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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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出店準備




次の日のお昼過ぎ。

魔道具を作成していたら、母さんが呼びに来た。

私たちの出店エリアの設営が終わったから見せてくれると。

「私達も近くにお店を出してるから見に来てね!」

「そうなの?母さん達はどんなお店を出す予定?」

「ふふー秘密!」

「アスカ達こそ何を出すんだ?あの広さは食い物って感じじゃねぇよな?」

「うん。食べ物じゃなくて魔道具関連だよ」

母さん達もどんなお店かは教えてくれないんだから私達も詳細は秘密。

ゲーム魔道具や看板は当日に設置するから今の状態では何かわからないし。



出店エリアには大きなテントがゲーム魔道具の数に合わせて6つ設置されていて、射的エリアには映し出すための壁と、カウンター。ステッキの盗難防止に固定用の鎖もつけてある。

いらないかと思ったのだけど、絶対欲しがる人がいる! ってみんなが言うから…。 (当然!)

景品は何かだす予定だからそれで我慢して欲しい。


ブロック崩しは、地面にゲーム画面を映したら遊びにくいだろうから、テーブルタイプのプレイスペースと、ゲームを投影するプロジェクターを置く台座をお願いしてた。

見た目はゲームセンターのエアホッケーみたいになってる。

子供用の踏み台を忘れずに済んだのは、うちに小さい子がいるおかげ。


後は、簡易だけど出店者用に控室となる建物も併設してくれてあるのはありがたい。疲れたら休めるし…。

シルフィー様もいるから魔法防壁とかはかけてシェルターにしたけど。 (過剰防衛?)

そんなことは…。

アリアさんにはちゃんと伝えてある。もしもの時はシルフィー様を抱えて逃げ込んでほしいと。

すごく感謝されたから間違ってなかったと思うよ? (そだね!)


この出店スペースの配置やデザインは、昨日のうちに希望をアキナさんに聞かれて、みんなで相談した内容を簡単な図面にして、メイドさん経由で渡してもらったのだけど、まさか一日とかからず出来てしまうとは…。

しかも私の書いたあんな適当な図面をここ迄仕上げてくれた。うちの両親とお祭りの運営恐るべし。 (遊園地みたい!)

そうだね、ちょっとしたアトラクションみたいなものかも。

並ぶ為のスペースも確保されてるし。


本当にいい場所で、左右は広く取られてるから周りを気にしなくていいのも助かる。

これじゃあまるで一等地。

ちょっと不安になったけど、私が弱気になってたら、せっかく手伝ってくれるみんなまで不安にさせてしまうよね。 (ママ、絶対大丈夫! みんながついてるのー)

ありがとうティーその通りだね。


 

お祭り初日は日付の変わるタイミングに花火が上がり、そのままアキナさんが新年の挨拶と演説をドラツーで行う。

街は地球で言う大晦日の朝からお祭りに突入。

店によってはスタッフが3交代制でフルタイムの営業もするらしいけど、住宅街はキッチリとわけられてるから、騒がしくなっても問題はないらしい。


私達のお店も、初日の夕方にオープンさせて、年明けの演説を聞いた後に閉店となる。

演説の間は私とティーは少し抜けるけど任せておけば大丈夫。

片付けは任せてほしいってみんなが言ってくれたし、私は信じて任せる。


店を閉めたらお屋敷に戻り、一度休んで翌日は早朝にシルフィー様をアクシリアス王国へ送る。

シルフィー様の話だと、精々数時間の事らしいから戻ったらもう少し休んで、夕方から再オープン。




お屋敷へ戻ってからも私達のお店に関する打ち合わせは続く。

店の名前はシンプルに”魔法ゲーム“ 看板にはみんなで射的とブロック崩しの絵を書いた。

ゲームとかこの国の人達には初めて見るものだし、わかりやすくした方が良いだろうって判断。


値段設定は、小さな子はお小遣いで気軽に遊べるように安く設定。

大人はある程度の値段に。魔力の扱いに長けている人が殆どだから問題ないと判断した。

日本の感覚に例えるなら子供は百円、大人は五百円ってところか。

そういった値段やルール、注意事項も書き込んだ張り紙も設置する。



ブロック崩しはボール3個分。

崩せたブロックの数でもらえる景品が変わる。

対戦タイプだから勝った人にはプラスでもう一つ。



射的は時間制限っていう意見も出たのだけど、未亜が…

「お祭りだと玉が5つで幾ら…とかだったからそっちのがいいんじゃないかな?」って提案してくれた。

お客さんの遊びやすさを考えたらそのほうがいいかもしれないってみんなも頷く。

ただでさえ魔力を扱うには集中しなきゃいけないのに、時間に追われるような事をしたらミスが増えるだろうから未亜の意見を採用。

多少お客の回転が悪くなっても仕方ないからそこは諦める。



「私達も最初は難しかったから、練習様に2回、本番5回とかがいいんじゃないかしら」

「うん。撃ち出せても、小さな魔力を上手く制御するのは私達ドラゴンみたいに魔力が高いと少し難易度が高いからねー。特に小さい子向けはステッキもわかり易くしてあげるといいかもー」

実際に遊んだドラゴン姉妹の意見は為になる。

魔力の高いドラゴンや獣人の多い国だしなぁ。

子供が楽しめないのはよくないから、子供用ステッキは改良して、込めた魔力が目視できるようにレベルインジケーターをつけた。

込めた魔力に合わせて1〜10個の小さな魔石が光る。

光るインジケーターも円状だったり、直線だったりデザインも色々。 

このステッキをフィアとニレがいたく気に入ってしまって…しばらく放してくれなかった。 (あれは仕方ないの)

かなぁ? (可愛いもん!)



