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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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尻尾も頭も



公爵本人が泡を吹いて気絶した事で取り調べは後日となった。

原因となった私は謝ることしかできなかったけど、陛下も王妃様も怒るどころか私に謝ってくれた。

実行される前だったとはいえ、他国の王族への暴挙は許されるものではないと。

公爵家からはまだまだ証拠やら押収品が出てくるだろうから、大規模な貴族裁判になるとも。

律儀に賄賂を送った相手や金額、それらを書き留めてたようで…。

まぁ、まさか公爵家が家宅捜索されるなんて夢にも思わないだろうしなぁ。

「幾つ貴族家が潰れるか楽しみだわ」って笑ってる王妃様がちょっと怖い…。


そもそも、私達王族に対しての策略があったと分かったからこそ、公爵家相手でも動くことができたと教えてくれた。国際問題になりかねない内容なら相手が誰であれ裁けるらしい。

「すべてを話してくれたサラセニア嬢には感謝しかないな…」

「そうね…泣きながら床で土下座して話し始めた時は何が始まったのかと思ったわよ。副学園長の二人は公爵家を恐れていて、中々詳細までは話してくれなくて難儀してたのよ」

「サラセニア公爵令嬢はどうなるのですか?」

確かに嫌な奴だったけど…私の家族が助かったのはサラセニアのお陰なら…何とかしてあげたい。 (またーもう!)

だって! (ティー達が簡単に人質になると思う?)

思わないけど。 万が一が無いとも言えないから心配なのよ… (……過保護)

そうかもね…。


「罪は罪だが…彼女の告発のおかげで助かったのも事実。減刑は考慮するつもりだ」

「ありがとうございます陛下」

「しかし…いいのかね?アスカ殿自身、被害に合われたと聞いているが…?」

「些細な事です。家族を助けてくれたことに比べたら…」

「そうか…」

そう、本当に些細だ。課題を追加されたり、一度絡まれた程度。 (ママが気がついてないだけで最初の頃は色々あったよ?)

え? (階段からつき落とそうと体当りされたり、上から物を落とされたり…悪口を言われてたり)

知らないんだけど! (だって、体当りされても相手の方が反動でコケて、ママは単にぶつかってコケたんだと思って、手を貸して助け起こしてたし)

記憶にない…。 (物が落ちてきたのも、スッて避けたり、キャッチしてポイって…)

そっちも記憶にない。 (ママにとってはその程度だった!)

教えてくれればいいのに。 (ママの驚異になるようなのは、なーんも無かったから)

そっか。じゃあ、悪口は何を言われてたの? (田舎の王族、モノの価値を知らない)

ドラゴライナ王国は田舎ではないけど、私がモノの価値を知らないは合ってるな。 (うん!)

即答されるとへこむ…。 (後は、女好きで愛人をたくさん連れてる!)

はぁぁ? (リア達とあんなとこへ行ったから)

見られてたのかよ!! (学園街内だし…)

そうね?それにしても愛人て…。 (そっちに関してはみんな満更ではなさそう)

いや、愛人扱いはどうなのよ? (もうそれでいいやって諦めたみたい)

そこは諦めんなよ!


まぁ…それはともかく…


公爵家の事に関して、私にできる事はないし、謁見の間を辞してお屋敷へ帰る。

みんなに説明…イヤ、逃げたほうが良かったんだっけ!?

色々ありすぎて混乱してきた! (逃げられないよ?)

え…?

「アスカ!」

「お姉ちゃん!」

何でみんなお城に来てるんだよ…。


「アスカのすっごい魔力感じたからとんできたよー! 何があったの?」

「お姉様…大丈夫…?」

私が怒ったときのか! (当たりー!)

