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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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ティーと託児所



早朝に魔法学園からの放送がかかり、全生徒は講堂に集まるようにと言われた。

授業は無くても行かなくちゃ…。 (ティーもー)

うん。ピナさん達も来てくれるから行こうね。


未亜達は午前も午後も授業があるらしく…

「ユウキとレウィは…?」

「うちもギルドで依頼を受けなきゃいけないから行くよ」

「わう?」

「そう…」

当然スピネルも一緒だよね。

私だけ通う科が違う弊害が出てるなぁ。 (ティーとお出かけする?)

そうしようか! (わほーい!) 



集まった講堂では学園長から諸々の説明がされて、これから学園は生まれ変わると宣言された。

その始まりとして、二週間後に学園祭が開かれると。前半一週間で企画、後半の一週間で準備するという結構なハードスケジュール。

なにそれ! 初耳だよ!?昨日教えてくれればよかったのに…。

壇上からこっちを見て笑ってるって事は、絶対にわざとだ。


各科で、自由に出し物を決めたりして良いそうで…。

今日から学園の授業はそれに向けてのものになるから、みんな楽しそうにしてる。

私も明日の授業時間が楽しみ。 (明日は午前も、午後もあるから!)

そうだね。


取り敢えず今日は撤収。

本当にこの話を聞きに学園に来ただけだな私…。


一緒に帰るティーとピナさんを迎えに行く途中で呼び止められた。

「アスカ様、お久しぶりです」

「王子様、ストレリチア様、お久しぶりです」

「あぁ。ほらライアンも…」

王子様の影に隠れてたのか…。


「アスカ様…あの…」

「はい、どうされましたか?ライアン様」

「これ…ありがとうございます…。あとお菓子も…」

何かと思ったら、三人とも学園長経由で渡してもらった試験管型のアクセサリーを付けてくれてた。


「気に入っていただけましたか?」

「はい…」

「私も嬉しかったです! 初めて見せて頂いた時から羨ましくって…」

「そうだな、これはとてもいいセンスだ」

「ありがとうございます。一緒にデザインを考えてくれた妹も、それを聞いたら喜ぶと思います」

「珍しくライアンが自分からお礼を言いたいといい出したからな、呼び止めてすまなかった」

「いえ、わざわざありがとうございます。ライアン様、お菓子はティーにたくさん持たせているので、また貰ってくださいね」

「あ、ありがとうございます!」

おぉ、初めてちゃんとこっちを見て笑ってくれた。 (ティーには笑うけど、大人には話しかけもしないから…)

そっかぁ…。


ライアン様は兄王子と一緒に騎士科に通っているらしく、そちらへ向かった。

「あの子が家族以外に笑うの初めてみました…」

「ティーには笑いかけてるみたいですよ?」

「そうなのですか? 自分より小さい子は初めてでしたから…。騎士科で体を動かして、魔力不調が改善されるといいのですが…そうすれば身体も成長するかもしれませんし」

「魔力不調…」

「ええ…。 アクシリアス王国のシルフィー様も同じような症状が出てたはずなのですが、改善されたと聞きましたし、希望はありますよね!」

ごめんなさい、それ私のせいだ。 (ママのおかげ!)

変に魔力が増えちゃったから手放しに喜べないよ…。 (それはまぁ…)


「そうです! シルフィー様にお手紙でお尋ねしてみましょう!」

やめてー! (…と声に出して叫びたいママ)

何とか誤魔化してくれないかな…。 


お手紙を書くからと帰っていったストレリチア様と別れて、私は託児所へ。 (ついにママのお迎えが!)

今まではピナさんが連れてきてくれたもんね。 (うん!)



学園の建物とは別棟になってる、こちらも大きな建物。

生徒の従者として来ている人達の待機室だったり、先生方の寮や休憩室もあるらしく、本来は生徒があまり来るところではないのだけど、私はちゃんと許可をもらってる。

なんせティーがいるからな! (ママのお迎えー♪)

そうだよー!



保育園とかみたいなイメージをしていた託児所は、どちらかというとモールにある子供の遊び場に近かった。

玩具や遊具が沢山あり、子供達が自由に遊んでる姿は見ていてほっこりする。

「ティー、迎えに来たよ!」

「はーい! みんな!」

「「「「「はい!」」」」」

…なにこれぇ?


ティーの一声で、遊んでいた子供たちが私の前に整列したんだけど… (お菓子もらったお礼を言いたいって)

あぁ…ね。 いやいや、それにしてもおかしいよね!?

なんでこんな統率されてるのよ。 (ふっ…)

うちの子やりやがった! (なんのことかわかんないのー)

託児所に君臨… (ママのお菓子あげてたらこうなったよ?)

私のせいかよっ! 

一斉にお礼を言ってくれる子供達が可愛いけど、なんだか可愛げがない!

子供らしさどこやった!?

「貴女がこの子の…?」

「はい…すみませんうちの子が」

話しかけてきたのは優しそうな初老の女性。

ここの責任者らしい。


「謝られることなんて何もないわよ〜。いい子だし、みんなとも仲良くしてくれてるのよ」

「それならいいのですが…」

「けんかも止めてくれるし、私達の手間がなくなったわ」

「はぁ…」 (ふっふーん)

うちの子有能すぎる…。


またお菓子をあげる約束をしたら、喜んだ子供達にもみくちゃにされそうになったのだけど、ティーが…

「ダメだよ…?ママはティーの!」

その声にビクッとした子供達がまた整列していてどう思ったらいいのか…。 (ママには触れさせない!)

子供くらいいいのに…。 (ダメ! スケベなやついるから)

ぇー…。子供なのに? (ピナさんのスカートめくったり、抱きついた)

…かわいくねぇな! (ピナさんにも叱られてたし、教育はしました!)

教育…。 (でも、ママには触れさせない!)

そう、ありがとね。子供相手でも警戒しなきゃいけないのか…。世知辛い。 (ママはスタイルの良さを自覚して)

はい…。 (文字通り”揉み”くちゃにされるとこだったよ?)

ヤダ、子供怖い…。 (アイツとアイツは要注意!)

ティーが指差したのは悪ガキっぽい子と、一見大人しそうな子だった。 (そっちのがやばい)

ホント子供怖い…。


ピナさんも迎えに行って、三人で帰宅。

「お嬢様、託児所で…その、大丈夫でしたか?」

あぁ例の子供の事を心配してくれてるのか…。

「大丈夫でしたよ、ティーが止めてくれましたから」

「良かったです、お嬢様の御身に触れさせたとあっては…始末しなくてはならなくなるところでした」

今なんて言った…? (シマツ?)

そこまでしなくてもいいよね!? (ティーもその時は賛成!)

私が気をつけるから、やめようね?いくらなんでも相手は子供なんだから…。 (むー…)

迎えに行くときは、廊下までにするよ…。 (それがいいかもー)











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