表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

412/774

学園街へ



まだ制服の届いてない私達は私服で街へ出た。

「学生さんは基本、外出する時は制服を着るように言われてます。留学生でもあるお嬢様方は、特別なのでお気になさらなくて大丈夫ですけどね!」

案内してくれてるメイドさんは本当に学園街にくわしい。

「アヴィーさんは学園の卒業生ですか?」

「未亜様、私の事はアヴィーと呼び捨てにしてください! 一介のメイドに敬語も必要ありません! 一応、魔法科の卒業生ですよ」

「慣れなくて…。魔法科、私もそこへ通う予定なんです…だよ」

「ドラゴライナ王国はそんなに厳しいのですか…!?」

そういうわけではないよね…。どちらかというとアットホームな国だし。 (うんうん!)

ただ、慣れないのは仕方ないよ。メイドさんもみんな年上だし。


「未亜は元々こういう子よ?あまり気にせずに接してあげて」

「ルナリア様がそう仰るのなら…」

「リアちゃん、ありがと」

「いいのよ。それより未亜、あのお店は?」

「わぁ…かわいい!」

「あれってカフェ?」

「はい、ルナティア様。この辺りでも人気のカフェですよ。季節のスイーツも出してるので、楽しみにしててください!」

未亜達の一番の希望はカフェだったから、まずはそこへ向かう。確かにおしゃれだなぁ。


カントリー調の店構えは、建物も家具も明るい木目がキレイで、なんだか落ち着く。

「私は待機していますから、ごゆっくりー」

「やっぱりそうなっちゃうんだね」

「仕方ないわ未亜。お仕事なんだもの」

「大変だよねー、メイドさんも」

アヴィーさんは、ピナさん、スピネルと店内の従者用エリアで待機になる。

レウィもお店には入れないから心苦しい…。

前にも似たような事があったから理解はしても納得いかない気持ちはわかるなぁ。 (アリアさんたち?)

そうそう。



「こちらメニューです。注文が決まりましたらおよびくださいね」

「あ、すみません…ちょっと聞いてもいいですか?」

「はい?」

「持ち帰りできる物はありますか?」

「ありますよー。 えっと…メニューのこのページの物は持ち帰れます」

「ありがとうございます」

結構種類があるね。

「お姉ちゃん、もしかして…」

「みんなの分買って帰ろう?」

「うん!」

メニューの名前はどれも聞いた事のないものばかりだけど、フルーツとかが名前に入ってるのをみんなでそれぞれ選んでいくつか頼んでみた。

その中で美味しかった物を買って帰ることにする。

「ユウキもスピネルの分買って帰りなよ」

「そのつもり。ただ、姉ちゃんの手作りを食べた後で満足するか不安だけど…」

「お店に失礼だから。せめて食べてから判断しなさい」

「わかったよ」

褒めてくれるのは嬉しいのだけどね。



注文して届いたのは、フルーツサンドみたいなのから、各種フルーツの乗ったケーキ。

ドライフルーツの入ったパウンドケーキみたいなのは美味しかった。

クッキーみたいな焼き菓子もあったけど、こっちはパサパサだった。

後は何故かステーキが混ざってた…。

「…うち、もうステーキはいらないの…」

「“ランプの明かり〜ベリーを添えて〜”って名前だったのよ?分かるわけ無いわよ…」

ランプ肉とかかな…? (なにそれ!)

肉の部位だよ。 (へぇー!)

あのステーキを頼んだのリアか。確かのその名前ではわからんよなぁ。 (他のも名前にクセがありすぎるの!)

それは思った。


「ステーキは私が食べる!」

元気にそう宣言したティアねえ様は嬉しそうにステーキを食べてる。

有り難いけど、毎日よく飽きないな…。 (ティーも流石にもういい)

昨日、昼も夜もステーキだったからね。いくら美味しくても続けて食べるものではない。

と言うか…持ち帰りにあったメニューと見比べながら頼んだよね?ステーキも持ち帰れるの? (たぶん…)

どれだけ肉好きなんよ、この国の人たち。 (ママドン引き)

そこまでは言わないけど…。ビックリはしてる。


相談した結果、まずは美味しかったフルーツサンドみたいな、”重ねた罪とベリー“を。 (罪も挟まれてるの?)

タップリのクリームの事じゃないかな? (あぁー!)

追加で”鉱山フルーツ”これがドライフルーツの入ったパウンドケーキ。 (フルーツが埋まってるから?)

そうかも…。

どれもすっごいネーミングだな。コレも翻訳スキルのせい? (さぁ?)

店員さんに持ち帰るからと、追加で注文しておいた。



会計をして持ち帰り分を受け取りストレージへ。

カフェの後は、一応確認しておきたくて魔道具関連のお店へ案内してもらう。


「今から行く魔道具店は、王妃様のお知り合いなのでご安心ください」

それは安心だ。魔道具関連は殆ど公爵家の息がかかってると聞いていたし。


案内されたお店の外には魔道具の照明がいろいろなデザインで作られたものが並ぶ。

術式も、当たり前に見れるって事は偽装も隠蔽もされてないね。 (レベルは?)

