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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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お祭りのイベント



アクシリアス王国から、ドラゴライナ王国へ転移した私達は今日も夕方からお店を開ける。


2週間ぶりだけど、お客さん来るのかな?忘れられてない? (他のお店も自由に開けたり閉めたりしてるよ?)

そういう話だったけど不安にはなるよ…。


開店準備をしてたらスノウベルさんが来てくれて、前回助けてもらったお礼を改めて伝えることができた。

「…それなら、アレほしい。光るステッキ…」

子供にしか渡してない景品だけど…。今回お世話になった恩人だし、いっか…。子供達みたいに教えなきゃ扱えないって事も無いでしょうし。

それに見た目は幼いから大丈夫よね。

「…なんか失礼なこと考えた?」

「そんな事は…」すみません…。 (ママは顔に出るから)


子供たちに渡す物と同じだとさすがに不味いかなと、控室で特別仕様のステッキを作る。

先端が雪だるまの形になったスノウベルさん専用のステッキ。

魔力を込めると、先端の雪だるまと、柄の部分にある雪の結晶を模したインジケーターが光る。

飛ぶ光も雪の結晶の形や雪だるまの形になる。 (ちょーレアアイテムになった!)

量産品の景品と違い一点物だし。 スノウベルさんは、雪が好きみたいだったからね。

「…ありがとう。ふふっ、陛下に自慢しよう…」

喜んでもらえて何より。

少しは助けてもらった恩返しもできたかな。

アキナさんにもお礼を伝えたかったけど、今は忙しいらしく手が離せないってスノウベルさんに言われた。

「私も数日会えてない…」

奥様ですら会えてないのなら無理は言えないよね。

落ち着いてからゆっくりお礼を言おう。



スノウベルさん達、親衛隊の人は変わらず警備をしてくれるけど、店員をしてくれてたシルフィー様御一行と、ルナシアさんファミリーもいないから、今日からは魔道具ゲーム機の数を減らしての営業になる。

お祭りも始まってからひと月近くたったからか、お客さんも少ないし営業も楽。 

のんびりとしたお店はまるで駄菓子屋のおばあちゃんにでもなった気分。 (ママからおばあちゃんに!?)

なってはないよ! 




少ないお客さんの対応をして、前より早い時間だけど、客足の止まったタイミングでお店を閉め、お屋敷へ帰る。

お屋敷でお世話になってるメイドさんにも、光るおもちゃを配ったりした。

子持ちのメイドさんは、”お店にうちの子が遊びに行ってました"って教えてくれた。

子供達だけでも結構な数が来てたから、どの子かわからないけど、景品を取れずに帰った子は居ないはずだから大丈夫よね。

メイドさん達も、日によってお屋敷にいる人が違うから把握できないし…。 (王族エリア全体を交代で回ってるから)

相変わらず規模がでかいわ。 (メイド長はアキナさんの奥様)

メイドさんまでお手付きですか…。 (お手付き?)

ごめん忘れて! (むー!)


玄関ホールでメイドさん達と話してたら両親も帰ってきた。

「ただいまー!」

「おかえり。母さん達も今日は早いんだね?」

「当たり前だよ。明日からに備えないといけないからね!」

「明日からって…何があるのさ」

「なんだ、ユウキ達は聞いてないのか?」

私とユウキは顔を見合わせて首を傾げる。

なんの事やら…。

今日こっちへ戻ってきたところだし。


「明日からは大狩猟大会が始まるの! 私達も参加するからね」

ギルドカードはその為か!

そういえば帰ってすぐに、アキナさんからの預り物って、メイドさんから荷物を手渡されてたな。

そのままメイドさん達と話し込んでたからまだ見てなかった。


確認すると、冊子は狩猟大会のルールブック。カードは…

「ティアねえ様、はいコレ。ティアねえ様のギルドカードだよ」

「ありがとー! あちこちの街に行ってたけどギルドカードは初めてだよー」

嬉しそうだね。仮とはいえ公式な物には違いないからな。

今回の狩猟大会での活躍次第では”仮“じゃなくなる事もあるみたいで、張り切ってる。



冊子は部屋に戻ってからみんなでしっかりと読む。


大切な部分だけ抜粋すると…

狩猟場所はランクで変わる。私達なら最難関エリアになるな。 (当然!)

