表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

403/774

王族と証



アクシリアス王国経由で、入学に必要なものとかは知らせてもらってある。

ただ、私達が個人として用意するような物はなく、むしろアキナさんに頼るものばかり。


先ず、身分を証明するもの。

これは、ドラゴライナ王国の紋章の入ったハンカチやスカーフ等と予想。

レウィはそのスカーフを首に巻けばいいし。



そう思ってたのだけど…実際に渡されたのは、すべてが白銀の生地に金色で縁取られたドラゴンの紋章が入った品々で、継承権をもつ者と、その家族しか所持を許されない。身につける全ての小物類がそれで統一される。

私はキレイな剣まで貰ってしまった。

王族としての正装は、必要となる時まで内緒って言われて見せてはもらえなかった。

着やすいデザインだと有り難いなぁ…。


「これは制服を貰ったらつけてねー」

アキナさんに追加で手渡されたのはワッペンのようになった紋章。みんなは白色なのに私とユウキのだけ色が違う…。 (継承権持ち…白銀色)

お、重すぎる…。本当に言動に気をつけないと。

ただ、アキナさんは…

「アスカちゃん、向こうでは魔力隠蔽はしないようにね。もし舐めた態度をとる相手がいたら、それは潰して。これは向こうからも言われてるから」

「大丈夫なんですか?アキナさんにご迷惑がかかったり…」

「へーきだよ! 舐められたままのがドラゴンの矜持に関わるからね!」

「そうよ、アスカを下に見るような教師もいたくらいだし、シメちゃえばいいのよ!」

「だねー。そうしないと、ドラゴライナ王国そのものが舐められちゃうよー」

ドラゴン姉妹まで…。

まぁ、トラブルがあると決まったわけではないし、穏便に穏便に…。 (むりそ…)

やめてよ…。


次は向こうのお金。

これは国家間の話し合いの為、何度かアクシリアス王国へ行った時に、アキナさんが王妃様経由で預かったらしい。

「必要な物はお屋敷に揃えてあるけど、学園街だったかな?そこで買い物ができるようにって。定期的にもらえるらしいから遠慮なく好きに使っていいって言ってたよー」

金貨、銀貨、銅貨とあるみたいだけど、渡されたのは金貨ばかり数十枚。

しかも各個人に。レウィの分もちゃんともらえてるのは内緒にして欲しいとは言われたけど…。


「最後はこれ。大切な書類が入ってるから、学園長に渡してね」

「わかりました。色々とありがとうございます」

「楽しんできて! そして、どんな国かみんなが直接その目で見てきて、感想を教えてね」

女王様としてはやっぱり気になるところだよね。 (国交結ぶためにも!)

だね…。責任重大だ。




遅くても入学の1日前にはグリシア王国へ到着してなきゃいけないから、先ずはアクシリアス王国へ転移して、王妃様に挨拶。

それからリア達の故郷、ドラゴンの里へ転移。そこからはドラツーでグリシア王国入りしていいとの事。

「話は通ってるし、ドラゴンの国との国交を結ぶっていう印象付けの為でもあるから」 って言われた。

グリシア王国のお城に降りていいんだとか…。ドラゴンの印のあるスペースが用意されてるから見たらわかるって。

ティー、またドラツーの操縦お願いね。 (任されたー!)


後は…

「ティアねえ様は、グリシア王国へ行ったことあるんだよね?」

「うん。食べ歩きに行ったよー。どうして?」

「ドラゴンの里からどれくらいかかるのかなと思って」

「あぁ! えっと…小さな街が2つあって、それを素通りするのなら…ゆっくり見積もっても2日もあればよゆー!」

「わかった、ありがとう。 それじゃあ、先ずはアクシリアス王国へいこうか!」

今回はお付きのメイドさんたちも一緒。

「私も一度アクシリアス王国へ行くから、向こうでね」

アキナさんも用事があるのかな。


「気をつけてな。楽しんでこい」

「勉強がんばってね!」

両親も、今日はお店を休みにして見送りにきてくれた。

母さんはみんなとハグ。スピネルはまだ慣れないようだけど、嫌がってはいなさそうかな。

ユウキはまた父さんにみんなを守るようにって言われてた。

でも今はポンコツ化してるからなぁ…。 (そのうち落ち着かないの?)

どうだろう。王子は恋をして成長したのに。 (アレは最低から上がっただけだし)

言われ方よ。まぁ確かにユウキは年齢に合わないくらいしっかりしてたから年相応になっただけなのかもだけど。

姉としては寂しいものがある。 (まぁまぁ…あんまり構うと嫁に嫌われるよ?)

嫁って…気が早いなぁ。



準備期間中に私もドラゴライナ王国でのやるべき事は済ませた。

お祭りの途中でいなくなってしまう私達のお店は、アキナさんが責任者となって、親衛隊の人や奥様達が引き継いでくれて、連日営業する事になったから引き継ぎもした。


閉めたままでもいいかと思ったのだけど、街の人たちから強い要望があったから。

景品は無くてもいいから遊ばせてほしいと…。 (人気がやばい)

娯楽が少ないからかもね。

一応手持ちにあったものと、この数日で作り足した分を合わせて結構な量の景品は納品しておいた。

お店を任せる事になってしまったからせめてそれくらいはしたかったし。

なくなり次第終了って告知するみたい。 (プレ値付きそう!)

あぁ…有り得そうで怖いな。


ステッキに関してもちょっとした問題が…

スノウベルさんは渡したステッキを持って、あちこちで遊んでたみたいで問い合わせがあった。 (嬉しそうに遊んでたから)

みたいだね。


その結果、お祭りの終わり近くにスコアを競う大会を開いて、優勝者には希望のステッキを作る事になってしまった。

アキナさんに頼まれたら断れない。

「お祭りの最後を飾る一大イベントだよ!」 ってすごく楽しそうだったし。 

対戦型ブロック崩し、射的、親子限定の射的それぞれの優勝者に渡す。

合計5本ならそんなに手間でもない。 (4本じゃないの?)

ブロック崩しが、2対2だからね。 (なるほど!)

大人がステッキを貰えるのがこの時だけだから、競争率が凄いんだとか…。

大人でもそんなに欲しがるものなの?って思ったけど…スノウベルさんも大人だった。 (失礼)

ごめんなさい。可愛らしい見た目だからつい…。 (ルナティアもリアも大人)

そう言われれば。 子供じゃない! って言ってるね、リアは特に。 


ゲーム大会の運営や進行はアキナさん主体で進むから、私は優勝商品の作成以外する事もない。

精々、それまで景品がなくならないよう、補充に来ようかなと思ってるくらい。

ティーの言うようにプレ値とかで取引されるようになったら悲しいし。 (無くなりそうなら教えるー)

お願いね。



ティーと話してる間に、両親とうちの子達とのお別れも済んだね。

じゃあ、少し久しぶりのアクシリアス王国へ! (師匠のことろもずっと行ってないけど…)

言わないで…。ちょっと顔を合わせづらくてね。 (恥ずかしい?)

気まずい…が正直なところかな。会いたくないとかではないのだけどね。

どんな顔して会えばいいのか分からないのよ。 (ふつーでいいの)

かもしれないね。


まぁ、落ち着いたら一度顔を出しに行くよ。 (それがいいの)

なにか言われてる? (嫌われたのか?って不安にしてるくらい)

それはないよ。 心配かけたくはないし早めに行くか…



ーーーー

ーー




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