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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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森の深淵



「帰りは転移できるし、ギリギリまで進んでみてもいい?」

「私達は陛下に何処までもお供します」

「アスカちゃん達もいいかな?」

うちの家族も異論はないようなので…

「はい。アキナさんにおまかせします」

「助かるよー」

私達Aランクが本来受け持つエリアはとっくに通り過ぎて、かなり森の奥まで進んできてる。

魔獣達の魔力量は上がってきたし、かなり強くなってきてるけど、近寄っては来ない。 (まぁ…うん!)


逃げ惑うってことも無いし、一定の距離を取りながらついては来てる。

アキナさんに報告したら、私に動かないように言ってから、確認に行くと言って奥様達と移動していった。

「アスカ、大丈夫なのかしら…女王様よ?」

「指揮権はアキナさんにあるし、危ないことはしないと思うよ?」

私に動かないように言ったって事は安全な範囲ギリギリで調査するんだと思う。

そもそも、魔獣が近づかない距離っていうのは、本能的に危ないと判断してる訳だし。 (ママはあの距離でも攻撃できるよね)

うん。位置さえわかってれば大丈夫。それにキャンディが霧化してついてってくれたし。 (いつの間に…)

ティーだってついてってるでしょ? (バレてた!)

アキナさん達が移動した後、キャンディと目を合わせただけで理解して行ってくれたからね。


今のうちに飲み物とかを渡して休憩。

身体強化してるとはいえ、未亜とシエルは慣れない森で疲れてるはず。

「お姉ちゃんありがとう…」

「大丈夫?未亜」

「うん。体力は平気。ただこんなの初めてだから…緊張してるよ」

「それは仕方ないよ。緊張感も大切だからね」

「うち、足手まといなの…」

「そんなことはないよシエル。これも経験だからね。みんなは私に頼ってほしいって言うよね?私も同じ。頼られたいから気にしなくていいよ」

「わかったの…」

リアとティアねえ様はさほど疲れた様子もなく、自分で持ち込んだお菓子を食べたりしてるな。


「暗いからピクニックって雰囲気ではないわね」

「この森でピクニックはやだなぁ…私達もアスカがいないと、囲まれたらさすがにヤバいよ?」

「それはわかってるわよ! ただ、ここまで何もないと気が抜けるっていうか…」

「確かにー」

周りの強さを把握してるのは流石だなぁ。 (その割にのんびりしてる…)

安心してくれてるのなら悪い気はしないけどね。



しばらくして戻ってきたアキナさん達は…

「ヤバイヤバイ! すっごいのいた!」

怖がってるというよりは楽しそうなアキナさん。何がいたんだろ。 (頭がライオンで、蛇のしっぽで…)

キマイラ? (馬の体に頭もついてた!)

なんか思ってたのと違う…。そこはヤギだろ! (ティーに言われても…)

そうだね、ごめん。


戦ってみたいって言うから、援護にチョコたちも行ってもらった。私は動けないし…。

ティーとドラゴン姉妹も戦力として同行したし、大丈夫。

最悪ここから魔法で仕留めてもいい…。 (頑張るからやめてー!)

はいはい。無理しないでね。 (らじゃー)


「お姉ちゃん、みんな大丈夫かな?」

「戦力的には過剰なくらいだから大丈夫。アキナさんとティー二人でも平気なくらい」

「お姉様、それ相当ヤバいの…」

「わう?」

レウィはシエルと未亜の癒やしのために待機してもらった。

心細い時に、もふもふなレウィは強い。 (そんな理由で待機なの?レウィ…)

いざって時に二人を乗せれるってのもあるよ。 (それママでもいい)

まぁ抱えて走ればいいけどね。ただ、シエルは特にだけどレウィと仲がいいから。安心感は大切。

当の本人は骨ガムかじってるけど…。 (ならいいの…)

私の首にはラムネもいてくれてるし。



遠くで戦闘の始まった音がした。

あー…。

一瞬じゃん! (魔法使う馬をティーが、しっぽの蛇はリアが魔剣でスパーンって!)

それ、相手は何もできなかったんじゃ…。 (うん! うどんの体当たりでコケたとこをアキナさん達がトドメ!)

