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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章
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グリシア王国到着



「さあ、アスカお嬢様、お召変えを」

「はい…お願いします」

ドラゴライナ王国、王族としての衣装は準備されていると聞いてはいたけど…。

やっぱり色は白銀なんだ…。



着せてもらったのは、ふわふわのドレス…とかではなく、例えるなら軍服風なワンピース。

ふわふわなのはスカートの裾部分から覗くフリルくらいで、抵抗感もなく着やすい。スカートも膝くらいまであるし。

それに、金と黒の刺繍やベルトがアクセントになってて格好良い。

「こちらがドラゴライナ王国の正装で、王族の方のみが着ることを許された衣装になります。陛下と巫女様が共同でデザインされたと伺っております」

「母さんもですか?」

「はい。後はこちらも…」

羽織らせてもらったのは、これまた白銀に金の縁取りのされたクローク。

背中には大きなドラゴライナ王国の紋章が。こっちも金で縁取りされてて、正直に言って…

「すごくキレイですね…」

「そうですね。アスカお嬢様に大変お似合いですよ」

「…ありがとうございます」


髪はポニーテールに結ってもらい、化粧は薄め。髪留めも紋章の入った豪華なものをつけてもらった。

「おー、ママすごいかっくいい!」

振り返ると、私の衣装をまんま、ちまっこくした衣装を着たティーが!

「ティーもカッコよくてかわいいよ!」

抱き上げたいけど、我慢… (ピナさんに怒られちゃう)

だね…。


あれ? よく見ると色が違う…? (白銀なのはママとユウキだけ! あとは白だよ)

あぁ…継承権か。 (そうそう! 刺繍もほら)

ティーがくるっと回ってクロークの背中にある紋章を見せてくれた。

縁取りが青いのね…。 (うん!)



最後に膝下まである編み上げブーツを履いて、アキナさんに頂いた剣を履く。

よしっ、これで完成だね。

別室でそれぞれ着替えてるリア達も終わったかな? (うん、リビングにいるよ)

わかった。


ピナさんにお礼を言い、リビングでみんなと合流。

ユウキも軍服みたいだな。男性用衣装もカッコいい。


「うわぁ! お姉ちゃん…カッコいい!」

「私達と同じデザインのはずなのに…なによアスカ…ヤバいカッコいいわ!」

「これは…惚れ直しちゃうよー」

「お姉様はこういう衣装も似合うの…覚えておくの」

うちの子達にも好評のようで。

「みんなもカッコかわいいよ。よく似合ってるね」

満場一致の希望で写真を何枚か撮った。


「姉ちゃんはなんか、あれだな…魔王感が増したと言うか、カッコいいよ」

「それは褒めてる?」

「うん。自慢の姉ちゃんだよ」

「それはありがと。ユウキも似合ってるよ」

「スピネルが着せてくれたからね」

「あぁ…」

そのスピネルは、メイド姿で一歩下がった位置に待機しててプロ感がすごい。

レウィは召喚獣になりきってるから撫ぜておく。

「スカーフよく似合ってるよレウィ」

「わう!」

「ごめんね、無理させて…」

「わうう!」

首振ってるから、大丈夫って事かな。 (たぶん?)



「時間もそろそろちょうどいいね。ティー、着陸お願い」

「さー! いえっさー!」

なりきってて可愛いわ。

みんなも衣装に気持ちを引っ張られてるのか、緊張してるのか…普段よりピシッとしてる。



さほど時間もかからずドラツーはお城の庭へ着陸。

「ママ、お迎えが来てる」

「わかったよ、ありがとう」

アキナさんに言われた通り魔力隠蔽は解除してっと…。


ドラツーの扉を開けると、両脇に並ぶ騎士。どこかで見た光景だな…。 (ドラゴライナ王国で)

あぁ! あったね。 それにしても…騎士の人達の衣装が独特だな。なんて言うか…スチームパンク?

鎧一式とかじゃないから違和感がすごい。カッコいいけど…。 


「アスカちゃん! みんなもようこそグリシア王国へ。待ってたわ」

「王妃様、お久しぶりです」

数名の女性騎士を連れた王妃様も迎えに来てくれた。知ってる人が来てくれてホッとしたよ…。

「堅苦しい挨拶は無しでいいわ、さぁこちらへ」

「ありがとうございます」

騎士の人がカタカタと震えてるのは…私の魔力のせいかな? (うん。魔力に怯えてるみたい)

大丈夫なのかな。 


「アスカちゃん、前に会ったときは何か細工してた?」

「はい…魔力が高すぎるので抑えてました。抑えたほうが良いですか?」

「いいのよ。それだけで威圧になるのだから。鍛え足りない者がいるのもわかったし。 それにしても…あれが噂のドラツーね?後でまた見せてもらえる?」

「はい、もちろんです。このまま置いておいてもいいんですか?」

「構わないわ。そのために用意した場所だから」

念の為扉だけは閉めておいたけど…。 (みとくー)

お願いね。中にはメイドさん達もいるから。



王妃様に案内されて城内へ入り、そのまま案内されたのは豪華な応接室といった感じの部屋。

城内も所々スチームパンクっぽさがあるのは何なのだろう。 (結構オシャレ)

だね。嫌いじゃないかも。


「寛いでね。陛下も仕事が終わり次第来てくださるわ」

やっぱり非公式の謁見っぽいな…。


メイドさんにお茶とお菓子も出してもらい、ソファーで寛ぐ。

アキナさんから預かった学園長宛の書類を渡しておく。

「女王陛下からね。ありがとう」

中の書類を確認した王妃様は、近くにいた騎士にいくつか指示を出す。

入学に関する書類だと聞いていたけど、それだけではないのかもしれない。


「そうだわ、今のうちに制服の話をしておきましょうか」

「制服ですか?あるのは聞いていますが…」

「後で全員採寸して、既存のサイズで大丈夫ならそれを渡すけど、合わない子がいたら調整しなきゃいけないから」

「お手数おかけします」

「いいのよ、みんなが同じことしてるんだから」

うちの子達は、学園長との会話は私に丸投げすると決めたらしく、大人しい。

学園内のルールとかは予め聞いていたもので大丈夫そう。



「待たせたか?すまないな…」

「大丈夫よ。お話していただけだから」

振り返ると確認するまでもなく国王陛下だろう。立ち上がろうとしたら、そのままでいいと止められた。


「此度はうちの学園の者が失礼した」

非公式とはいえ、謝罪してくれる国王陛下は優しそうな人だった。





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