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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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撮影と…



お屋敷を出ていくアキナさんたちを見送り、残ったのは私とティーと、母さん。

「母さん、父さんは?」

「夕夜なら”もう働きたくねぇ…“って言って部屋で寝てるよ」

「大変だったよね?手伝えなくてごめん」

「大丈夫だよ。アキナがみんなをびっくりさせたいって言ってたからね」

「やっぱり規模がすごいの?」

「国を上げてのお祭りだからね、それが一年中続くし」

規模がでかすぎて、もう想像できない。ドラゴライナ王国の大きさを考えたらどんな事になるのやら。


母さん達はお祭りの間もやる事があるからずっと一緒にはいられないらしい。

確かに運営も手伝ってもらうってアキナさんいってたもんね。 (何するんだろー)

母さんは教えてくれなかったからわからないよ。でも楽しそうにしてたから期待しよう。 (うん!)



部屋に戻ってギルドカードをみんなに渡してたら、メイドさんが仮ギルドカードの申請書を持ってきてくれたからすぐに記入した。

内容は、申請する私の名前とランク。仮のカードを必要とするティアねえ様の名前と、戦闘力。

戦闘力の項目は新しく追加されたんだろうなぁ。

記入したものはそのままメイドさんが申請してくれるって言うからお願いした。


「アスカ、これで私もカードがもらえるの?」

「うん、ティア姉さまの戦闘力なら問題はないと思うよ」

「やっぱりリアより強いー!」

「当たり前でしょー?姉なんだから」

「少しだけじゃない! 私だって成長したんだから!」

申請書類に記入するために、ティアねえ様の戦闘力をティーが見てくれたんだけど、リアも見てほしいって言うから二人を測ってもらった。 (リアが私も強くなってるはずだーってしつこいから)

本当に成長してたしね。


実際、リアの言うようにそこまでの差は無かった。ティアねえ様は、お狐様のうどんとの契約がなかったら負けていたかもしれない。

姉のプライドもあるだろうし、これで良かったんだろうね。 (リアが天狗になっちゃう!)

んー勝ってたら確かに多少マウントは取りに行くかもだけど、それで天狗になるような子じゃないよ。 (それもそっか)


「お姉ちゃん、私とシエルちゃんのカードは仮じゃないの?」

「違うよ。二人がダンジョンツアーを頑張ったから貰えたものだからね」

未亜はギルドカードを貰えたのがよほど嬉しかったのか大切そうに握りしめてた。

戦闘に関してこういう形のあるもので評価されたのが初めての事だし、気持ちはわかる。 (ママにもそんな初々しいときが…)

そりゃああるよ! 


シエルもカードを嬉しそうにレウィに見せてる。

「みてみて、レウィちゃん。うちももらえたの…」

「わう、お揃い!」

これはアキナさんに感謝しなきゃなぁ。 (でもギルドカードって何に使うんだろう?)

うーん…間違いなく戦闘に関係するとは思うけど、何をするかまでは予想もできないね。

ティーも知らないの? (うん! 楽しみにしたかったから)

そっか、楽しみだね。 (なんだろなー!)



シルフィー様をお屋敷へ案内したはずのアキナさんが、シルフィー様達を連れてそのまま戻ってきた。

「アスカちゃん、シルフィー達もここに滞在させてあげてくれる?」

「はい?用意したお屋敷は…」

「お願いしますアスカ様! アスカ様の傍が一番安心なんです!」

シルフィー様にまで頭を下げられてしまったら断ることもできない。

「わかりました」

「部屋は別にさせるから安心してね?」

ありがとうございますアキナさん。

シルフィー様は渋ってるけど、流石に次期国王陛下と同室は困る。

ドラツーでの“一緒にお風呂事件”もあるから…。 (ママが警戒してる!)

師匠やメリアさんとの事で私も多少は学んだし。

シルフィー様が前に言ってた私への気持ちが何処まで本気かはわからないけど、シルフィー様の身分を考えたら警戒はするよ…。

ただ、アリアさんやユリネさんもいるから大丈夫と思いたい。

シルフィー様達は2階の空き部屋に滞在するから、アリアさんとユリネさんが荷物等を置きに行った。



「アスカちゃん、シルフィーから聞いたんだけど…」

「はい? あっ、撮影魔道具の事ですか?」

「そうそう! それ私も使ってみたい…」

「アキナさんの分も用意してます。 千年祭のお祝いに受け取ってください」

ストレージから10セット取り出し渡す。自分の分は予備を含めて2セット残してある。


「こんなにいいの?」

「お祭りでも使えるようにと思いまして。足らなかったら追加で作れますから言ってください」

「ありがとう! 代金は魔石?」

「いえ、お祝いですからこのまま受け取ってください」

「いいの?こんな凄いものなのに」

「はい。準備のお手伝いもできませんでしたから。 取り扱いの説明しますね」

リア達も興味津々で、実演したらびっくりしてた。

流石に未亜はそこまで驚かなかったけど…

「お姉ちゃんは魔道具で家電を再現できちゃうね」

「ある程度ならそうかも…」

オーブンも作ってるしなぁ。冷蔵庫とかコンロも魔王の時に作って普及させたから。 (ゲーム機は?)

