表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

362/771



トリミングのおかげでフワッフワになって、いい香りのするレウィは、夕食後に私の部屋でみんなにモフられすぎてぐったりしてる。

流石に可哀相だから止めたのだけど、未亜が一番最後まで抵抗した。

「ふわふわのレウィちゃん…」

「未亜…?」

「はーい…」

お気に入りのラグでグッタリしてるから、たぶんあのまま寝ちゃうだろうな…。

しょんぼりした未亜はリアとお風呂へ向かった。


ティアねえ様とシエルはお狐様の名付けをすると言って張り切ってるけど、なかなか決まらないのかウンウン唸ってる。名付けって大変だよね?

悩むのが私だけじゃないって分かって安心したよ…。 (ママは多分あと二人くらい名前つけなきゃだよ?)

師匠の世界をお願いした精霊と、フィアの遊び場の精霊かな? (そう!)

…私も今から考えておくか。


うーーん…やっぱり樹の精霊だから、それ関連で…御神木にもなってるケヤキからもらうか。

ニレと、ツキ。とかどうだろう… (ごしんぼく?)

大きく成長した事で、神様や精霊が宿ってると言われる樹だね。いくつか種類があるけど、私が知ってるのはケヤキやクスノキ。

ケヤキの別名が、ニレやツキって言うの。 (へぇーリコみたい!)

そうだね。近いかもしれない…。 (早く教えてあげなきゃ)

うん。気に入ってくれるといいけど。


「よしっ! 君の名前は…うどん!」

ゴッ……… (ママ、大丈夫?すっごい音でテーブルに頭ぶつけたけど…)

大丈夫…痛くはないから。ただ…あまりの事にね? (でもお狐様は嬉しそうだよ?)

そうなの? あぁ…光ってるわー。って事はティアねえ様と契約成立したのね。 (ぽいの)

お狐様とうどん。 それもう、きつねうどんじゃん…。 (きつねうどん?)

出汁で食べるうどんに、甘いお揚げを載せたものをそう呼ぶのよ。 天かすなら、たぬきうどんとかね。 (美味しそう…)

じゃあ今度作ってあげるね。 (わーい!)


シエルは…大丈夫よね?せめて食べ物からは離れてほしいなぁ。

「……あなたの名前は、ぼたん! …いやかな?」

シエルらしいと言えばらしいなぁ…。服のボタンよね多分。花の牡丹じゃなくて…。

シエルの方も光ったから契約成立したみたい。

うどんにぼたんか。まぁ可愛い…かな? (嬉しそうだし)

そうだね。


「アスカー! ステータス見てほしいー」

「うちも…お願いしますの」

「いいよー」

二人を魔力ドームで包んで鑑定。

やっぱり正式に契約したことで、炎系のステータスが更に上がってるね。

狐憑きだった称号が、うどんの友と、ぼたんの友に変わったな。契約が対等になったって事かな?

それにしてもうどんの友って。ダメだ…笑ったらだめだ私! 耐えろー。 (ぷくく…)

コホンッ…。 えっと、スキルの狐火はそのままか…。


わかったことを二人に伝える。

「友達になったって事だね! よろしくねーうどん!」

嬉しそうにしてるわー。真っ白いうどんがー。 (もう無理! あははっ!)

「ティーはどうして笑い転げてるの?」

「なんでもないよ…」

ティアねえ様にきつねうどんの事を伝えるべきか、そこが問題だ…。 (はぁ…はぁ…)


「ぼたんちゃん、よろしくなの…」

こっちも嬉しそうにしてる。シエルの周りをクルクルと回ってるから。


「狐火のスキルの使い方はわかった?」

「はい、お姉様。…ぼたんちゃんが炎をまとって戦ってくれるって。後は…」

「松明みたいに灯りになってくれるって!」

「そうなんだ。まさに狐火だね。 明日、リア達と地下で魔法の訓練をするつもりだから、その時に確認しよう」

「はいなの…」

「たのしみー。 ねぇアスカ!」

「うん?」

「今度きつねうどん作ってね?この子にも食べさせてあげたいから」

「ぶふっ…」 (あはははっ!!)

