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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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的を狙い撃つ



ステッキから打ち出される魔力弾は的確に的に当たるけど、なかなか倒すには至らない。

「アスカー、これ難しいよー」

「でも上手くできれば魔法が上達するのよね?」

「うん。小さい魔力を上手く制御出来る様になれば繊細な魔力操作も楽になるからね」

説明を聞いてやる気が出たのか、二人は徐々に的を倒せるようになっていく。 (ティーならよゆー!)

そうだろうなぁ。だから先に遊ばせてあげてね? (うん! こっちも楽しーの!)

フィア、ニレとブロック崩しで盛り上がってるな。



3分続いた射的の姉妹対決は僅かな差でリアの勝利だった。

「アスカに教えてもらったお陰で、ねえ様に勝てたわ! ありがとう!」

そう言って嬉しそうに抱きついてきた。

「いえいえ。頑張ってたものね」

「リアばっかりズルいよー私ももっと教えてほしい…」

ティアねえ様は負けたのが姉として悔しいのか結構落ち込んでしまってる。

このゲームも訓練になってるんだけどな。


2回戦目は未亜と、シルフィー様。

未亜も勉強のかいがあったのか、早めに慣れて的を倒しだす。

ただ…シルフィー様がコツを掴むのがうますぎて、未亜は負けてしまった。

「すごいですねこれ…楽しみながら魔力の扱い方を感覚的に覚える事ができます!」

「シルフィー様が上手過ぎて、勝てる気がしないよ…」

負けたとはいえ未亜もかなりのスコアを出している。

一度見てたとはいえ、ドラゴン姉妹よりも高得点だし…。


シエルとレウィは勝負というよりは本当に楽しそうに遊んでくれた。

ゲームなんて遊び方は色々あってもいいんだから、どんな形であれ楽しんでくれるのが一番。

二人で協力して一つの的を倒したのは本当に上手かった。


ティーVSフィア、ニレのペアは接戦の末フィア、ニレの勝ち。ティーが勝たせてあげたんだろうけど…。 (ナイショ!)

わかってるよ。嬉しそうにしてる二人に水刺すようなことはしない。 (知ってるー!)



みんなにそれぞれ何度か遊んでもらって意見を聞き、どちらも改良型を作った。

ブロック崩しは真ん中に映し出されるブロックがゲーム画面の左右を分断する。

それをプレイヤーが左右に別れて崩していく。二〜四人での対戦ができる。

壊したブロックの数が多いほうの勝ち。

これがかなり盛り上がった。

早くブロックを多く壊したいのなら、ボールを弾く手に纏わせる魔力を多くしなければいけない。

ただ、それをするとボールが早くなってミスする可能性が高くなる。

ギリギリを見極めるのが楽しいみたい。


例えばティーならかなりの速度でも対応できるけど、組む味方が対応できなければミスしてしまう。

私とティーが組んだ時はみんなからのブーイングがすごかった…。 (あれはやりすぎたの…)

だね。楽しくて本気になってしまったよ。結果、私とティーは組ませてもらえなくなった。


射的の方はシエルとレウィのやった共同で的を倒すっていうのにヒントを得て、10以上の数字の的も出るようにした。

これを倒せたら高得点が出る。

魔力も、撃ち出すタイミングも合わせなきゃいけないからなかなか難しい。



途中でユウキやアリアさんにユリネさん、ルナシアさんも合流して、どのゲームもかなり盛り上がった。

大人にも楽しんでもらえたのは嬉しいけど…。みんな娯楽に飢えてるのかな? (ゲームとかないし…)

そう言われればそうか。



全員魔力もそれなりに消費したし、ちょうどメイドさんがお茶を持ってきてくれたから私達は休憩。

お屋敷でお世話になってるケモミミメイドさんたちにも遊んでもらったんだけど、これがいけなかった…。


「アスカちゃん! 何を作ったの!?」

メイドさんから聞いたと、アキナさんが駆け込んできた。

ルナシアさん達の紹介も早々に、またゲーム大会が始まってしまったよ…。 (みんな元気!)

