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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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ダブルでノックアウト



中庭。

多分ここだよね?

あまり来たことないけど…中等部と高等部の建物に挟まれるような場所にあるところ。

当然だけど上級生もいっぱいいる。

あれって生徒会長だよね…お嬢様っぽい見た目なのに、こんなところでパンかじってると違和感がすごい。

う、目があった。生徒会長に目を付けられるとかシャレにならない。 (手遅れだな?)




うちの学校はお弁当か購買だから私も適当にパンを買ってきた。

まだ二人は来てないのかな。

「お姉ちゃん! 見つけた」

後ろから未亜ちゃんの声が。


「未亜ちゃんっ」

無意識に抱きしめてた。

「お、お姉ちゃん?」


「…あ、ごめん。未亜ちゃんの声聞いたら安心しちゃって…ごめんね」 

慌てて離れる。



「二人ともなにしてるのさ…めちゃくちゃ目立ってるから移動するよ!」

ユウキに連れられあまり人のいない中庭の端っこに。


「ホントなにしてんの?アスカ姉ちゃんはただでさえ目立つんだから、気をつけてよ」

私目立つの!?

「ユウキ君それくらいで…お姉ちゃん何かあったみたいだし」

「そうなの?取り敢えずそれもだけど、情報出し合おうか」

「そうだね」


「まずアスカ姉ちゃん?何があったの?」

「それがね?」

朝にはなかった記憶が、教室に戻って少ししたら頭に流れ込んできたこと。

全く覚えのない事のはずなのに、記憶としてあるっていう凄い気持ち悪い感じを説明した。 (お仕事したのに…)


「強制力かな…。周りの反応は?」

「そっちは当たり前のように私を女の子として認識してた」

「そっか…」


ユウキからは意味のわからない、と言うか理解したくない生徒会やファンクラブの話を聞いた。

「この学校ヤバいよ。生徒会が私怖い」

「それは僕も同感」

「……」

未亜ちゃんは何も言わないけど…そういえば重大な情報があるとか言ってなかった?


「後は未亜姉ちゃんの話だね。一番確信だと思うから最後にしたけど、聞かせてくれる?」

「…うん。その前に二人とも落ち着いてね?」

その前置きは、ダメなやつぅ…。


「まず第一にお姉ちゃんが女の子っていうのは、多分問題なく強制力?で認識されてると見ていいよ」

そうなんだ?


「ファンクラブの影響で不具合出るのを予想してたんだけど…違ったね」

だよね、下手したら未亜ちゃんみたいにイレギュラーが起こる可能性もあったのに。


「それなんだけど、そのファンクラブのおかげで強制力が無事に働いたみたい」

「どういうこと?」

「元々二人のファンクラブは1つで、その時からすごくルールが厳しくて情報の統制がすごかったみたいで」

プライバシーは…


「お姉ちゃんが女の子に変わった事で、2つに別れたみたいだけど、さっきユウキ君が言ったようにクラブのトップは変わってない。 だからルールも変わってない。嘘の情報や噂は即訂正されてたみたい」

「そんな事ありえるの?」



「うん、今朝私ね、上級生に絡まれたの」

は?うちの妹を絡んだ?

「ユウキ」

「わかってる。見つけて潰すんだね」

「うん、二度とそんな気が起きないように…徹底的に」

「まってまって! 二人とも! その後が大事なの」

うん、後が大事だね。どうしてくれよう…


「私が絡まれた理由はお姉ちゃんとユウキ君と親しく話してたから」

大事な家族だし妹だ。何が悪いの?

「それは、うん。会長から聞いた。可能性として」


「でも突然謝られて何もなかったの」

「え、なんで?しかも突然引き下がったの?」

意味がわからない…。



「そう思うよね?だから友達に無理を言って今朝会員だけに送られたメールを転送してもらったの」

もうどこから突っ込んだらいいのか…

「会長達が動いたってことかな?」

なんでユウキはわかってる感じなの!?


「見て、このメール」

ユウキと二人で未亜ちゃんのスマホを覗き込む。




…orz


「お姉ちゃん…、ユウキ君まで」


「何この組織…怖いよぉ…」


「ユウキ様ってなんだよ…公認にした覚えもないよ?ファンクラブと言うかもうヤバい秘密結社じゃん」

そこはちょっと面白かった。でも私もどう呼ばれてるかわからないから笑えない…。


「あ、でも考えようによっては未亜ちゃんの安全が保証されたんだし良かったんじゃないかな?」

立ち上がり二人にそう言う。


「そこは確かに。アスカ姉ちゃんも公認にする?」

「それ以外にどうにかできると?」

「学校ごと、更地?」

「できるけど…」

「ユウキ君、怖いこと言わないで。って、お姉ちゃんできるの!?だめだよ!」

いや怖いの生徒会だよね?



結局心配だった部分は杞憂に終わったとみていいみたいけど、知りたくない事をたくさん知って…。

憂鬱は消えなかった。


唯一のプラスは未亜ちゃんの安全かな。


…うん、それがあるなら他は我慢しよう。

妹大事。最優先。

あーパン美味し…


「お姉ちゃん、スカートなんだから脚閉じて。見えちゃうよ」

「はい」

これだけはまだ慣れないよ!








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