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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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個人的なお祝い



「ただいまー!」

「ママーおかえり!」

あら、ティーだけ?みんなは? (ドラゴン姉妹はお風呂ー。未亜とユウキは洗い物。シエルとレウィはお部屋)

そう。ありがとう。みんなにはお店の事内緒にしておいてくれた? (うん!)

じゃあ後でみんなと相談して、また予約入れよう。 (やったー!)


リビングへいくと、ちょうどドラゴン姉妹もお風呂から出てきたから、ティーにシエル達も呼んできてもらう。

私の予想が当たってるならクーラーボックスもみんながいる時に開けたい。


「姉ちゃんおかえり、どうしたのさ、それ」

「クーラーボックス?お姉ちゃんアイスクリーム買ってきたの?」

「違うよ。開けるから待ってね」

シエル、レウィも合流したからクーラーボックスを開ける。

やっぱり…。何処までも楽しませてくれるお店だなぁ。


中身をテーブルへ並べていく。

残したもの、だけじゃ無く、夕食には無かったものまで追加されて、可愛く飾り付けされた料理が、これまた可愛い器に盛り付けられていた。

オードブルのお皿をイメージしてもらえばいいかもしれない。それを更に手間をかけて飾り付けた、目に楽しい料理。

あの値段でも安いくらいでは?と思ってしまう。


「すっごいわね…どうしたのよこれ」

「今日行ってきたお店でお持ち帰りさせてもらったんだよ」

「すっごーい! ママ食べていい?」

「見せといてだめとも言えないし、少しだけね?夜ご飯は未亜が作ってくれて食べたんでしょう?」

「うん! ありがとうママ!」

「お姉ちゃん、どんなお店に行ってきたの?」

「それも説明するから、食べながらでいいから聞いてね」

詳しい内容は伏せつつ、美味しい食事ができて、レウィもつれていける事、その為には予約をしなければいけない事を話す。


「絶対行きたいよー! だってこれ、かわいいし、美味しい!」

「ええ。レウィも行けるのならみんなで行けるわね」

「へぇー姉ちゃんの料理より美味しいまであるな」

「お姉様のが美味しいの…」

「ママのが美味しい! でもこれも美味しいのー」

「わうー肉旨ぁ…」


みんなも当然行きたいって言うから、予約する事にした。

ホームページを確認したら、空いてる日があって予約できたから、そのまま予約を入れておく。

帰りに渡されたプレートの裏に書かれてるナンバーを入力する欄があって、割引価格になったのと、人数制限が無くなったのは流石としか…。8人だと結構な値段になるけど、全く惜しくない。そんなお店。

見つけられてよかった。



「ママー報告!」

「うん?どうしたの?」

「おーじが帰ってきた!」

「あぁ〜。ありがとね。じゃあちょっと行って魔道具に波長刻んでくるか…」

「アスカ、向こうへ行くの?」

「うん。ただ、魔道具に波長を刻むだけだからすぐに戻るよ」

「わかったわ。未亜達には伝えておくわね。でも早く帰ってきてね。お願いよ?」

「うん、わかってるよリア」

「ティーは向こうのと交代します!」

「りょーかい」


魔道具を起動して、アクシリアス王国へ。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


ちょっと久しぶりだなぁ。

「ママー」

飛びついてきたドラゴン姿のティーを抱き止める。

部屋を出るといつもの様に騎士様が待機してた。ただ、今回は知らない人だったから、そのままシルフィー様へ、こちらへ来た要件を伝えてもらうよう頼んで部屋で待つ。


暫くして、タタタタタッっといつも通りの足音と、バーン! と開かれる扉。

「アスカ様! やっと来てくださいました!」

「お邪魔してます。王子様が帰られたとの事だったので、魔道具に波長を刻もうと思いまして」

「ええ。それはさっき聞きました…ですが、その前に重大なお話があります!」

なんだろう…慌ててたりとかする訳でも無いから、なにかまずいことが起きたって感じでもない。


部屋のテーブルにシルフィー様と座り、少し遅れてお茶を持ってきてくれたユリネさんにも挨拶をした。

「落ち着いて聞いてくださいね?」

「はい…」

不穏と言うよりは、イタズラを仕掛けようとしてる、そんな雰囲気。


「なんと!」

「なんと?」

「ジルスの婚約が決まりました!」

ジルス…あっ、王子か。 ティー知ってた? (うんっ! でも内緒ってお願いされてた!)

