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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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お狐様と



”本来ならば自分達で気がついてほしかったが…旨いものを振る舞ってもらって礼をせんでは主様に顔向けができぬ…ヒントくらいはやろう“

「ありがとうございます」

”そうさな…お前達も一人ひとり持っておろう?大切なものを…。皆と相談して答えを見つけるとよい“

「はい…」


どうやらお狐様との会話は私とティーにしか聞こえていないようなので、今のやり取りをそのままみんなへ伝える。

「一人ひとり持ってる大切なもの…」

「命…?」

「まぁそれもそうだね」 (ママはわかった?)

うん。多分あってると思う。リコにもあげた”名前”だと思うから。 (あぁ!)

”それで合うておる。ならば見守れ。本人達が気がつくのが一番いい“

「わかりました」

”声に出さずとも聞こえる“

はい…。


「アスカわかったの!?」

「あっ…いや、今のはお狐様に返事をしただけだよ」

「なんだー。でも…わかってそうだよね?」

「お姉様…?」

「……」

「たまにはママに頼らずに答えを出さないとダメなの!」

「む…そうだね。 私とこの子の事だし。うん! がんばるよー」

「わかったの…!」

ありがとうティー。 (ふふー)

”不思議なものじゃの…さすが………から力の一端を授けられただけの事はある“

えっ…どういう事ですか!? しかも聞き取れなかった…

”それは仕方ない。 あまり気にするな、今までのように大切にしてやるがよい“

はい! それは絶対に。 (……?)

ティーの力、強制力…なんで気が付かなかったんだろう。そんなの神様みたいな存在しか与えることできないよ…。 (でも、ティーはティーだよ…?違うの…?)

そうだよ。ティーは私の子! 大切な私の子だよ! それだけは何があっても揺るがないから。 (うんっ!)

”それでよい。大切にしている限り失うことは無かろうて“

はいっ!


「自分達で考えるとは言ったけど、目の前で抱き合ったりされると気が散るよー」

「何してんのさ姉ちゃんは…ヒントくれないならせめて邪魔しないでよ」

「ごめん…」

”くっくっくっ…“

笑われちゃったよ…。


”ならば我らも此方で少し話をするか…例のリコとやらに会わせてくれんか?“

わかりました。

みんなから少し離れてリコを呼ぶ。

「リコおいで…」

魔法陣からぴょこっと出てくるリコ。

「ママ? 何ここ…すごい力に溢れてる…」

”お主がリコか?“

「誰よ。ママがくれた大切な名前を気安く呼ばないで…って…炎の最上位クラス…?」

”ちと違うが…まぁそれでよい。少し話をしたくてな?“

「いいわよ。私も此方の事を聞きたかったから」

それからの会話は聞き取れなかった。きっと精霊達にだけ聞こえる声で会話してたりするのかもしれない。



うちの子達はまだ悩んでる様子。

ヒントかぁ…。何かいい方法ないかな? (んー簡単すぎて逆にヒント出すの難しい?)

答えがわかっちゃうとね…。

「アスカー!」

「ティーにそう呼ばれるのって…初めて会話した時以来じゃない?」

「今はママだから!」

「…………そうか! 名前だ!」

「なるほど! 確かに一人ずつ持ってる大切な物だね。お姉ちゃんはアスカ…私は未亜」

「王妃様は二つあったわよ?」

「それは例外だよ…ルナリアは変なとこで突っかかるよな?」

「言えてるー! 昔からこの子、屁理屈こねてばかりで素直じゃないから!」

「煩いわね! 事実じゃない!」

「ケンカはダメなの…ここ神聖な場所…」

「アスカだってここで暴れたんでしょ?」

「あれは…お社守るためだし。ホント、痛いとこつくな…」


”言われておるぞ?確かに大立ち回りしておったからなぁ…“

すみません…。

”よいよい。感謝しておるくらいじゃ…あんな事、主様に知れておったら、あの小童どもエライ目に負うとるわ“

神主様や、親に怒られたくらいで済んでよかった…。

”そういうことじゃな“



「取り敢えずルナリアは置いといて本題に戻すよ? 多分だけど、名前をつけてあげるってことだと思う」

”大正解じゃな。それにしてもルナリアとやらは面白いの…からかいがいがありそうじゃ…”

すみません…可哀相なので止めていただけると…。

”冗談じゃて。声も聞こえとらんし、そんな暇ではないわ”


「きぃー! ユウキ、後で覚えてなさい!」

確かにリアクションは面白いけど…。 (ママもひどい…)

”くくっ…”

「はいはい。わかったから…」

「この子に名前をつけてあげればいいの?」

「うん。だよね?姉ちゃん」

「そうだね。お狐様からも大正解って太鼓判もらったよ」

「ほらね?」

ドヤ顔のユウキがカンに触ったのかリアがぺしぺしと叩いてる。

本気じゃなく戯れてるだけだからいいけど。


「落ち着きがでれば、あの子も精霊が見えるかもしれないのに…難しそうね」

「そうなの?リコ」

「ええ。だって…姉と同じ血が流れてるのだから、差はあれど適正はあるはずよ?」

”あれは…難しいじゃろうて。それにあのままのが…くくっ…”

「そうね…血としては適正があっても性格でかき消してる感じ」

リア…。 (なんかかわいそ…)

まぁ、リアは私が鍛えてあげる約束だし。


”程々にな…精神を超える力は身を滅ぼす。お前もゆめゆめ忘れぬことじゃ”

はい。肝に銘じておきます…。

”既にやらかしておるから、言うておる”

はい…すみません。

”事情は汲むが…繰り返されると我も庇えなくなるからな”

本当に申し訳ありません…。

”くくっ…まぁ、負の感情で動かぬ限りは大丈夫じゃ…護りたい、助けたいという想いは尊きもの。その優しさを忘れぬことじゃな”

はい…

「ママなにしたのよ…こっちでもやらかしてるの?」

”そうなんじゃよ…我の任されておる守護範囲で訳のわからん力を感じた時は飛び上がったわ”

リコにまでやらかしたとか言われてるんだけど…。 (まぁ…うん…)

気をつけます…。 (だね!)


ティアねえ様とシエルは、ゆっくり名前を考えてつけてあげたいって言うから、お狐様に挨拶をしてお暇した。

リコは時間の許す限り、お狐様と話をしてから帰ると言っていたので神社に置いてきた。


お散歩が途中になってしまって、つまらなさそうにしてたレウィの為にも、お散歩を再開。

またモールへ向かう。神社からだとスーパーより近いし、夕飯のお買い物とかしなきゃだからね。


モールのペットコーナーでは、トリミングの割引をしてたからお買い物の間にしてもらう事にした。

レウィは目一杯小さくなってても大型犬サイズだから、お店の人が少し怯えてたけど、しっかり言うことを聞く姿を見せたら安心して引き受けてくれた。 (ついにトリミングまで…)

ふわふわになって帰ってくるよ! (フェンリルのプライドどこに置いてきたんだろう)

レウィは強いからこそ、細かい事を気にしないんじゃないかな? (ママみたいに?)

私はどうだろう…。ユウキ達に言わせたら抜けてるだけらしいし。 (ママらしい…)

……いいけどね。


今回は纏めて数日分のお買い物をして、みんなで買い物袋を抱えて帰ることになった。

死角でストレージに仕舞えただけマシだよね。

たくさん買った理由? そんなの一つだよ。特売日だったから!! (プロの主婦…)








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