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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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学校を支配する組織は生徒会?



ユウキや未亜ちゃんと別れ、不安いっぱいで教室に向かう。

どうしよう、どうしよう。

まず教室が何処かわからない…。


「アスカおはよー。今日もきれいな髪ね〜。羨ましい」

「お、おはよー」名前なんだっけこの子…。何度か話した記憶はあるけど。

色々ありすぎて思い出せない。ごめんね…


同じクラスっぽいからこの子についていけばいっか。

はぁ…。



3階の教室。ここかな?新しい教室は。入るの不安すぎるよ…

扉は開いてるけど、気分的に入れずに止まってたら

「どうしたの?元気ないけど。体調悪いなら保健室行く?」

それだ!

「うん、ちょっと体調悪くて…」

「大変じゃん。無理して学校来たの?  私ちょっとアスカ保健室連れてくから先生に言っといて」

教室内にいる子に声をかけてくれる。


「りょ〜か〜い。アスカちゃんお大事にねー」

「ありがと」

思わず逃げちゃったけど、状況がハッキリするまでは落ち着かない。

今のところ違和感のあるリアクションしたような人はいなかったけど…。

距離取られてた男子くらいかな。




保健室に連れてきてもらって、先生に言ってベッドを借りる。

「おとなしくしてなよ〜」

そう言うと名前の思い出せない女子は教室へ戻っていった。


今のうちに情報の整理をしなきゃ。

後はユウキと未亜ちゃんに保健室にいる事を伝えておこう。





ユウキSide



忘れてた、学校にあったおかしなファンクラブ。

未亜姉ちゃんが入ってなくてホッとしたよ。


ただ問題は、姉ちゃんの事だ。

強制力がどう働くかわからない。


もし、ファンクラブメンバーが妄想でアスカ兄ちゃんのイメージを作り上げてたら?

未亜姉ちゃんの様な強制力の働かない状況になるかもしれない。


そうなった時アスカ姉ちゃんは?


ん?メール?アスカ姉ちゃんから。

"状況がわからないから体調不良って事で保健室にいる" か。確かに今はその方がいいかも。


ファンクラブに関しては未亜姉ちゃんの情報を待つしかないな。

コレばっかりはどうにもならない。


「ユウキ、おはよー」

「おはよー」

「今日、美人なお姉さん二人と登校してきたよな?どういう事か説明してもらおうか?」

この悪友からなら少し情報ひきだせるかな…。


「わかった、わかったから肩くむな。

母さんの友達の娘さんをうちの両親が養子として引き取ったから、姉ちゃんが増えたんだよ」


「なんだそれ! アスカさんみたいな超絶美人の姉がいるだけで羨ましいのに!」

コイツは普通に姉と認識してるな…。


「美人だって言っても姉ちゃんだしなぁ」

「一緒に住んでたら色々あるだろう?ドア開けたら着替えてたーとか」

「…………」

「まじかよ! ギルティだよ! クラブに報告するぞコラ」

なんだって?クラブ?