アクシリアス王国とさほど差はないかな…。彫り込みも浅いし、無駄が多いね。 (力入れてるのに?)

夜景を見る限り、広く普及させてはいるみたいだよね。 (あー! きれいだった)

明かり以外の魔道具は、中を見てみよう。 (あーい)


扉を開けて入ると、大きなポスターがまず目に入った。

「アスカ、あれだよ! 私の見た乗り物」

「ティアねえ様が前に言ってたやつだね」

「うん! それそれ」

箱型に車輪のようなものがついてて、確かに車っぽい…。 (トロッコみたい)

あー、確かににてる。よく知ってるね? (ゲームで見た!)

あれか。ブロック積んで色々作ったりする… (そうそう! 家作って爆破するのが楽しいの!)

なんて楽しみ方だよ! (♪)


「いらっしゃい〜。それは受注生産になるからすぐには買えないし、すごく高いよ?」

声をかけてきたのは店員さんらしき二十代くらいの女の人。

オーバーオールのような服に、スパナみたいな工具類の入ったカバンを腰につけてて、魔道具職人というよりは技術者っぽい。

「見ていただけなので…」

「そうだよね。学生でこれを買えるのは上位貴族様くらいだよ。学生街では乗れないしね」

ならなんでポスター貼るのよ…。 (宣伝?)

ド正論。


「色々見てもいいですか?」

「いいよ、買ってくれると嬉しいけどね」

気になるものがあれば…。 (ありそう?)

うーん…。


売ってるのは戦闘向けが多いから、私は要らないなぁ。

〇〇の魔法を使えるようになる! とか、後は威力上昇、みたいなのが大半。 (確かにママには不要)

うちの子達にもいらないだろうなぁ。術式も無駄が多いから、改善すれば威力は8割増には出来る。 (ママ基準)

そうなんだけどね…。王妃様の言う、こちらのレベルってのはこれくらいって事なんだろうね。 

隠蔽もされてはいるけど、私の場合見ただけで破れちゃうな。 (隠蔽の意味!)


「貴女、技術者?それとも魔道具職人?」

「…どうしてですか?」

「魔道具を見る目が買う人のそれじゃないから」

「そうですね、魔道具を作ってます」

「魔道具科の子かぁ! 勉強になるでしょ?うちの魔道具は」

「ええ、まぁ…」 (こっちのレベルを知ると言う意味で)

うん…。


「もし自作した物があるのなら見てあげるよ?」

「アスカ、見せてあげなさいよ」

「うんうん」

ニヤニヤしてるリアとティアねえ様は絶対面白がってるな。 (ママにマウント取りに来たから!)

それは仕方ないでしょう。こっちは学生で、あっちはプロなんだから。

「ほらほら、恥ずかしがらないで。アドバイスくらいしてあげるから」

断れない雰囲気に、已む無く手持ちから魔道具を渡す。

「ストレージ持ち!?羨ましい…」


魔道具を渡したら固まった。 (何を渡したの?)

どれも隠蔽してあるから解析できないだろうけど、安全を考慮して景品にしてた光るバッヂだよ。 (あぁ…かわいいやつ!)

「……………」

「どうしたのよ?アドバイスするんじゃなかったのかしら?」

「リア、やめなって! 可哀想だよ」

ホントだよ。悪い人じゃないんだから煽らないで。 (むしろ親切)

うんうん。学生にもアドバイスしてくれるようなプロの職人さんは稀有だよ。


「……貴女もしかして、王妃様の呼んだって言う…他国の王族の子?」

「はい、そうなりますね」

「はぁ…そうならそうって最初に言ってよ! いらない恥かいたじゃない」

「すみません?」

「わかったでしょ! うちのアスカの凄さが!」

「うん。聞いてはいたけど、予想以上だよ。解析なんてとんでもないし、そもそも隠蔽術式さえ読み解けない…」

「アスカだしねー」

「お姉ちゃんだしね」

「お姉様の魔道具は規格外なの…」

「これ、何をするものなの?」

「光るだけの玩具ですよ」

「…は?」

実際に点灯させてみせた。景品だからピカピカと色を変えつつ光る。


「なんで! こんな小ささで! こんなにたくさんの色が出るの! おかしいでしょう!」

大きな叫び声がキーンと頭に響いた…。 (うるしゃーの…)

「煩いわね! 声が大きいわよ!」

「いやルナリアも声大きいから。 あーほら、びっくりしたメイドさんが来ちゃったよ」

「ユウキ! 大丈夫?」

「こら。スピネル。勝手に… すみませんお嬢様!」

「大丈夫だよ、スピネル。 姉ちゃんの魔道具で、お店の人が驚いただけだから」

「そう…良かった」

真っ先に飛び込んできたスピネルはユウキに抱きついてて、ピナさんに引き剥がされて連れ出されていった。


「ごめん、ちょっと興奮した」

みたいだね、今もハァハァ言ってて危ない人みたいになってるし。 (ヤバい人!)

