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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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フィアの楽しみ



そろそろドラゴン達も起きてるよー。ってティアねえ様に言われて、ドラゴン姉妹二人とティーをつれて、里へ転移してきた。


「随分と久しぶりな気もするよー」

「ティアねえ様はフィアの名前をつけた時以来かな」

「うん、人化出来たってのもアスカから聞いただけだからね」

「帰ろうとしない、ねえ様が悪いわよ」

「私は王国で仕事もあったし、距離もあるから簡単には来れないよー」

そうだよなぁ。今は長老様が滞在してるから自由にできてるだけって言ってたし。 (一人は居ないし、一人はギルドで無双してるよ?)

そういえばそんな話だったな…。でも王国に一人居るなら良いんじゃない? (かなぁ)


「おねーちゃーーーーん!」

「フィアがきたのー!」

元気に走ってくるのが見える。魔力隠蔽してても、繋がってるフィアには関係ないみたいだね。

でも…思ったほど変わってない? (ある程度からは成長速度が落ち着くから)

幼い時だけは成長が早いんだっけか。 

今回はリアが前に出て迎えに行った事で、フィアもリアへ飛びついた。

「おねーちゃんたち、ちっともこなかった!」

「ごめんね、フィア。色々忙しかったのよ…」

ごめんリア…私のせいで。


「フィア、私はわかる?」

「ティアおねーちゃん! すっごくひさしぶり!」

「うっ…ごめんよー。お仕事がいそがしかったんだよー」

「おしごと?」

リアも気を利かせたのかフィアをティアねえ様へ渡す。

フィアを抱いたティアねえ様は、お仕事がどんなものか簡単に説明をしてる。


「へぇーティアおねーちゃんすごい!」

「そうでしょ?頑張ってたんだよー」

「えらいえらいー」

フィアに撫ぜられて苦笑いしつつも嬉しそう。


「おねーちゃんとティーもひさしぶりー!」

「そうだね、なかなか来れなくてごめんね…」

「ママも色々お仕事だったの!」

ティアねえ様からフィアを受け取ると、フィアは私も撫ぜてくれた。

「おねーちゃんもえらいー」

「ありがとうフィア。フィアもいい子にしてた?」

「うん! フィアはいつもいいこ!」

話し方も前よりしっかりして、幼さも少し抜けた感じがするな。 (カタカナを使い出した!)

またメタいことを…。 


下ろしてあげたフィアはティーと手を繋いで、前を歩いて自宅へ案内してくれるらしい。

「リアがあれくらいの時はハーフ化さえもできなくて、ドラゴン姿のまま暴れまわってたのに…」

「…ねえ様、そういうのは言わないでよ! 私にも姉のプライドがあるのよ?」

「ごめんよー、なんだか懐かしくて…」

小さい時のリアかぁ…可愛かったんだろうね。 (ヤンチャそう…)

それは…そうかも。暴れまわったとか言ってたし。


リア達の実家でルナシアさんにも挨拶をして、しばらくはこちらでのんびりできる。

ドラゴライナ王国でのお手伝いが要らないって言われてしまったから急いで帰る必要もなくなったし。

ユウキたちは街へ行くって言ってたから追加でお金を渡してある。



リビングのソファーに座り、地球のお菓子を出してあげる。

ティーはドラゴライナで買ったおもちゃのドラゴンをフィアに渡して遊び方を教えてる。

「リアに似てるんだよー?」

「リアおねーちゃん? おー! とんだー!」

室内を回って飛ぶ小さなドラゴンをフィアは追いかけて走り、一緒に戻ってきて降りてきたところをキャッチ。

「ありがとうティー! これスゴイ!」

「ふふー」

二人のやり取りを姉二人も微笑ましく見てる。

可愛いもんね、二人とも。


小さなドラゴンのおもちゃを抱えたフィアはソファーへ座ると、色々と話を聞かせてくれた。

今はドラゴンの里の中を探検して回るのがブームらしい。

「ちょうろーさまのとこいったらフルーツもらったの! あとねーいっぱい、まじゅーがいたからバーンってたおしてあげたら、おじさんないてた」

それってあれかな?魔獣博物館みたいな自宅にしたドラゴンの…。 (うん。ぜんぶ倒してまわってたの…)

マジかぁ…。それは少し同情してしまうな。 (怒るに怒れなくて、泣いてた)


「あとねーひみつきちつくった!」

「いいわねー。私は入れてくれるかしら?」

「んーリアおねーちゃんたちならいいよ!」

「それは嬉しいよー。どんなところー?」

「んとーおおきなあな!」

「穴? まさか洞窟…?ねえ様、もしかして…」

「うん…。 アスカ、里のみんなの洞窟って改装して人の街のようにしたんだよね?」

「そうだね…倒したって言ってる魔獣もその一ヶ所みたい」

「あぁ…アソコかぁ。 ってそこはいいんだよどーでも! 改装してないところは?」

どーでもって…それは流石に可哀想では?