そっか。ちゃんと約束守って偉いね。 (ふふー♪)


「それは、おめでとうございます」

「驚かれないのですか?」

「いえ、これでもびっくりしてますよ。突然のことですから」

「…それにしては落ち着いてらっしゃいます…」

「少し、予想していた部分もあったからかもしれません」

「えっ…?」

「多分ですけど、お相手はドラゴン、ノワルレイナさんですよね?」

「…当たりです。まさかティー様から?」

「いえ、ティーは何も。どちらかと言うと、シルフィー様ですね」

「私ですか!?」

「えっと、うちのお祖母ちゃんとドラゴンの覚醒について話をしていた時に、もしドラゴンと結ばれたら〜って心配してみえたので…」

「それがジルスの事だと…」

「はい。それにご一緒に留学されていたくらいですし」

「そうですか…でも一つ訂正させてください! あの時はまだ婚約の話は聞いていませんでしたし、ジルスの事を聞いた訳でもありません!」

「そうなんですか?」

「はい。留学から帰るなり、婚約する! と言い出して、城内もここ数日大騒ぎでしたから」

あら、ティーは王子が帰ってすぐ教えてくれたわけじゃないのね? (本当に城内が大騒ぎだったから、ママも巻き込まれそうで)

なるほど、気を利かせてくれたのね。ありがとう。 (あい!)


「でしたらお祝いしなきゃですね」

「それはまだしばらく先になるかと思います。まず、ジルスを連れてノワルレイナ様はドラゴンの里へ報告に行かれて、その後、此方でも大々的に発表。という形になるのですが、それまでにドラゴンについて国中に周知させなければなりませんから…」

「以前の事があるから、国内にドラゴンへの恐怖とかがまだ根強く残ってるということですか…」

「はい…ですから、妹のお披露目もされておりません。身体が弱く、療養している。そういう事になってます」

なんとも複雑だなぁ。それもこれも暴れたあのバカドラゴンのせいか…。 (赤ちゃん可哀想…)

だねぇ。でも、ご家族には祝福されて大切にされてるだけ安心だけど。 (うん! 城内のアイドルになってる)

あの可愛さだもんね。それは納得だよ。


「周知に関しては、ノワルレイナ様に何やら策があるとかで、連日お父様と相談されてます」

「そうですか…私が個人的にお祝いを伝えるくらいは大丈夫ですか?」

「それはもちろん。ジルスも喜ぶと思います」

今回は私にできる事はなさそうだし、お祝いを伝えるのと、波長を刻むだけだね。

すでに魔道具は渡してあるらしく、シルフィー様は騎士様に王子を呼びに行かせた。


お茶を飲みつつ待っていたら、お祖母ちゃんと、ノワルレイナさん、それに王子が部屋へ。

「アスカちゃん来てたのね。魔力が感じられなくてわからなかったわ」

あ…そういえば最近はずっと魔力隠蔽をオンにしたままだった。

お祖母ちゃんと再会のハグ。相変わらずお祖母ちゃんはあったかい…。


「アスカ様、お久しぶりです…まさかセイナ様のお孫様とは露知らず…数々の非礼、本当に申し訳ありません」

ノワルレイナさんにはいきなり謝られて何が何やら。

何も謝られることは無いと、必死に説明して、お祖母ちゃんも止めてくれて、ようやく収まった。

あくまでもすごいのはお祖母ちゃんであって私ではないのに…。こっちが申し訳なくなるよ…。


「久しぶりであるな、アスカ殿」

誰だよ、このイケメン。 (かつての王子…)

うっそだろ…詐欺じゃん。 (ママ、口調)

いや、だって…不健康さなんて欠片もなくて、陛下をそのまま若くして、さらに王妃様の可愛らしさを足したような…。

びっくりしたわー…。 いや、それより挨拶しなきゃだね。


「お久しぶりです、王子様。御婚約おめでとうございます」

「姉上より先に、というのも気が引けたのであるが…この想いは止められないのである!」

「くっ…」

シルフィー様が悔しそうに拳を握りしめてるのは見なかったことにしよう。姉のプライドもあるでしょうし…。


「ノワルレイナさん、御婚約おめでとうございます」

「ありがとうございます…まさか私がこんな事になるとは思いもしませんでした」

お相手を探してるとは言ってたものね。


王子に、魔道具の説明をしつつ、波長も刻んだ。

お祖母ちゃんの言う様にドラゴンと結ばれるのなら覚醒の可能性が高くなるから、念を押しておく。

「絶対に外さないでくださいね。王子様と、周りの大切な人のためでもありますから」

「わかったのである」

「私も見ておきます。少々抜けてますからこの人…」

実際その通りだから心配なんだよね。被害者の私が言うんだから間違いない。 (うんうん!)

ノワルレイナさんがいるから大丈夫かな。


王妃様は休まれてるそうだから、ご挨拶できなかったけど、正式な婚約が発表されたらみんなでお祝いをしに来る約束をして帰ってきた。






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