この狩猟大会は周りの森を安全にするための公共事業の一環でもあるから、狩ったものは全部、国がギルドを通して買取りをしてくれる。

王国を拡張する時は毎回似たような事が行われてきたから、今回もその為じゃないかっていう噂もあるって母さんは教えてくれた。

「どこでそんな話しを聞いたの?」

「お店をしてると、お客さんからいろいろな話を聞くからね」

話好きな近所のおばちゃんみたいだな。



禁止事項も細かく書かれてる。 妨害行為等は、その場で失格。狩ったものもすべて没収。

妨害行為って言うのは、他の冒険者への攻撃や、獲物の横取りなど…やっちゃいけない当たり前の事。

冒険者に混ざって国やギルドの監視員がいるみたい。

私達の行くエリアにはAランクしかいないから、そもそも他の冒険者と遭遇する可能性が低いだろうけど。

Aランクが数パーティしかいない上に、全員参加するとも限らないし。


「姉ちゃん、これアキナさんから」

「うん?」

冊子に私宛てのメモ用紙が挟んであったらしい。

「ママ、なんて書いてあるのー?」

「Aランクの私達が行く場所は、敵が強いのは当たり前だけど…ヌシもいるから気をつけるようにって。召喚獣も出していいって」

「それだけヤバいってことー?」

「だろうね。いざとなったら共闘をお願いするかもって書いてあるし…」

「私達、行って大丈夫かな…」

「怖かったらお留守番しててもいいし、魔力ドームの中で休んでてもいいよ?どちらにしても守るから安心して」

「アスカがいるんだから大丈夫よ! 私達ドラゴンもいるのよ?安心しなさい未亜」

何事も絶対は無いけど、最悪の場合はみんなを転移で逃がす事はできるからまだ安心だ。 (森を見たけどヌシは見てないの)

上手く隠れてるのかな? (隠密が高いかも)

そうかもしれないね。強いって事は魔力が高いのにティーが見つけられないってなると相当か…。

魔力がないって事はまず考えられないし。

これは警戒しておかないといけないね。 (うん。ティーもまだママの探索を完全には使いこなせてないからかも…)

それは仕方ないよ。借り物みたいな物だし。 (でも頑張る!)

ん、頑張るティーは偉いよ。 (ふふー)


今日、お店に来たお客さんが少なかった理由もコレかな。 (みんな準備してたりするから、それ関連のお店が大繁盛してた)

武器防具、夜営用品や保存食とかか。 (後は、荷物運びのバイトとかも)

へぇー。私達はストレージやマジックバッグがあるから無縁だな。 (そういう人は少ない)

そうだろうね。マジックバッグも買うとなると高いし、容量も本人の魔力依存だからね。 



うちのお店もまたしばらくはお休みだなぁ。 (ママと冒険楽しみ!)

頑張ろうね、みんなを守らないと! (あ、そっち?)

勿論、冒険も楽しむけど、みんなの安全が第一! (ママらしい)


ユウキも私達と来てくれるかと思ってたのに、ギルド試験でパーティ組んだ仲だろうって父さんに取られた。

同じAランクだし、狩りをするエリアも同じだから共闘は出来るかもしれない。


かなり森の奥へ行く事になるから、夜営する可能性も考えておかなきゃいけないな。

転移して戻ってきてもいいけど、それをしちゃうのもなんだか風情がない。 (キャンプー!)

うん。どうしてもって時は転移するけど、そうじゃないなら森でキャンプだね。 (わーい! おやつ持ってくの)

そうだね。と言ってもいつも持ち歩いてるでしょ? (それを言っちゃったらつまんないー!)

ごめんね!?


狩りが初めての子達に注意事項とかを説明しながら自分も復習する。

大人数が動くような狩りは随分久しぶりだし。 (前のは?)

確か…魔獣の大量発生で喚ばれた時かな。 (ほぇー…見たかった)

魔王になる前だから、結構苦戦はしたけどね。 (今なら?)

かなり楽かな。周辺への被害を無視するなら一発だね。 (ガチの魔王だ!)

知ってるくせに…。 (ふふっ。ティーが一番ママの強さを知ってるんだー)

そうだろうなぁ。


ちょうど良いタイミングだし、みんなの刀を作ったのと同じタイミングで用意していた、レウィ専用の手甲もプレゼントした。

軽く扱い方も教えたのだけどすぐに使いこなせそうなくらい理解が早い。

嬉しそうに魔力の爪を出し入れしてる。

「わう! ありがとう主様! これでみんなを守れます」

「お願いねレウィ」


念の為、みんなもプレゼントした魔剣の扱い方を復習だけして、私達も明日に備えて早めに休む。

怪我もなく無事にお祭りを楽しめますように…








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