「えっと…フレアベルナさんと、ノワルレイナさんの所だね。コチラにいないから手を出せなくて」

「多分そこだよ…」

「どういう事?」

「この里にはドラゴン達が自分で掘って自宅にしてる洞窟しかないのよ。フィアが秘密基地にしてるのは多分…」

「そのどちらかってこと?」

「確認しないと断言はできないけど…」

長老様の自宅が…。 (あれそうだったのかー色々運び込んでたよ?)


「ねえ様、確認しないと!」

「そうだね。 フィア、今からその秘密基地に案内してくれる?」

「いいよー! すごいものいーっぱいあつめたの!」

リアとティアねえ様は頭を抱えてる。確かに長老様の自宅だったとしたら不味いね。


「かあ様にバレないうちに私達で何とかしたほうがいいわよね?」

「だねぇ…。多分卒倒するよ、かあ様。 アスカも力を貸してくれる?」

「それは勿論構わないよ」

キッチンで肉の塊をブレスで焼いてるルナシアさんにバレないように外へ出て、フィアに案内されて秘密基地へ向かう。


「ひろいから、いっぱいしまえるの!」

フィアがすごく楽しそうだから、長老様の家だったとして取り上げるのが忍びない…。


「こっちって…ノワルレイナ様の洞窟よね」

「やっばいなぁ…怒ると怖いよ?」

「知ってるわよ! でも私達の妹だもの。守らなきゃ…」

「うん…」

ノワルレイナさんって、ぱっと見は怖かったけど、大人しい雰囲気の人だったような…?



ルンルンで歩くフィアについていって到着した洞窟を見て、リアとティアねえ様が崩れ落ちた。

「やっぱりだわ…」

「不味いよこれ…」

ティー、フィアは何を仕舞ってるの? (例のバーンした魔獣の一部とか、気に入った石、枝、色々拾い集めたもの)

そっかぁ…。


「フィア、ここはどうやって見つけたの?」

「たんけんしてたらみつけたー!」

「そうなんだね。でもここも長老様のお家なんだよ」

「えー?でもだれもいなくてーただのあなだよ?」

まさかフィアは、家=私の改装した人の街風な内装になってるもの、って認識してる? (ぽい…)


「長老様達は今お仕事で街へ行ってるから…ここは使ったらダメなんだよ」

「やー! フィアがみつけたの!」

これは本当に申し訳ない…私のせいでもあるし。こうなったら…。


「フィア、ここをちゃんと長老様に返してくれるなら、私がフィアの為だけに秘密基地を作ってあげる」

「…ここよりかっこいいの?」

「そうだよー?フィアが喜ぶのを作ってあげる」 

「わかった! ここはぽいってする!」

捨てられた長老様の家…。 (ぶふっ…)


「ティアねえ様、フィアの秘密基地を作っても大丈夫なところ無いかな?狭くてもなんとかなるから」

「え…?そうだね、それなら…」

「ねえ様、長老様に一応許可取らないとダメじゃないかしら」 

「だよね、私は話を通してくるから、リアはあの場所へ案内しておいて」

「わかったわ…ちょっと懐かしいわね」

「うん、あそこならまず許可は取れると思うし」

「そうよね」

二人にも秘密基地みたいな場所があったのかな。



長老様に許可を取りに行くティアねえ様と別れて、リアに案内されてたどり着いたのは、里の外れ…大きな木が数本立ってる場所だった。

「リア、ここは?」

「私とねえ様が小さい時に遊び場にしてたのよ…というか、里の仔ドラゴンの遊び場って言ったほうがいいかしら」

公園みたいなものなのかな…。遊具とかがある訳ではないけれど。


「フィアここしらない! すごーい!」

フィアは気に入ったのか木の周りを走り回ってる。 (ティーはフィアを見とく!)

お願いするよ。

「ここは幼いドラゴンが代々遊び場にしてるのよ…本来なら私かねえ様が連れてきてあげなきゃいけなかったのだけど、忘れてたわ…」


走り回るフィアとティーを眺めてたらティアねえ様が戻って来た。

「許可取れたよー。好きにして大丈夫!」

「よかったわ。アスカ、お願い…」

「わかったよ。二人にも協力してもらうね。どんなのがいいか相談しよう」

「そうね…フィアの安全も考えないといけないし」

「だね、楽しめるようにしてあげないと!」








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