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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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連休最終日の予定を決めよう



未亜ちゃんにお説教されて戻ってきたユウキはグッタリしていた。

「アスカ姉ちゃんごめんなさい」

「…もういいよ。でも気をつけてね?」

「うん、そうだよね。本当に女の子になってるんだもんね。ごめん」

ユウキの中ではまだ兄か姉かせめぎ合ってるのかもしれない。

私自身ようやく慣れてきたくらいだもんね。


「ねぇ、お姉ちゃん」

「うん?」

「私も確認したい…なんかこのままだと不安だしモヤモヤするから」

やっぱり気にしちゃうのか。魔道具つけないほうがいいんだろうか悩む。


「それはいいけど…加減してね?」

「ユウキ君みたいなことはしないよ!?」

それならいいけど…。前にしたよね?


何するんだろう?

近くに来た未亜ちゃんに…ハグされた。

あぁ、確かにこれならピンポイントでユウキみたいな事しなくても判断できるね。


「良かったぁ〜」

心底ホッとしたように笑う未亜ちゃん。

だから大丈夫っていったのにね。


「安心できた?」

「うんっ」

「そっか、僕もそうすればよかったね」

まぁ、わし掴みされるよりは…。

「ユウキ君は暫くお姉ちゃんに触れないほうがいいかもだよ〜?」

「え?」

「あんな事したら、信用なくしてるかもだし?」

ちょっと意地悪な笑顔でユウキにそう言う未亜ちゃんは絶対面白がってるね。


「アスカ姉ちゃん?嘘だよね?」

ふいっ…つい顔をそらす。

「…そんなぁ」

大丈夫だけど、ちょっとは反省してほしいかな?



「それよりもお姉ちゃん、お休み明日までだし、必要なものとかの買い忘れない?」

う〜ん、大丈夫だとおもうけど…確認したほうがいいんだろうか。


「そうだね、学校もあるからそっちにいる物もあるんじゃない?」

ユウキもそう言うけど、制服とかは大丈夫だし…なんかあるかな。


「ぱっと思いつかないんだけど…何がいるとおもう?」

普段使いの物はだいたい揃えたと思う。

シャンプーとか未亜ちゃんと薬局へ買いに行ったしね。

「うーん、多分大丈夫だとは思うけど…。一応確認で聞いただけだから」

そういう事ね。


「じゃあ、明日は三人でモールにでも行く?それで何かあったら買い足す感じで」

「そうだね、遊びに行く感じでいこー」

「わかったよ。僕もそれでいい」

みんなで遊びに行くのも楽しいし、我ながらいいアイデアだと思う。





お風呂タイム。

ふぅ…やっぱりまだこの長さの髪を洗うのは慣れないし大変だよ。

自分が変わってしまったことを、お風呂に入ると一番突き付けられる。

でも、ゆっくりお風呂に浸かるとホッとするのは変わらないなぁ…。


「お姉ちゃん…」

え?未亜ちゃん?

「どうしたの?」

「えっと、一緒に入ってもいいかな?」

ええぇぇぇ! 


「それは、流石にまずいんじゃないかな?」

落ち着けーどういう状況だこれ?今は女の子同士だから問題はないかもだけど…。

前は男だったわけで…その意識もまだ多少ある。


ガチャ…


ちょっ…未亜ちゃん?

タオルで隠してるけど、未亜ちゃんが入ってきちゃったよ! 

「えへへ、来ちゃった」

そんな嬉しそうに言われたら出てけなんて言えないじゃない…。


洗ってる未亜ちゃんを見ないように目を閉じて考える。

どうしてこうなってるのか…。姉妹でしてみたかった事だったり?


お風呂のお湯が揺れて未亜ちゃんが湯船に入ってきたのがわかる。

別に変な気分になってるとかそういうのは全くない。

どちらかというと、只々混乱してる。


「ねぇ、お姉ちゃん。このお家のお風呂って大きくていいね」

そうだね、母さんが広くないとヤダってかなり大きめになってる。

滅多に家にいないのに…。

二人で入っても充分に余裕があるくらいに。


「聞いてる?」

「う、うん…」

「目も閉じたままだし…やっぱり迷惑だったかな?」

悲しそうな声出さないで。迷惑とかはないから。


「そうじゃないよ。ただ、私今はこんなだけど元は男だったんだよ?」

「そうだね、写真見た時はそうだった。今はその写真も変わってるけど…」

あれはなぁ…ユウキも焦ってたね。


「なのによかったの?」

「うん、なんかお姉ちゃんともっと一緒にいたかったから」

そっか、それを聞いて私も目を開ける。

目の前にいる未亜ちゃんはどこか寂しそうで…。


「なにか話したいことあった?」

「…うん。少しだけ」

「よければ聞くよ?」

「えっと、お姉ちゃんに初めて会う前にね、おじさんとおばさんにモールへ連れてって貰ってたの」

「うん?」

「私お母さん達とそういうお買い物とか行った記憶がなくて。最初は戸惑ったけど、楽しかったんだ」

母さんの事だから腕くんで引っ張り回したんだろうなぁと想像がつく。


「でも、うちの両親みたいに、あっさり…またいなくなっちゃったから、なんか寂しくて」

「そっかぁ。母さんは騒がしい分いなくなったら静かだもんね」

「うん、だから明日お姉ちゃんとユウキ君とお出かけしたら、もしかして二人も…って考えちゃって」

「大丈夫だよ、独りにしない。約束する。そのための、ほらこのピアス。ね?」

左耳につけた2つのピアス、姉弟三人でお揃いの魔石。

「うん、そうだよね。心配しすぎなのわかってるんだけど…」


私は湯船の中を移動し未亜ちゃんの後ろへ。

優しく抱きしめてあげる。大丈夫だからって。


「お姉ちゃん…ありがとう」

「ん。少しこのままでいようか…」

「うん」

そのまま他愛のない話をしたりしながらのんびりして、未亜ちゃんは少し元気になったみたい。



「アスカ姉ちゃんー! まだー?僕も入りたいんだけど!」

ユウキがそう呼ぶまで二人でお風呂にはいっていた。


遅くなったのをユウキに謝って…。一緒に入ってたことにちょっとびっくりしてたけど。

今日はまだ一緒にいたいっていう未亜ちゃんのお願いで私のベッドで二人で寝た。





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