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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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美亜の受難



未亜Side



今朝校門で友達を見かけて突然感じた違和感。

お姉ちゃん達が言ってた強制力ってやつの影響かな。

引っ越しや新しい家族、お兄さんだったはずがお姉ちゃんだったり…。

召喚とか、あまりにたくさんの事が降りかかったせいで気が付かなかった。


美形兄弟のファンクラブ。

クラブの名前までは知らないけど…。


成績は常にトップクラス。運動神経もめちゃくちゃいい。

そんな話を友達から何度も聞いた。

しかもファンクラブの会長と副会長が高等部の生徒会長と副会長。

幹部も生徒会役員が務めてるとか。



私、そんな二人と姉弟に?

どうしよう…。確実に目をつけられるよね?


カバンの中でスマホが振動してる。

誰だろ…お姉ちゃん?

えっと、状況が分かるまで保健室にいるってことだね。

多分、本当に体調悪いんじゃないかって心配になる。だって不安だよね…。


「未亜ーおはよー」

「おはよー明ちゃん」

おばあちゃんが亡くなってからずっと私の支えだった大事な親友。

引っ越したことや、新しい家族ができたことは話してある。


「ねぇ、まさか新しい家族ってアスカさん達だったの?」

「…うん。」

「めちゃくちゃ有名人じゃん。何で言ってくれなかったの?」

責めてる訳じゃなくて心配してくれてるのがわかる。

変わらず接してくれる親友にホッとする。


「それが…突然の引っ越しや新しい家族っていうのをその日に知ったから…」

「なにそれ! 実の両親からちゃんと知らせはなかったの!?」

メールは来てたけど…


「連絡は来てたんだけどね。いつ、どこにって話は何も…」

「それでパニックになってそんな余裕なかった?」

「うん。二人ともすごい美形だなーとは思ってたけど…」

「あはは。未亜らしいわ」


「ちょっと貴女! 少し話をいいかしら?」

だれ?知らない人達だけど…高等部の制服だから上級生。5人もいる。

これってやっぱり…


「私の親友に何か用ですか?」

私を庇うように前に出てくれる明ちゃん。


「貴女も会員よね?ならその子の行動に注意するべきじゃないかしら?」

「未亜は会員じゃないわ、それにちゃんと理由があるのにそれを聞かずになんて」

「そういう訳にいくもんですか! 朝からあんな仲良さそうに! なんの権利があって…」


その時、明ちゃんと上級生の人達のスマホが一斉に鳴る。

周りを見るとあっちもこっちもスマホを見てる。

幾らスマホの持ち込み許可されてても音は消すべきじゃないかな?

みんながスマホを見てる間に現実逃避。

これから私、学校で虐められたりするのかな…。


「貴女、未亜さんで合ってるかしら?」

さっきの上級生、急に態度が変わった?

「は、はい」


「そう…、さっきの事はごめんなさい。忘れてくれると助かるわ」

え?何?どういう事…?

「は、はぁ…私は大丈夫です」

「ありがとう。じゃあ失礼するわ」

そう言うと上級生達は全員去っていった。


助かった?でも何で?

「未亜が羨ましいわ〜」

えー、私今明らかに絡まれたよね?それより!

「明ちゃん、庇ってくれてありがとう」

「親友でしょう?当たり前じゃん。それよりこれ見てよ?ホントは駄目だけど…当事者だしね」

そう言って明ちゃんは自分のスマホを見せてくれる。


えっと?


"緊急通達 中等部3年 如月未亜さん (旧姓 枢木)

アスカファンクラブ、ユウキファンクラブの指定保護対象になりました。 

指定理由 如月家ご家族。 尚情報は確実。

ユウキ様ご本人からの会長、副会長への申告の為。

学校側へも確認済。 

よって過度な接触、虐め、嫌がらせ行為は厳罰になります。

この連絡を受け取った後の違反行為は理由の如何に依らず厳罰となります。

相手が会員問わず、違反行為を目撃した場合は即時報告するように。

その場で止められるなら尚良し。

5月○日 8時半をもって会長、副会長の連名により履行されます。

朗報として、ユウキ様によりファンクラブは公認になりました。


以上"




私はあまりのことに明ちゃんを見つめる。

「ねぇこれって…」

「未亜もこれで有名人だね?」

イヤーーーーーー!


「でもこれでさっきみたいな事はなくなるし。弟君に感謝じゃない?」

そうなんだけど…。はぁーもういいや。

それより…


「ねぇ、明ちゃんってどっちのファンクラブに入ってるの?」

「両方だけど?どして?」

そうなんだ…。


「お姉ちゃ…アスカさんの事なんだけど、ファンクラブっていつからあるの?」

「えっと、アスカさんが中等部に入って直ぐって聞いたよ。それから代々生徒会がクラブを仕切ってるとか…。

私は中等部に入った時にアスカさんを見かけて一目ぼれしてさ…クラブの存在を知って即入会したの。だから2年ちょっとかな〜」


と言うことはしっかり強制力働いてる? (ドヤァ)

「もしかして会員の決まりってすごく厳しい?」

「それはもう。いい加減な噂や嘘なんか流したら大変よ?直ぐに修正されて正確な情報しかないよ」

ファンクラブ怖いよお姉ちゃん…。


「だから未亜は安心していいよ。私も守るからね!」

「あ、ありがとう」

「私は元から未亜と親友だし何も変わらないからさ。心配しなくていいよ」

それは嬉しいけど私の心配はそこではないよ。


後でお姉ちゃんとユウキ君に報告して…。

取り敢えずメールだけしとこ。





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