃあリビングに運ぶね」

「ありがと。 さ、食べよっか」

「うんっ、一緒にお料理も楽しいね」

「だね。お弁当の下準備もしてあるし、あとは明日の朝だね」


三人で囲む食卓は温かくてとっても美味しかった。


まぁ途中で私とユウキが召喚に呼ばれて、魔道具が打ち消すっていうイベントもあったけど…。

未亜ちゃんに一瞬怯えた表情が見えたけど打ち消されてホッとしてた。

独りにしないって約束したからね。



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― 新着の感想 ―
これ、召喚失敗した世界がどうなってるのかも気になるな…… かなりギリギリで滅ぶ寸前とかに召喚してたら、リソースだけ消えて余力なくなってそのまま滅んでそう 中には国全体の保有魔力平均が低くて奴隷を生贄に…
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