そうね…。みんな魔力も高いからぶっ通しで遊べるのがいいのか悪いのか。

少し緊張気味だったルナシアさんもゲームを一緒に遊んだことでいつも通りになってる。

まさかアキナさんはこれを狙った? (純粋に楽しんでたけど…)



一通り楽しんだ後、アキナさんからとんでもない事を提案されてしまう。

「アスカちゃん、お祭りでこのゲームのお店を出してみない?」

「お店ですか!?」

「いいじゃない! 絶対盛り上がるわよ」

リア達は乗り気だけど…大丈夫かな。お店とか経験無いよ私。



アキナさんが言うには、街中アチコチにお店を出店できるスペースがあって街の人も希望者はお店が出せるらしい。

一応、申請して許可が下りればっていうのが前提ではあるんだけど、このゲームなら問題ないって太鼓判を押してくれた。

「結構なスペースを取ってしまいますけど、大丈夫ですか…?他にも出店したい人とか沢山いるのでは…」

「そこはほら、私の権限で…と言いたい所なんだけど、元々他国からのお客様も飛び入りで出店出来るように多めにスペースは取ってあるんだよ。ただ、スペースが埋まってなくてね…」

他国から来るのはそれなりに立場のある人だから、出店する人は少ないらしい。

それはそうだよね…。荷物も増えちゃうし。

それでも事前にある程度は申請が来てて、準備も終わってると…。

ただ、アキナさん達の予想してたよりは少なかったみたい。


「みんなが参加できるお祭りっていうのが今回のコンセプトだからスペースは確保してあるし…場所もかなり良い所なの。それなのに埋まってないのは流石にね…?」

「いいじゃん、姉ちゃんの作ったコレなら間違いないと思うしさ」

「うん。私もいいと思うな。それにみんなで手伝うよ!」

ユウキと未亜のそのセリフにみんな頷いてくれる。 (やろうよママ!)

そう…だね。みんなとお店も楽しいかな? (うん!)


「じゃあ、みんなに頼っちゃうけど…私たち家族としてお店を出させてもらおうか?」

「「「「おー!」」」」

力強く返事してくれるみんなが頼もしい。


「助かるよー。これなら目玉にもなるし、スペースも無駄にならないから! うちの親衛隊からも手伝いに人を出すからね」

「そこまでしてもらうわけには…」

「ダメだよ! これは絶対話題になる! 予め混乱にならないようにするのも私の仕事だからね」

「そういう事でしたら…お願いします」

何かあって、アキナさんに迷惑かけたら申し訳ないもんね。私が浅慮だった…。

こんなゲームでそこまで?って思うけど、みんなの盛り上がり方を見てたら予想ができないのも確かだし。


お店で出すものにはしっかりと権利が付与されて、勝手に真似とかも出来ないから安心していいと言ってくれたし、お店を開けてる時間とかも完全に自由らしい。

魔道具に関しては悪用を避けるために隠蔽はしっかりするつもり。


現場の設営とかは全部任せていいって言ってくれたから、私はゲーム機の追加をする。

ゲームの種類までは増やさなかった。これ以上は管理できなさそうだし…。

ブロック崩しは対戦型のみ。射的は通常のと、協力タイプを各2つずつの計6つ。

射的を増やしたのには理由があるのだけど、これはその時になったらわかる。

使わないのならそれでいい。



スモークの魔道具はドラゴンの里で録画したのを見せたら欲しいって言ってもらえたのでそれも追加で作る。

花火はアキナさんの許可をもらって、王族エリアで打ち上げて見せた。こっちも使いたいと受け取ってもらえた。

どのタイミングで使うか会議してくる! って足早に去っていったアキナさん。

お仕事を増やしてしまった気がしないでもないけど、すごく嬉しそうにしてくれてたから良かったと思おう。






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