「お城へは顔パスで入れてもらえたのー!」

ティーの本体も一緒に来てくれたのね。 (ふふーん♪)

「みんな心配かけてごめんね、帰りながら事情の説明するよ」

逃げようかとか考えてたはずなのに…みんなの顔を見たら安心して、そんな気も失せたのは…

やっぱりそういう事なんだろうな。


「もうすぐユウキ君とレウィちゃんも帰ってくるだろうから、みんなで話を聞くよ」

「そうだね…ピナさん達にも話さないとなぁ」

心配してそう…

「本当ですよ…みなさん突然飛び出していかれて。私でさえ追いかけるの大変でした」

ピナさんもお城の外までは来てたのか…。

うちの子達、魔力が高い分基礎的な身体能力も高いから、確かに追いかけるのは大変だろうね。 (ティーが全力で身体強化かけました!)

それはそれは…。 (みんな心配してたから) 

ありがとね…。



お屋敷へ帰り、みんなに諸々の説明をして。

公爵令嬢を助けた事自体は怒られなかったけど…

「もうお姫様抱っこはダメよ! これは絶対!」

「うん…羨ましいからダメ」

「そうやってまたアスカは引っ掛けるんだからー!」

怒るのそこなんだ…。


「でも…私たちの事を想って本気で怒ってくれたのがあの魔力のうねりと圧なら、嬉しいわね!」

「うん! すっごかったもん」

「私でさえ、お姉ちゃんだ! ってわかったから」

「お姉様の魔力凄かったの…」

「でも、姉ちゃんのガチな威圧を直で向けられた公爵は悲惨だな。泡吹いてたの見たかったよ」

「わう!」

寝てたラムネも飛び起きたくらいだものなぁ。キャンディ達にも伝わってそう…。


「お嬢様。それですと、敵の尻尾どころか、頭を潰したという事ですか?」

元凶はサラセニアではなく、公爵家だから…その公爵本人が捕まったのなら…

「そうだね…細かい問題や、気がかりはあるけど…そうなるのかな」 

「おめでとうございます、お嬢様。陛下もきっとお褒め下さりますよ」

「そうだといいけど…アキナさんの顔に泥を塗るようなことにならなくて良かった」

「大丈夫です! お嬢様は間違った事はされておられません!」

ピナさんが褒めてくれるからくすぐったいけど…これで、学園は取りあえず落ち着くのかな。


後はいくつか気がかりが解決してくれたら… (気がかり?)

うん…ほら、魔道具科の先生。 (あぁ! デザイアにも家宅捜索入ってるの)

そっかぁ…。でもそっちより、公爵令嬢本人が攻撃しろと言ったとはいえ、攻撃したのが問題にならないか心配で…。 (そっちはへーき!)

そうなの!? (悪ポエが、あれは授業の一貫だったからって。攻撃を指示したのも自分だからと)

変われば変わるものね…。 (うん。ただ…先生の方は納得してないみたい)

あぁ…。攻撃したのは事実だもんね。 (そう。だから一応取り調べされてる)

私の魔道具のせいでもあるし何とかしたいな。 (ママは悪くないよ?)

ううん。攻撃できる道具を作っておいて、人に渡したらおしまい。その人がどう使おうが知らない。なんて事はしたくないんだよ。

だからこそ攻撃する事のできる魔道具は、本来なら使える人を限定したり、相手を見極めて渡さなきゃいけないの。 (でもあれは課題だし)

うん…それでこんな事になっちゃったんだよね。


しかもあれでもコチラだとかなりの過剰な威力みたいだし。 (魔界や師匠と比べたらダメってことー?)

そう。だから、ここでもう少し勉強していこうかなって。 (うん!)

未亜達もまだ学園に通いたいだろうし、平和になった学園を楽しむのもいいじゃない。 (それはそう!)

それに、ティーの予言も外れたし! (え?あっ…報告してなかった!)

やめてね!? (なーんて。ママが自分で話したからもう報告することないのー!)

そう言われればそうね。



公爵家の家宅捜索があった日の夕方…

学園街に、入学式の時と同じように拡声魔法で放送がかかった。

教師や生徒に逮捕者が出たから、それらの後始末の為に一週間ほど学園が休みになると…。

ここで勉強しようと思った矢先に…。 (仕方ないのー)

入学式から数日でまた長い休みに入る学園。 (第五話は、アスカの休日。だね)

なんか初めて平和そうなタイトル! (折返しのお休み回だから)

それだと後半また何かあるみたいになるから止めて!? (楽しみー!)










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