表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/770

弟子入り希望者は…あの人



ユリネさんを撃退し、魔道具の性能が確認された事を王妃様に報告した方がいいよね。

調整したことも伝えておかないと…。

またテーブルに倒れちゃうかな。でもあのままはちょっと危険だったし。


「ユリネさん、王妃様に取り次いでもらえますか?お忙しそうなら時間できた時で大丈夫なので」

「わかりました、確認してまいります」


後は王妃様にユウキ達を連れてくることの最終確認だけして…。

家に帰らなきゃなぁ。

向こうを出てすぐの時間に戻るのもなんか悔しい。

時間指定出来るように改良してあるから、帰るにしても夜に指定すればいっか。


後は転移の為、本当に未亜ちゃんとユウキが抵抗なく魔力循環を受け入れてくれるかだけど…。




バーーン!

っびくぅ


もう! 毎回ですか! 今度からお城の中でも探索かけとこ…。

びっくりする。


「アスカちゃん、お待たせ」

「いえ、お忙しいのにすみません…」


いつものテーブル席へ座って話をする。

ちょうど部屋の真ん中くらいにあるから自然とここになるんだよね。

壁際にソファーとかもあるんだけど…。


「あの…お仕事増やしてごめんなさい」

「ギルドの?それは逆に現状を知れて良かったわ。感謝してるくらいよ」

「そうなんですか?」

「えぇ、アスカちゃんにちょっかい出した冒険者ね、ちょっと調べただけでホコリが出るわ出るわで」

そんなばっちぃのか…確かにむさ苦しかったけど。


「ギルドマスターも証拠を集めてる途中だったみたい。あと少しってとこで緊急事態の為にギルドを離れなきゃいけなかったみたいでね。まぁあの冒険者達は今回ので言い逃れできないわね」

ギルドマスターしっかりお仕事してたんだね。タイミング悪かったなぁ。


「じゃあギルドの職員さん達は…」

「流石何もお咎め無しって事にはできないから、厳重注意と指導、教育の徹底ね」

酷い事にならなかったみたいで良かった。

私にも責任あるから心配だったよ…。


「捕まった冒険者達は…?」

「聞きたい?」

ニッコリ笑う王妃様を見てなんか聞かない方がいい気がして首を振る。




「それより、なにか用事だったんじゃない?」

「そうでした、弟達を連れてくるのは本当に大丈夫ですか?」

「うん、問題ないわよ。陛下に話も通してあるから」

仕事が早い。忙しかったはずなのに。


「ありがとうございます。それとさっき頂いた魔道具ですがちゃんと起動しました」

「え?誰かアスカちゃんに手を出したの!?」

「はい、ユリネさんが痺れました」

「本当にあの子なにやってるの!?」

それは私が聞きたい。スキンシップが過剰なんです…。


「それでどれくらいで麻痺が切れるか知りたくて解析したんですけど…」

「……アスカちゃん。ブレスレット一度見せてもらえる?」

あれ?バターンってならなかった。

あ、いや、良かったのか。


「わかりました」

手首から外したブレスレットを王妃様に手渡す。


「……………」

どうしたんだろう?解析かけながら王妃様が難しい顔になる。

やっぱり勝手に触ったらマズかったのかな…。



「アスカちゃん…。弟子にしてください」

「??ふぇ?」

今王妃様なんて言った?王妃様が弟子…?誰の?


「何この無駄のないキレイな術式…。私が書き込んだものの何倍複雑なの?なのに、魔力の消費は…ほとんど無い!?どうしたらこんな…」

えーっと?


「しかも…この辺は理解すらできない。ねぇアスカちゃん、ここの術式ってなに?」

ん?どこだろう?


「あぁ〜他人が触れようとしたら麻痺する場所の指定です。元のままだと、それこそ後ろから肩を叩いて呼び止めようとしただけで麻痺しますから」


「そうなの!?」

「なので私が他人に触れられたくないって場所を指定してあります」

「そんなことできるんだ…」

全くスキンシップできないのも寂しいからね。


「じゃあこれは?」

「えーっと…それは除外する相手の指定ですね」

「…え?」

え?


「私の魔力波長から読み取って一定の信頼のある相手ならどこに触れても麻痺しません」

「アスカちゃんが規格外なのは理解してたけど、ここまでとは…」

魔道具を作るのは得意だもん。それで魔族を発展させて復興させたんだから。


「やっぱり弟子にしてください」

そう言って頭を下げる王妃様に私は慌ててしまう。

「頭を下げたりしないでください! 私でわかることならお伝えしますから…」

「ほんと!?約束よ?」

「はい。よければ魔刻刀の作り方も」

別に減るものでもないし、知りたいって人に伝えるのも悪くないよね。


「魔刻刀ってなに?」

「えっと、刃物出しますけど大丈夫ですか?」

「ええ。そんな事確認しなくてもアスカちゃんを信じてるわよ」

そう言って、ふふふって笑う王妃様はなんかいつもより無邪気で楽しそうに見えた。


「これです。私はこれを使って魔石に術式を彫り込んでます」

ストレージから取り出した魔刻刀を王妃様に手渡す。


「初めて見たわ」

「王妃様はどうやって魔石に術式を? あ、秘術とかで答えられないなら大丈夫ですから」

「平気よ。 専用のペン先に魔力集中させて書き込んでるのよ。そもそも魔石に彫り込むってことが出来ないの」

そういえば王妃様にもらった魔道具の術式は薄かったね。彫り直すのにも手間がなかった。


「でしたら、それを下書きにして魔刻刀で彫り込むと効果が跳ね上がります。

魔石を無駄なく使えるので、小型化出来ますよ。私のしてるピアスみたいに」

「それ魔道具だったの!?」

ピアスも王妃様に渡して見てもらう。


「なぁにこれぇ…このサイズにいくつ書き込んであるの…。と言うかアスカちゃんなら性別書き換えてしまった魔法陣解析できるんじゃ…?」

もちろん私も召喚された直後に確認だけはしたよ。 

でも無理だった。


「召喚された時に私も一応確認したのですが…。痕跡だけではなんとも。

魔法陣は魔道具程詳しくないんです」

「そっかー。アスカちゃんでも無理だったのね」

私より王妃様や王子のが詳しいでしょう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