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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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新生魔道具店



私とティーは、一度帰宅した後、学園街へ繰り出した。 (ピナさんもー)

お目付け役だね。


「ママ、どこに行くの?」

「魔道具界隈がどうなったのか気になるから、マリッタさんの所へ行ってみようかと思ってね」

「おー」

「お嬢様、今回は私もお側に。以前のような事があってはなりませんから」

「じゃあ、お願いするね」

前に抱きついて縋りつかれたからな…。



魔道具店サウザンド・ドリーム。

前にお邪魔した時よりも、並んでいる魔道具の種類も増えてて、従業員も何人か接客をしている。

「あっ! 貴女はこの間の!」

「お久しぶりです。お忙しそうですね」

「まぁね。併合したから従業員もふえたし、店で扱える魔道具も増えたんだよ!」

早速影響でてるのか、早いな。 (さすが職人)

本当にね。イキイキとしてて楽しそうだし。


「そういえば聞いた?マジックボードが学園街で解禁されるよ」

「初耳ですねそれは…」

「王女様が口利きをしてくださったみたいでね、学園祭でレースもあるからその練習も兼ねて許可が降りたんだよ」

レース… (ママがポロッと)

言ったな。確かに言った。 これだから権力者と話す時は気をつけないと! あっという間に現実になる… (実際手遅れ)

そうね!? 


学園街仕様のマジックボードが専用に出てるいらしく、カスタムパーツも豊富に出揃うらしい。

沢山の職人が、マジックボード用のパーツを開発はしていたけど、公爵家のせいで商品化できていなかった物が溢れ出てきたんだとか。

みんな考える事は同じだな。 (絶対楽しい!)

「今は本体も各パーツも入荷数が少なくて、ある分だけだから早いものがちだよ!」


見せてもらったら値段も手頃で、術式のカスタムは速度以外、自由にしていいって言われたから一台購入。 (ひゃっほーい!)

帰ったら安全対策してあげるから、そしたら乗っていいよ。 (わーい!)

パーツもティーの好みで幾つか購入。 (タイヤは大事!)

細く大きめの前輪に、太く小さな後輪か…。安定性は良さそう。 (フロントフォークは長めで!)

…これチョッパーだよね?バイクの…。 (魔石を嵌める所は小さめで)

バイクのタンクだよね?それ。 (座席は低め!)

もうキックボードの面影すらない。完全に小さなバイク。 (後はドドドドドって音が出れば…)

つけないよ? (ちぇー)

「へぇー。すっごいパーツ構成だから不安だったけど、可愛いね!」

「ふっふーん」

可愛いというのかこれ…渋いの間違いでは?


パーツがユニット式で簡単に組み替えれるのは凄いけどね。 (シエルに革ジャン頼もっと)

それで炎でも纏ってたらゴーストラ○ダーだよ…。 (それつけて!)

危ないからだめだよ。 (むーエフェクトだけー)

まぁそれなら… (やった!)



本体にパーツ、コミコミでも金貨十枚ほど。

差し押さえられた公爵家の財産から支払われた賠償金や、助けたクラスメイトの親からもらった報奨金など、とんでもない額を受けとってるから使わないといけないし。 (こっちは投資がない!)

そうなんだよ…。これみんなも欲しがるかな? (リアは絶対)

他のみんなは怖がるか。 (うん、ユウキとレウィは喜びそう)

また一緒につれてくるかー。 (まずティーの見せるー)

そだね、その反応見て決めよう。


取り敢えず購入した物をマジックバッグに仕舞うティー。

「なっ…それ何!?」

「ストップです! お嬢様方に触れる事は許しませんよ」

「あう…でも…」

「話なら離れても出来ますよね?」

「はい…」

私達の買い物を黙って見ててくれたピナさんも、興奮して飛びつきそうになったマリッタさんには黙ってられなかったらしい。


「ストレージじゃなくてマジックバッグだよね?それ…」

「そうだよー。ママの手作り!」

「容量どーなってんの!?」

「魔力量しだいですから、うちの子ならこれくらい入りますよ」

「……そうだったとしても、その魔力量を支えれる術式のマジックバッグ?あり得ない…」

「えー? ここにあるよ?」

「そうだね!? はぁもう…やっぱり弟子に!」

「なりません! それ以上近づくのなら実力で排除しますよ」

「うぅ…」

ピナさんが怖い…。 (堅気じゃねぇ!)

どこで覚えてきた!? (…内緒)

…しばらくバイクはお預けだね。 (そんなぁ…)



あまりにマリッタさんが落ち込むから、マジックバッグを作れるワッペンを渡してあげた。

「それを好きな鞄に貼るだけで、貼った人専用のマジックバッグになりますから」

「いいの!? でも…見合うお返しが…」

「多分、うちの子がまたマジックボードを買いに来ると思いますから、その時に少しサービスしてください」

「それくらい勿論だよ!」

マジックバッグの扱い方を一通り説明してプレゼント。

涙流して喜んでるんだけど…


「よろしいのですか?お嬢様。 素人の私から見てもとんでもない物だと思うのですが…」

「すぐ作れるしなぁ…ピナさんも欲しければあげるよ?」

「いただけません!」

それは残念。便利なのに…。 (ねー)


帰りは食品店で、色々買って帰ってきた。

今日は私が作るよ! (わーい! でもバイクお預け…)

どちらにしても安全対策が必要だからね。 (あい…。 ぅー)

…先にやるか! (やった!)


庭に出て購入したマジックボードを出してもらう。

術式は…ふむ…シンプルに走らせるための物と、ブースト機能か…。これはレース用かな。 (シンプルなのは事故があったから?)

そうかもね。細工されたとはいえ、それを知らなかったんだろうから、極力シンプルにしたんだろうな。

そこにレース用にブーストが追加されてる感じ。 (ブーストって何?)

三十秒間、スピードが三割増しになるの。

レースだと、どのタイミングで使うかが大切になるんじゃないかな。 (おー戦略だ) 

うん。そんな感じだと思うよ。


私のつける安全対策は当然、人にぶつからない事。これはティーも相手も守ることにつながる。

低速ならぶつかる前に停止するか避ける。 (高速なら?)

そっちもオートで避けるよ。 (避ける場所がないときは…)

上があるじゃない。 (飛ぶの!?)

危険回避のためだけね。 (なんだー)

後はバランサーをつけて、コケないように。 (装飾は!?)

何がいいの?本物の炎はだめだよ。 (それはエフェクトだけ! あとは…ライト! 前を照らすの。それにクラクション)

それは大事だね。 (うん!)

ますますバイクだな…。 (かっくいー!)


ティー、これを渡す前に大切なことだからちゃんと聞いてね? (あい!)

これに乗って危ないことはしないように。一人で勝手に乗って何処かに行かないこと。 (はーい!)

よしっ、じゃあ乗ってみて。 

「ひゃっはー!」

世紀末かよ…。

「ぶるんぶるん…どどどどど…」

音はセルフなんだ。 (だって音しないもん!)


庭で乗り回してるティーは楽しそうで、買ってよかった…かな。

速度も自転車程度だし、安全対策もした…。これ以上は…過保護すぎるな。

見守るの事も大切。

「ぶいんぶいーん♪」

早速炎のエフェクトを引きながら走ってるわ…。






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