「なぁそのクラブってファンクラブのこと?」

「あ、あぁ…何だ知ってたのか」

「それどれくらいの規模?」

ここが一番大事だ。


「そうだなぁ…男女比率は同じくらいで相当な数だぞ?だって俺の会員番号279だからな」

うっそだろ…。最低279人はいるのか。


「会長や幹部くらいしか総数は知らないんじゃないか?」

誰だよ会長…。


「その会長って誰か知ってる?」

「あぁ、高等部の生徒会長。ほら、あのちょっとキツめの美人」

生徒会長なにしてんだよ…。


「しかもかなり規則が厳しいんだ。友達以外は気安く声をかけない、とかな。

なんていうか遠くから見守りましょうって感じだな」

姉ちゃんに実害がないならいいけど…勝手に話してくれたから情報集まったな。


「それって僕は大丈夫なの?」

「ん?なにがだ?」

「いやほら、弟だから姉ちゃんと一緒にいるわけだし」

「家族は大丈夫だぞ。それに、お前のファンクラブもあるからな…」

なに?僕のファンクラブ?別々なのか…


「会員の女子は殆どがアスカさんのファンクラブとお前のファンクラブ両方加入してるからな」

聞きたくなかったその情報…。


「ちなみにお前のファンクラブの会長は、高等部の生徒会副会長だぞ。背は低いけど巨乳のあの人だ」

生徒会ーー!!ホント何してんだよっ。後、いらん情報足すな。それに姉ちゃんのが…。

いやいや僕は何を…


取り敢えず規模がでか過ぎて手に負えない。

まさか生徒会に突撃するわけにもいかないし…。


未亜姉ちゃんの情報と摺り合わすしかないかなぁ。

思ったより情報集まったことを良しとしよう。


「お前のことはいいとして、新しいお姉さんのことは会長に伝えないとだな…」

そう言って駆け出した悪友を慌てて追いかける。


「どこ行くんだよ」

「会長のとこだけど?情報の共有もルールだからな」

おそろしいよ。この学校。


「ついてっても大丈夫?」

「あーうん、知ってたなら仕方ないし。副会長が喜びそう、あ、会長もか」

えー。行きたくなくなってきた…。




2階にある渡り廊下を通り高等部の別棟に入り生徒会室へ向かう。

初めてこっち来たけど…出入り自由なんだなぁ。


「朝ならいると思うけど」



コンコン


「はい、なんですか?」

「279です」

なにそれ!?会員番号が合言葉みたいになってんの?


「入っていいわ」

「失礼します」

「失礼します…」


あぁ、会長も副会長もいる。朝礼とかで見るから知ってる。

まさかこの人たちが…ねぇ。


「どういうことかしら?なぜここに彼を?」

「説明してもらえる~?」

「はい、それが…ユウキはクラブの存在を知っていたんです。それに重大な話を聞いたので」

二人とも少し動揺したなぁ。まさか本人来るとは思わなかったんだろう。


「重大な話とは?」

「ユウキ、さっきの話をもう一度頼む。新しいお姉さんの…」

あぁ…


「この連休の間に両親が一時帰宅したのですが、その時に母親が親友の娘さんを引き取った、と連れて帰って来たんです。それで、新しく姉が出来ました」


「それって〜今朝一緒にいた子〜?」

副会長は会長より柔らかい感じがするな。

雰囲気の話だからね?


「たぶん合ってると思います。姉二人と登校しましたから。新しい姉は未亜さんです」

「未亜ちゃんっていうのね〜。わかったわ〜報告ありがと〜」

この二人も別に違和感とか大丈夫そうだよなぁ。

そもそもアスカ姉ちゃんのファンクラブって時点で女の子って認識の上で出来てるだろうし。


「あの…一つ聞いてもいいですか?」

「な〜に?」

「どうして未亜姉さんの報告を?」

美亜姉ちゃんはクラブに関係ないよね。


「そのことなら私が説明するわ。 ユウキ君、女の嫉妬は怖いのよ?」

え?ちょっとなにを言ってるのか…

「わからないって顔ね。貴方やアスカさんのファンは多いわ。

その二人の間に突然一人の女の子が現れたらどうなると思う?」

あぁ…嫉妬でイジメとか嫌がらせになりかねないのか。怖すぎる。


「家の事情で貴方達の家族になり、姉弟になった。と、そう周知されれば危険性は減るわ。羨望は受けるでしょうけど」

なるほど…未亜姉ちゃんのためになるならいいね。


「後は私達次第ね。周知させた上でそういう事をさせないように牽制する」

「そうね〜そのための会長、副会長だものね〜」

生徒会大丈夫か?って思ったけどちゃんと考えてくれてたんだ。


「ところで〜ユウキ君。せっかく来たんだから、少し〜お姉さんとお話をしない〜?」

ぇーもう姉は足りてます。って言いたい。


「おやめなさい。副会長の前で会長がルールを破るのですか?」

生徒会長貴女ですよね?


「ちぇ〜ユウキファンクラブのナンバー2はお固いよ〜。あっ、ちなみに〜アスカファンクラブのナンバー2は私〜」

もうダメだこの生徒会。うちら姉弟の悩みの種。その元凶が揃って生徒会トップ二人…。

この分だと生徒会役員が幹部とかありえそう。 (カンのいい子は好きだよ?)



挨拶して生徒会室を出た後どっと疲れて帰りたくなった。

僕も保健室で休みたいよ…。








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