職人らしいといえばらしいけど。

「私は王家御用達魔道具店、サウザンド・ドリーム…の分店、学園街店、店長のマリッタです! 弟子にしてください!」

「ごめんなさい」

「即答!? そこをなんとか…」

「私は学生ですから。もうすぐ入学式ですし…留学生なので、何時まで此方にいるかもわかりませんから」

「まさか、魔道具科に行く気?」

「はい、一応そのつもりで申請してます」

「やめたほうがいいよぉ…。腕が良いわけでもないのにプライドは高いし。貴女がアイツに教わるような事は何一つないよ! あ、でも作ってるのはあっちか…。んーでもそっちでも教わることは…」

一人で思案し始めたけど…。思わぬところで魔道具科の教師に関する情報が手に入ったな。 (行くの…?)

まぁ…何かしら得るものはあるかもしれないし。 (ママが決めたのならいいけど…)


「弟子にしてー!」 と、店外まですがりつくマリッタさんを、ピナさんが引き剥がしてくれて、なんとかお店を後にすることができた。

「お嬢様は警戒心がなさすぎます! 悪人だったらどうするのですか! 大切な御身に触れさせるなんて」

なんで私がピナさんに怒られるん…。 (警戒心がないのは、うん…)

ちょっとはマシになったはず! (じとー…)

……。



魔道具店の後は、本屋さんで魔法書とかを見てみたり…。未亜は物語の本を買ってた。 (よく見つけるなー)

どんなのを買ったの? (ママは知らないほうがいいの)

あ、はい。 (ママ察し…)


まさかの食品店もあったから、鑑定しながら、和食に使えそうな野菜を選び購入。

学園には寮があるみたいだから、自炊する子もいるのかもしれない。 (メイドさんが買うんじゃ?)

それもそっか。

私もせっかくピナさんからキッチンへ立つ許可をもらえたし料理する! (ママのご飯ー!)

帰ったら作るからね。 (わーい!)


この世界の利点はいろいろな食材が安定して手に入ることかな。平和だし、どこも気温が安定してるからなのかもしれない。

「お姉ちゃん、野菜は何を買ったの?」

「知ってる野菜に例えるなら、大根に、里芋、シイタケだね」

「お店に並んでるのはどれも色も形も違うのに…」

「そこはほら、鑑定してるから」

濃い緑色のが大根、真っ黒で拳大のが里芋、グロテスクな形のキノコだけど成分はシイタケ。 (食べたらあかん形しとる…)

呪われた手みたいだよね…。まぁ切っちゃえばわかんないよ! (刻まれる呪われた手…)


「お姉ちゃんの鑑定って便利だよね。羨ましいよ」

「これは教えてあげられるものじゃないからごめんね…」

「え? ううん! そんな無理を言うつもりはないよ。あったら便利だなぁと思っただけだから」

私の”物”への鑑定は、先代魔王から引き継いだものだからなぁ…。 (人へのは?)

そっちは何故か引き継げなかったんだよね…。ロウが先代様は使えたって言ってたんだけど。

たぶん、先代魔王様が消えて、その残滓から私を召喚したからだろうって。 


鑑定も専門職がいて不便もなかったから、わざわざスキルを取ろうともしなかったし。 (今も魔力ドームでなんとかなってる)

うん。 あれは魔道具だったから術式として使えてるけど、単にスキルだと、魔道具へ起こす事も容易ではないのよ。

鑑定はそれくらい複雑。 (できないわけではないの?)

まぁ…時間さえあれば。今は自分に人物鑑定を使えるからね。 (それでスキルも解析?)

そういう事。 未亜が欲しがるのなら本格的に考えてみてもいいかもな。 (うん!)


ユウキは装備とかのお店を覗いてたけど、気になるものは無かった様子。 (ママの魔剣があるし)

気に入ってくれてるのならいいけど。 (ティーも宝物!)

そっか。大切にしてくれてて嬉しいよ。 (〜♪)


シエルとリアの行きたがった服飾関係のお店は、完成品もあれば、生地も取り扱ってるし、魔獣の素材も並んでた。

学園の冒険者科に通う生徒が狩った素材だから、質は落ちるけど安くて、生徒が買うにはお手頃みたい。

「シエル、いいものあった?」

「お姉様にもらったものと比べちゃって…どれもつぎはぎしなきゃ使い物にならないの…」

「そっかぁ…」

「アスカのくれる素材はどれも傷一つないものね。どうやって倒してるのよ…」

そこは魔法で一撃…。 (傷も一つ)

そうなるね。素材として無駄にならない場所を狙う癖がついてるから。 (プロハンター)

気をつけないと魔石も砕けるのよ! (お、おぅ…)

魔道具を作るものとして魔石がダメになるのは許せない! (わかったからー! 落ち着いてママ)

ごめん…。今は魔石に困ってないんだったよ。 (むしろ有り余ってる)







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