うわぁ…。チョコ達は出番もなかったか。 (周りのを蹴散らしてくれてた!)

そっか。何を倒したのやら…。 (もってくのー!)

りょーかい。


「終わったよ、瞬殺したみたい」

「え…」

「だから言ったじゃない。過剰戦力って」

未亜とシエルは訳がわかんないって顔をしてるけど…強さの違いってそんなもんだよ。 (ママがそれ言うとさ…)

なによ? (べつにー!)




戻ってきたみんなが倒した獲物を見せてくれたのだけど…未亜とシエルが気絶した。


キマイラモドキはかなりのサイズだし、チョコ達も見たことのない魔獣を狩ってきてた。

まずは褒めてあげる。

「お疲れ様。ありがとね」

「例のアラクネも倒したけど、見せないほうがいいかと思って〜ティーが仕舞ってくれてたのだけど…出さなくても気絶したわね〜」

アキナさんに確認したところ、このキマイラモドキ…こっちでは、キメラっていうらしい。それが2匹。

一匹はチョコ達が倒してたらしい。

知らない魔獣はエキドラっていうらしい。蛇の体にドラゴンの翼、上半身はちょっと人間っぽくて気持ちが悪い。

「これ、毒持ちの大蛇を束ねてるやつだよ。狩れたのは初じゃないかな」

「はい。目撃情報はありましたが…これでまた資料が充実します!」

アキナさん達が嬉しそうでなにより。


アラクネも見せてもらったのだけど、めちゃくちゃデカかった。

本当にただの蜘蛛だった…。これは、キャンディが霧状のまま倒したらしい。たしかに無傷だわ…。

上質な糸が取れるらしく高値になるって。 (ティーの馬の頭も高いって!)

そっかー。ティーが自分で倒したのだからちゃんと報酬もらおうね。 (あい!)



時間もそろそろ夕方だし、撤収する。

そのまま一度ギルドへ行って、狩ったものを査定と買取をしてもらわなきゃいけない。

チョコ達は街へこのまま連れて行くことはできないので一度送還。

報酬が出るけど、チョコ達の手柄だから欲しいものを聞いておいた。チョコとクッキーは肉。ラムネは魚。

キャンディはアクセサリーが欲しいって。珍しいおねだりだから叶えてあげよう。

「ますたぁとおそろいのピアスがいいわ〜」との事だったから作ってあげないとね。




転移はアキナさんがギルドへ私達も直接運んでくれた。

私はここのギルド初だ! (すっごいでかい!)

だねぇ…。本部らしいから当然かも。

「この部屋はAランク専用だから寛いでいいよ」

「ありがとうございます」

未だ気絶したままの未亜とシエルを抱えてたから助かる。

二人をソファーに寝かせてあげる。


隣の部屋が、狩った獲物の査定とかをする部屋になっていて、この2日で狩ったものを全部提出した。

「この部屋が埋まるほどになるとはねー」

アキナさんもびっくりしてる。たしかにこの部屋はかなりの広さだもんな…。学校の体育館よりでかいかも。

「アスカに持っててもらったのもあるけど…こんなに入ってたの!?」

「みんなの成果だよ。私が狩ったのなんて少しだからね」

査定に時間がかかるから帰ってもいいって言われて…。

未亜とシエルが目を覚ますのを待って、街をブラつきながら帰ってきた。

市場を通ったついでに、チョコとクッキー用にいい肉を。ラムネ用に蒲焼きにしたのと同じ魚が売ってたからまるごと一匹購入。

キャンディのは今夜にでも作ろう。



お屋敷へ帰り、のんびりとお風呂に入った後、さすがに疲れたのか、食事をしてすぐにみんな寝てしまった。


みんなお疲れ様…。

ゆっくり休んで。



ユウキは母さん達とまだ頑張るそう。

闇精霊の子にかっこいい名前をつけようとして、ちょっと揉めたらしい。

相手は精霊でも女の子だから! 

そう言ったら可愛い名前にすると言ってたから大丈夫よね…。

ヴァルキュリア・ドゥラケン2世ってなんだよ! 1世は誰だ!

病が悪化したのか…元々なのか、もう私はわかんないよ。



キャンディの為のピアスを作成して、私もおやすみなさい。

やっぱりベッドはいいな…







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