景品を何にしようか悩んだのだけど…

「やっぱり私は魔道具しかつくれないから、それじゃダメかな?」

「姉ちゃんの魔道具か…物によるよな」

「うん。凄いものが多いから大丈夫かな…」

「それならあれは?遊園地の夜に売ってたピカピカするやつ。アスカなら再現できないかしら?」

そう言ってリアはパレードの時に購入した物をマジックバッグから取り出してみんなに見せる。

「ティーも持ってるよ!」

「可愛いの…キラキラ…服につけたい!」

シエルも興味を示してたから私が買ったバッヂタイプも見せてあげた。

「お姉様、これ絶対みんなほしがるの…」

「初日が夜にオープンしているのなら目立っていいかもしれません。 こら、人様のものを欲しがるのはダメよ!」

フィアとニレが興味津々で、ルナシアさんが二人を抱えて、取ろうとするのを必死に止めてくれてる。

見せたら欲しくなるよね?ごめんよ…


フィア達の為にもこれを作るか。

「明かりの魔道具程度なら魔石も安いし、複雑なものでもないからいいかな…?」

「どこの国も明かりの魔道具は当たり前に普及していますから問題ないと思います」

シルフィー様も問題ないと言ってくれたから、後はみんなでデザインを考えた。

試作品をいくつか作って配る。当日はみんなにつけてもらい、手伝ってもらう事になりそう。


バッヂは勿論、カチューシャにペンダントに腕輪。基本はアクセサリー。

手持ちサイリウムも作った。どれも12色にいろいろなパターンでランダムに光る。


みんなのおかげで、アクセサリーは昼間でも素敵なデザインの下書きができた。

金属じゃない部分はシエルも手伝ってくれるからお願いする。

当日の衣装も担当してくれるのに申し訳ないけど…。

ただ、光る魔道具部分の作り手が私一人だから毎日作り足す事にはなりそう。 (ティー手伝えるよ!)

助かるよ。お願いするね。 (任せてー!)

「わう…主様、これ作るの大変じゃない?」

「この程度なら平気だよ。ありがとうレウィ」

「わう!」

というか何でレウィはわざわざ光るケモミミカチューシャを選んだの?自前の素敵なふわふわ耳があるのに。

かわいいけど…。 (ダブル耳!)

撫ぜにくくなったのだけが難点だわ。


景品はスコアにあわせて選べるようにした。

一応、子供専用の目玉商品も用意する。試作品をいくつか作ったのだけど…。 (これはヤバい…)

そう?ステッキの応用で魔力弾の代わりに光弾を飛ばせるだけだよ? (楽しすぎるのこれ)

魔力弾を打つステッキをフィアとニレが気に入ったのを見て景品になるかと思い作ったみた。


今もみんなが光の撃ち合いをして盛り上がってるもんなぁ…。

人に向けても危険がないように徹底はしたけど、いきなり撃ち合いしだすとは思わなかった。

あまりにも皆が喜ぶからそのままプレゼント。

本番の宣伝にもなりそうだ…。



当日の役割分担もキッチリと決めることができた。

私とユウキが交代で店長のような立ち位置になり、全体の把握。

これは私がもう一つ役割があるから、その時にユウキを頼らせてもらう。


フィアやニレ達年少組はそれぞれ必ず保護者になる人…ドラゴン姉妹やルナシアさんがついて、景品で遊びながらお店の周りで宣伝。

オープン時には実際に遊んでデモンストレーションもしてもらったり、遊び方を説明したりもしてくれる。

シルフィー様には常にアリアさんがついて、ユリネさんや未亜、シエルとお金のやり取りや、景品の交換をしてもらう。 

王族にやらせてしまって良いのか心配になったけど、こんな時しか経験できないからと張り切ってらっしゃる…。

アリアさんも止めないからいいんだよね?後で怒られないよね? (心配し過ぎなの)

だって次期国王陛下だよ!? (みんながついてるから、ママはどーんと構えてて!)

はい…。


レウィは用心棒。いざという時には大きくもなれるし…。

私としては可愛い看板マスコットでいてほしい。

親衛隊の人も警備に来てくれるからよっぽど大丈夫だとは思うけど、シルフィー様や小さな子もいるから念の為。

どうしてもっていう最悪の事態になったら私が出たほうが早いし。 (過剰が過ぎる…)

みんなを守るためだからね! ここは譲れない。


そして、いつでも私と簡単に意思の疎通が出来るティーは遊撃隊長。 (忙しそうなとこへ飛んでくよ!)

助かるよー。ファミリンを使うのも考えたのだけど、大っぴらに使用する事ができないからね…。緊急時のみに限定した。

通常でもティーがいてくれれば各種連絡事項やトラブルがあったら即、私に伝わる。 (万全の体制をとるの!)

私の子が優秀すぎる…。 (ふふん♪)


正式な申請書類に、出店内容や、値段。景品まで全部細かく記入して、全てのサンプルも提出。

次の日にはアキナさんのサインと王国の紋章の入った許可証が届いた。

出店してる時には見えるような場所に設置しておかないといけないらしい。営業許可証みたいなものだね。

当然責任者は私で、何かあった場合は私が全責任を負う。これに異論はない。

みんなもそんな事にはさせないって言ってくれてるし大丈夫。


途中、フィアのお昼寝中に一度、ニレをドラゴンの里に返して、フィアの着けてるバレッタへ魔力の充填も済ませた。

これでまた数日は大丈夫だろう。


そんな感じで色々と準備をしていたら、あっという間にお祭り開始の当日になってた。










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