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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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知らない記憶



保健室にいるのもなんか落ち着かないなぁ。

体調が悪いわけじゃないからね…。

でも胃は痛い気がする。 気のせいだろうけどね。状態異常かからないし…。


私これから学校に通えるのかなぁ。

中高一貫だからまだまるっと2年以上…

いっそ異世界に移住しちゃおうかな。


「アスカちゃん?少しは落ち着いた?」

保険の先生かな。


「はい、だいぶ落ち着きました」

「カーテン開けるわね〜」

「はい」


「うん、顔色も良さそうね。どうする?教室戻る?もう少し休んでてもいいわよ?」

この保険の先生、一部の男子にすごい人気で話は聞いたことがある。

顔は幼いのにスタイルが良くて優しい。そんな話。

私は保健室にお世話になるようなことがなかった。

それはそうだよね。高いステータス、状態異常耐性。病気なんかかからない。


「もう少しいてもいいですか?」

「いいわよ。じゃあなにか飲む?」

「はい。お願いします」

「コーヒー、紅茶があるけど?」

「紅茶がいいです」

「はーい」


先生が淹れてくれる紅茶の香りで少し気持ちが落ち着く。


「はい、どうぞ。ストレートで良かったかしら?」

「大丈夫です。ありがとうございます」

あったかい〜はぁ…落ち着く。

ユリネさんの紅茶も美味しいけど先生のも美味しい。


「アスカちゃん、ホームステイしてたんだって?もしかして時差ボケ?」

あぁ、そういう事になってたんだっけ。


「いえ、帰ってから数日は経ってるのでそれはないと思います」

「楽しかった?若いときは色々経験しとくものよ?」

「そうですね」

確かにとんでもない経験しましたよ。女の子になるとかね。


「家族が増えて妹さんができたって?」

「先生よく知ってますね?」

「えぇ、さっきメー…いえ、教師は聞かされてるからね?」

「…?はぁ…」

先生なら知ってて当然か…。


「アスカちゃん、ちょっと後ろ向いて」

「?はい」

「寝てたから髪乱れてるのよ、直してあげるから一度解くわよ」

「はい、すいません。朝、妹に結ってもらったのに…」

せっかくキレイにしてくれたのに、ごめんね未亜ちゃん。


「仲良しなのね?安心したわ」

「そうですね。大事な家族で妹なので」

「そっかそっか。それにしても本当に綺麗な髪ね……はい。出来たわ」

「ありがとうございます」

いい加減自分で出来るようにならなきゃだけど…。慣れないなぁ。


「そろそろ1限目終わるから、休み時間には教室へ戻りなさいね」

「…はい」

憂鬱だぁ…大丈夫かなぁ。




チャイムがなり1限目の終わりをつげる。

先生にお礼を言って保健室を出た。

あれ?メールが来てる…。

未亜ちゃんか、えっと重大な情報を手に入れたからお昼休みに中庭へ集合?

重大な情報って…怖いんだけど。

取り敢えず了解って返事しとこ。



教室。 朝と同じように扉の前で二の足を踏む…

高等部へ上がる前に召喚されてたから、私はこの教室にまだ入ったこともないし…。

気が重い…。


「あ、アスカもういいの?」

後ろから声を掛けられる。保健室に連れてってくれた子だね。

「うん、落ち着いたから。朝はありがと」

「いいよ〜友達でしょ?鞄は机に置いといたからね」

あー、ごめんね。その記憶ないんだ。

「ありがと」


「ほら教室入るよ! 休み時間終わっちゃう」

「…うん」


友達っていう子に案内されて席へ。

席は…中等部の頃から何故か変わってないんだね。

窓際の一番後ろ。


ここから見る空は何も変わらないのに。


変わったのは私だから。

受け入れたつもりだったのに…。


友達と思ってた人達との距離。

よく知らない友達。


どうせなら私の記憶にも強制力働いてくれればいいのに… (任されたっ)


「アスカどうしたの!?」

「え?」

「涙…何かあったの?ほらハンカチ」

私泣いてたんだ…。そっか。

友達が涙を拭いてくれた。私が落ち込んでたりしたらいつも気にかけてくれる。

「あれ!?」

今…、え?あれ?私この子知ってる。どういう事?

名前は奈々。知らない思い出が頭の中に…。

なにこれ…気持ち悪ぅ。 (失礼な…)


「ありがとう、奈々」

「いーえー。それでどうしたの?そんな窓際で泣いてたら絵になりすぎるんだけど?」

「え?」

「ほら…」

クラスの殆どがこっちを見てる。

恥ずかしい…なんのイジメ?


「ほらほら! 気持ちはわかるけど泣いてる子を見ない。特に男子は散れ散れ!!」

奈々の言葉でみんなバラバラになってったけど。

「それでー?どうしたの」

「うん、大丈夫。ありがと。奈々のおかげで落ち着いたよ」

「そう?何かあったのならいつでも聞くからね」

「うん、ありがとね」

「そろそろ先生くるしまた後でね」

そう言って奈々も席に戻っていった。


ちょうど先生も来て2時限目が始まる。


3時限目、 4時限目。

特に何もなく授業も進みお昼休み。


未亜ちゃんと待ち合わせもあるし早く行こ。

「アスカ、お昼は?」

「奈々。今日はちょっと用事があるからごめん」

「えーもぅ。明日は私が予約だよ?」

「わかったよ〜でも何?予約って」

そう言って笑い合って…なんか私自然になれてる?

朝の違和感は?ううん、いい事…だよね? (ドヤァ)


これなら、なんとかなるかも。

少しだけ心が軽くなって、なんとなくそんな風に感じた。










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さすがにこれは気持ち悪いな…… 百合に挟まる男を排除するためだろうけど主人公が完全に作者のおもちゃ…… 弟に対しての態度からみて、実姉オネショタ症候群にも罹患しているな? 特に意味の無い強制力(作者都…
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