流石にそれは…。単純な物なら何とかなるかもだけど。 (それがいい! 作ってー!)

ティーのお願いなら、一つ考えてみるか。 (やったー!)

時間ができたらになるから待っててね。 (あい!)



アキナさんの要望で、撮影魔道具の一つはドラツーに装着することになった。

航空写真というか映像が撮れる。


それ以外は親衛隊の人達にも扱い方を教えて、お祭りの間に色々と使うって言ってかなり喜んでくれた。

シルフィー様も1セット持参しているらしく、お祭りや街の様子を写して国王陛下に見せるって言ってて。

それで一つ気がついた大切な事を伝える。


「国の機密や、外に漏れたら困るようなモノは写さないようにしてください。大変なことになりますから」

「言われたらそうだね…。徹底させておくよ」

「はい。シルフィー様も気をつけてくださいね?」

「どういう事でしょうか…?」

「そうですね、例えば…シルフィー様が無防備に寝ている姿を撮影されて、それが広まったら大変ですよね?」

「理解しました。恐ろしすぎます」

「今は所持しているのがシルフィー様やアキナさんのような王族の方だけなので余程大丈夫だとは思いますが、悪用もできる可能性を覚えておいてください」

「わかりました。よく覚えておきます」

「アスカちゃん、これ。使える人を限定は出来る?」

「そうですね、波長の登録をすればその人にしか使えなくすることは出来ますが…」

「それはそれで困るね…」

「撮影する側はフリーにしておいて、投影する側だけに波長を刻めば撮影はできても見ることはできなくなりますから、そうしますか?」

「そうだね、念の為そうしてもらっていい?」

「私のもお願いします!」

アキナさんに渡した魔道具は投影側のみに全部アキナさんの波長を刻み、シルフィー様のはどちらにもシルフィー様の波長を刻んだ。


最初からもうちょっとセキュリティーと言うか安全性を考えておくべきだった。

流通させるつもりはないから取り敢えずはこれでいいかな…。 (ママも街で勝手に撮影されてたの)

あー、ひったくりを取り押さえた時のか。ティーのおかげで消してもらえたけどね。 (お仕事なの!)

あれは本当にありがとね。 (いえいえーい!) 


ドラツーに設置する撮影魔道具の権限はティーに一任するね。一番安心だし。 (任せてー!)

「ママ! 新しい魔道具の名前決めたの!」

「うん?呼びにくかったから助かるよ。どんなのにしたの?」

「カメプロTypeβ!」

「カメラとプロジェクターだから?」

「そう! シンプルにしたのー。カメプロって呼ぶの!」

「わかったよ」

アキナさん達もそれで納得してくれたから、そのまま正式名称に。


庭で未だ走り回ってるレウィを試しに撮ってみてもらった。

「アスカちゃん、これってどれくらい撮れるの?」

「魔石次第ですね。嵌るサイズであれば透明で数百時間、一番安い黄色で数分程かと思います」

「へぇー! 撮影失敗したら?」

「消したい時は、一度外して再度嵌めれば上書きされます」

「じゃあ間違って消さないように気をつけなきゃだね」

「そうですね。私がいれば上書きできないようにロックもかけられますが…」

「じゃあその時はお願いしてもいいかな?」

「はい。もしくは前もって、一度録画したらロックをかけるっていう魔石を作っておくこともできます」

「それだと失敗したら…」

「一応ロックの術式を消してしまえば何とかなりますが…繰り返すと撮れる時間が減るかと思います」

「なるほどね! わかったよ、まずは色々試してみるよー」

「それがいいかと思います」

使って慣れてもらったほうがいいでしょうし。


シルフィー様は撮影してきたアルフィー様の映像をみんなに見せてくれた。

これにはアキナさんが大喜び。その魔石を欲しがるくらいに…。

シルフィー様も困ってたから、別の魔石に映像をコピーできるように、アキナさんのプロジェクターの1つにコピー機能を追加。

撮影済みの魔石と、まっさらな魔石2つを嵌めればコピーしてくれる。 


シルフィー様はいくつかアルフィー様の映像を録画した魔石を持ってきてたから全部コピーして、それぞれロックの術式も刻んだ。

アキナさんが凄く喜んでくれたからよかったよ。











 

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