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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第六章

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お菓子と空の旅



オーブンのタイマーが止まり、粗熱を取った後はチョコをラングドシャに挟んだりして完成。

みんなでお菓子の試食。

リコも呼んで、ツキも呼んでいいか聞いたのだけど…

「あの子は今、他の精霊達を束ねてるから難しいわね…お菓子なら届けてくるわ」

「そっかぁ、じゃあお願いするよ」

リコはツキと一緒に食べるからと渡してあげたお菓子を小さい身体で抱えて消えていった。

少し寂しいけど、仕方ないか。

ニレとフィアにも届けてくれるのは有り難い。


お菓子を初めて食べたって言うスピネルから尊敬の眼差しがすごい。

「そんなに美味しかった?」

「うん。初めて食べたよこんなの…アスカお姉ちゃんは凄いね」

「まぁ。姉ちゃんだしな」

この調子なら二人とも仲良くやっていけそうかな。


「姉ちゃんに、一つお願いがあるんだけどさ」

「出来る事ならいいよー」

「自宅に帰った時にスピネルの部屋をお願いできないかな?ほら、例の地下に」

「あぁ! そうだね。わかったよ。どんな部屋にしたいか決めておいてくれると助かるよ」

「わかった」

てっきりユウキの部屋に居るようになるのかと思ったけど、そうじゃないのね。


お菓子はうちの子達にも好評で、学園で渡すのが楽しみだって喜んでる。

友達、出来るといいね。 (ティーは託児所を制覇する!)

何する気!? (お菓子あげたらなかよくなれるかなーって)

そういう事ね。子供たちを束ねて君臨するのかと危惧したわ。 (………)

ないよね!? (その予定はないの!) 

それならいいけど…。



みんなでお菓子を食べていたらティーが…

「ママ、街が見えるよ?」

「大きい?」

「そこそこ」

確認のために、街を見たことがあるティアねえ様とコクピットへ。うどんもふよふよとついてきてる。 (ティーもー) 

ティーは常に本体でドラツーを操縦してるわけじゃないから、傍に居るのに報告が来るとびっくりする。 (なるべくママの傍にいたいし!)

それは嬉しいな。



コクピットから見える街は確かにそこそこの広さ。ちゃんと石造りの壁もある。

「あれは、2つ目の街だね。1つ目はもう少し北だったから里からまっすぐ西へ来たのなら、通らなかったかもー」

「そうなんだ、寄りたい?」

「うーん…別にいいかな! 特に変わったものも無かったし。それに、あまり感じのいい街じゃなかったよ」

「そう…なら素通りしようか」

ティアねえ様から話を聞く限り、どうも領主からの税が重いみたいで、街の人たちが貧しく、美味しいものもなかったらしい。

もう少し北の方にあったと言う、一つ目街のが活気はあったそう。


「と言うか、もうここまで来てるのなら今日中には王都についちゃいそうだよー」

「そうなの!?」

「ほら、私は人のいる所は歩いて移動してたし」

「それは仕方ないね。わかったよ、ありがとうティアねえ様。おやつタイムにごめんね」

「いいよー! 私はうどんと戻ってるね」

コクピットに残った私とティーは眼下に見える街を探索で見てみた。


「街には魔力の多い人もいない…あぁ、小高い所にある大きな屋敷にだけ数人かたまってるな」

「領主一家?」

「多分ね。とは言っても…一般人より多いってだけで別に脅威でもないな」

「ママからしたらみんなそうなる」

別に私基準で言ったわけではないんだけど…。まぁいっか。


「ドラツーは少し速度を落とそうか。もし王都が見えたら高度を上げて…明日の朝にお城へ降りるようにしよう」

「はーい!」

王妃様からは方角を聞いただけだから仕方ない。

実際に最近グリシア王国へ飛んで行ってたノワルレイナさんに聞ければよかったのだけど、時間がなくて食事の時以外には、会えなかったんだよな。 (ドラゴン姿で行ってたの?)

そう聞いたけど。王子を乗せたり、学園長も送迎したみたいだから。 (馬車とかじゃなかったんだ)

時間かかりすぎるよそれは。 (そっか!)



そんな話をした夜には王都が見えた。

規模としてはアクシリアス王国と同じくらいかな。

ただ…夜なのにコクピットから見える王都は、めちゃくちゃ明るくて、すぐにわかった。

例えるなら見慣れた都会の明るい繁華街とでも言えばいいのか。しかも街全体がだから、かなり目立つ。

アクシリアス王国より魔道具に力を入れているとは聞いていたけどここまでか…。

お城もライトアップされてて一目瞭然。

「ママ、今から行っちゃう?」

「さすがに申し訳ないから明日にするよ。お城へ降りるわけだし」

「らじゃー! ドラツーは高高度へ移動し、待機します!」

「お願いね、あまり近づくと街の明るさで、白銀のボディが照らされそうだから距離はとっておいて」

「はーい!」

予定より早くついてしまったけど大丈夫よね。




夜のうちに入学に必要なものを確認したりと準備だけ済ませた。

アキナさんから預かった書類もちゃんとあるし、ドラゴライナ王国の紋章の入った品々も。

まずはお城へ行く事になってるから、おそらく非公式の謁見くらいはありそうかなと予想してる。

みんなにもそれは伝えておく。

「謁見…お姉ちゃんに習った所作が必要になるね…」

「学生だからあまり気にしなくてもいいとは言われてるけど、役には立つと思うよ」

「お嬢様方は、全員ドラゴライナ王国の王族です。礼儀は必要ですが、お辞儀などをする必要はありませんよ」

ピナさんがこちらの常識などを教えてくれて助かる。


「ピナさんもどこかのご令嬢だったのですか?」

「…過去の話です。今はドラゴライナ王国と、その王族の方に忠義を尽くす、ただのメイドです」

やっぱり…。 (どゆこと?)

いや、ドラゴライナ王国には貴族階級とかないってアキナさんから聞いてたのに、ピナさんはそっちの知識が豊富そうだからね。 (そういえば…戦闘力もたかいし…)

それは知らなかったわ。 (ママのパパくらいあるよ?)

何者だよ…ピナさん。詮索しないほうがいい気はするなぁ。 (うん…)




翌朝、少し高度を下げて、お城にあると言われているドラゴンの印を探す。

「あったよママ!」

「あそこって、お城の庭じゃない…」

「でも印はあれしかないよ?」

「だねぇ…。みんなの準備ができたら、そこへドラツーを下ろしてね」

「らじゃー!」

さてと…緊張してきたぞー…!










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