「ちょっと!?アスカ?」

「ごめ…いや、知っててその名前にしたの!?」

「当然! お惣菜コーナーで見て美味しそうだったから」

「そ、そう…お狐様は食べたらだめだよ?」

「食べないよ! ほらこの子、真っ白だけど、耳の先と、尻尾の先だけ金色なの」

「それがきつねうどんのお揚げみたいってこと?」

「当り!」

なるほどなぁ。そう聞いたら納得…かも?


「ぼたんちゃんも…。ほら、お姉様みて…」

「うん? あ…胸に模様があるんだ。確かにぼたんみたい」

「なの…だから、ぼたんちゃん」

二人ともしっかり考えてたんだ。笑ってごめん…。 (ごめんなさい…でもあれはズルい!)


お風呂からでたリアが部屋へ戻ってきて、決まった名前のお披露目。

「ねえ様は相変わらず食いしん坊よね。まぁかわいいけど…シエルのぼたんもかわいいわよ?」

すんなり受け入れたなぁ。

「リアはやっぱり姿は見えない?」

「ええ。光の玉にしか見えないわ…」

それは残念。リコの言ってたように性格が影響しているのなら難しいね。

私は今のままのリアが好きだし…。 (ほぉー)

なによ? (リアが聞いたら喜びそうだなぁーって)

恥ずかしいから言わないよ。


「リア、明日は一緒に魔法の訓練しようね?」

「ほんと!? 未亜とも相談したのだけど、教えて欲しいもの決めてあるから!」

「わかったよ。私にわかることかな?」

「もちろんよ! いつもアスカが使ってるし」

「学校からなるべく早く帰るようにするから、待っててね」

「ええ! 未亜にも教えてくるわ!」

そう言うとリアは部屋を出ていった。


私がいつも使うって言うと、魔力ドーム…は、ある程度教えたよね? (魔法防壁?)

あぁ〜。それも使うね。 (後は、氷の魔法?)

普通の魔法は二人とも使えてるから、魔法防壁かもしれないね。

身を守れるから覚えておいて損はないし、いいかも。 (うん!)

ティーは、ユウキと模擬戦でもする? (じゃー、専用の剣欲しいの)

約束してたものね、ちょうどいいし相談しようか。 (やった!)


こんなのがいい、とかある? (刀がいい! ユウキのかっこよかったし。それでね、二本欲しいの)

ふむ…確かに使いこなしてたね。 (ママも二刀流だから!)

そうだね、私も師匠の影響だけど。 じゃあ、ティーの扱いやすい長さって言うと、取り回しのしやすい長脇差にしようか。 (うん!)

ユウキのみたいに斬撃飛ばしたいんだよね? (うんうん! 絶対かっこいいの!)

刀身と、波紋の色は? (んー刀は普通で、波紋は紫!)

りょーかい。鞘には希望ある? (腰の後ろに着けたいから左右から抜けるようにしてほしいの)

じゃあ、帯刀ベルトを作るか。 (ホルスタイン?)

それは牛。ホルスターかな? (それかも!)


刀身は魔力の流れやすいファンタジー金属のミスリル。そのままだと刀には柔らかすぎるから更に圧をかけて作る。硬さと粘り強さを両立させて…。

鑑定するともうミスリルじゃなくなってるんだけども… (アスリル?)

それは私が作ってるから? (そう!)

ならこの金属の名前はそれでいっか…。

同じように圧をかけて超高硬度にした紫色の魔石と併せて…。

長脇差って一尺八寸くらいだったっけ。

てことは…55センチちょいくらいか…。

取り敢えず刀身は魔力ドーム内でアスリルと魔石をこねくり回して完成。 (はやっー)

叩いて伸ばして鍛えるっていう本来の刀とは違うからねー。

私のはなんちゃって刀でしかないから。刀鍛冶の人が見たら怒っちゃうね…。 (ママのは魔剣だし)


柄紐は何色がいい? (紫色!)

木材を芯にして、黒い魔獣の革を巻き、紫の柄紐を巻いてゆく。 (どこで覚えたの?)

刀を作ってる動画。 (ほぇー)


装飾類…目貫や柄頭等は以前購入したものを使うね。 (どこで買ったの…)

骨董市。近くで年に数回やっててね…色々見て回ってたから。いくつかあるから選んで? (んーコレってセット?)

そうだね。 (じゃあコレとコレ!)

ティーが選んだのは動物モチーフのセット。干支シリーズだっけか…。

確かレアなのがあるぞって見せてくれたのそのまま買った。

当時の日本では馴染みのない動物がモチーフなのはレアなんだとか。 (いいの…?)

うん。大切にしてくれるならそれで。 (約束するの!)


それら細かい部品を組み込んでゆく。 (キレー!)

だよね。刀ってこういう部品一つ一つにも独特の魅力があるんだよなぁ。

鍔はどうする? (それもある?)

うん。でも希望があるなら作ってもいいけど…。 (ドラゴンモチーフがいい!)

わかったよ。ドラゴンがしっぽを咥えて丸まってる感じでいいかな。 (うん!)


作ったはいいけど…アルマジロトカゲみたいになったな…。 (かわいいの!)

ならいっか。鞘は? (ママとティーの髪色みたいなのがいい)

銀色か…わかったよ。 


完成した二振りの刀。短いから反りは浅め。

帯刀ベルトはティーに合わせつつ作成。腰の後ろで刀が✕になるように固定させる。

鞘に魔力を流せば、すぐにベルトから外せるようにしておくね。 (はーい!)

よしっ! どう? (思ったほど重たくない!)


「何してるのよ…ちょっと部屋を開けてる間に、また凄いことしてるわね」

「うん…私はずっと見てたけど、ここまであっという間なんだよー」

「お姉様すごい…」

集中してて見られてるの気が付かなかった…。


「ティーには私の剣を貸してただけだから。専用のを作る約束してたの。ティーはユウキと近接戦闘の訓練をするからね」

「それにしたって、こだわりが凄いわ…妖しい魅力があるもの」

「妖刀…かっこいい! いいなぁ。武士みたい!」

そういえばティアねえ様は時代劇好きなんだっけ…? (うん! 欠かさず見てる!)


「みんなは武器類は使わないけど…欲しい?」

「「「欲しい!」」」

「じゃあ、護身用って感じに短刀を作ろうか…多分未亜も欲しがるよね?」

「それはそうよ…レウィはどうなのかしら、流石に持てないわよね」

「だねぇ…なんとか持てたとしても扱えないと思う、一応起きてる時に聞いてみるよ」

「そうしてあげてほしいわ」

リアが未亜も呼びに行って、それぞれの希望を聞きつつ四振りの短刀を作った。

それぞれ波紋は好きな色で…。


ティアねえ様は、波紋、柄紐が薄緑。鞘は銀色。

リアが波紋と柄紐が蒼色、鞘は同じく銀色。

未亜は波紋、柄紐が、桜色。鞘は銀色。

シエルのは、波紋と柄紐が濃い緑色で、こちらも鞘は銀色。

「こっちにいる時は、外出する時に持ち歩かないようにね。マジックバッグに入れておくなら出さない事。これだけは約束してね」

「護身用なのに意味ないじゃない…」

「うん、申し訳ないけどそういうルールなの」 (ティーも…?)

そうだね、特にティーのは長いから。 (仕舞っておけばへいき?)

マジックバッグから出さないならいいよ。 (はーい!)

未亜もリア達に説明してくれて、なんとか納得してもらった。


「扱い方は明日教えるから、それまでは仕舞っておいてね。刃物は危ないから」

アクセサリーを貰ったみたいに喜んでくれてるからちょっと心配になる。

安全対策がしてあるとはいえ、武器だから扱い方だけは徹底させよう…。







昨日の投稿を予約時間間違えてました…。

スミマセン。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