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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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おかえり。



今日からはまた学校。一応学生だし…。

私達のお弁当と、お留守番してくれる子達への昼食も用意して家を出る。

もちろん、ユウキ、未亜と一緒に登校。

なんだけど…

「姉ちゃん、悪かったって…まだ拗ねてるの?」

昨日ユウキに酷いことを言われてから少しね…。 (ご立腹ー)

怒ってはないけど…。

「だって… ユウキが絶交とか言うから」

「だから、姉ちゃんが勝手な事しなければしないって」

「しないよ! みんなにも散々言われたんだから。監視にティーがついてるし…」 (じぃーー)

何も言わずに行ったりしないから! (絶対?)

うん、絶対。ピアスも付けてるでしょ? (でも、しばらくはこのままなのー)

なんでっ!?家から出たら召喚される事もないのに… (心配してるみんなの要望?)

そうなのね…。


「お姉ちゃんって時々本気で無茶するから心配だよ…」

「だよなぁ。ティーの監視はある意味妥当だよな」

弟と妹からの評価があんまりだ…。 (身に覚えは?) 

あるけども… (じゃあ仕方ないの)

ごもっともです。



「おっはよー! 今日も相変わらずの仲良しだねー」

「奈々…。 おはよう」

「おはようございます先輩」

「おはようございます。ユウキ君、行くよー」

「待って、未亜姉ちゃん! 服引っ張らなくても行くからー」

未亜に急かされてユウキも先に行ってしまった。


「気を使わせちゃったかな?」

「かな、一応事情は話してあるし…」

「へぇーなんて?」

「奈々が怪我で入院してたって」

「それだけー?」

「他に何かある?」

「ううん。それよりー、復活した親友になにかないのー?」

「ここでいいの?」

「問題ある?」

奈々を思いっきり抱きしめる。

「わわっ…そうきたかぁ」

「よかった…無事で。本当によかったよ…おかえり、奈々」

「うん…ただいま」

周りが少し騒がしいけど、そんな事どうでもいい…。


「また騒ぎになるよ?いいのー?」

「いい」

「そっかー」

「うん」

暫くそのまま抱きしめてたけど、いつまでもこうしてる訳にもいかない。

いつもよりも口数の少ない奈々と、のんびり学校まで歩いた。


教室には当然、麻帆もいて…

「奈々!」

「うわっと…今日は私モテモテじゃんー。明日は槍でも降るか?」

「ごめん、奈々。 私のせいで…」

「ん?何がー?」

「なにがって!」

「あれはバカな自転車のせいでしょ! 麻帆は悪くない。だよねアスカ?」

「うん。自転車に乗りながらスマホ触ってるのが悪いよ。麻帆のせいじゃない」

「ほらー! だから麻帆は悪くない」

「うん…ありがとう」

学校では奈々ってどういう扱いなんだろ…。 (事故にあって頭を打ったから、暫く意識がなかったけど、意識が戻って検査に異常もないから元気に登校!)

なるほどね…。ありがとうティー。 (どういたましてー!)


「麻帆の事だから退院した直後に家へ突撃したかと思ってたよ」

「したかったわよ! でも、ご家族ともゆっくりしたいかなって、我慢したのよ…」

「麻帆が気を使った!?」

「ちょっとアスカちゃん、それどういう意味?」

「あ、いや…それ多分、麻帆が墓穴掘る事になるからやめた方が…」

「…なんの事かわからないわね」

すっとぼけたよこの子! あんな事しといて…。


「んー?私がいない間に二人が進展してる?」

「進展とか言うな。麻帆が…むーーんー」

「(言わない約束よね?)」

口を塞がれて耳元でマジトーンで言われるとか怖いんだけど! 

頷くしかないし。 なんかつい最近もこんな事があった様な…

別に詳細まで言う気はなかったよ勿論。


「ちょっと、二人でイチャイチャして見せつけるな。いくら麻帆でもアスカは渡さないから!」

「はいはい。ごめんってば…それで、身体は本当に大丈夫なの?」

「もっちろん! ぴんぴんしてるよ!」

そう言って飛び跳ねる奈々。うん、いつも通りの元気な奈々だ。


「そんな事より! 私がいない間に二人に何があったのか、そっちの方が気になるんだけど!」

「別に何もなかったわよ! そうよね?」

ふいっ…

「あっ…」

「まーほー!」

「いや、ちょっと待って奈々! アスカちゃん裏切ったわね!」

私は何も言ってない。ちょっと仕返ししただけだし…。

逃げる麻帆を追いかけて、元気に走り回る奈々が見れて私は満足。 

早々に奈々に捕まった麻帆は何やら問い詰められてたけど、先生が来て解放されてた。

席に座る前に麻帆に一瞬睨まれたけど、それもすぐ笑顔になってたから気持ちは同じなんだろうな。

奈々が元気になってよかった、って。


休み時間の度に二人が私の席に来て、賑やかなのはいつも通り。

私が欲しかった日常がここにある。その為にちょっと無茶はしたけど…。 (あれは仕方ないのー)

ティーには負担かけてごめんね。 (きょよーはんい!)

本当にありがとう…。


お昼は麻帆の指定で、最近常連になりつつある空き教室へ。

「珍しいね?こんな人っ気の無いところでお昼とか」

「最近はいつもここだったから」

「人気のない空き教室…二人きり…。ハッ…そういう事か! 麻帆にアスカを寝取られたー」

「寝取られたとかゆーな!」

「そうよ。話をしてただけよ…奈々のことをね」

「ほんとにー?アスカ、何もされなかった?身体中弄られたりとか…」

いや、なんで知ってる…。


「……麻帆、怒らないから正直に言って」

「はぁ…もう。アスカちゃんが嘘つくの苦手なの忘れてたわ」

私何も言ってないよね!? (無言の肯定…)

そんなぁ…。ごめん麻帆。


お弁当を広げて…当然奈々に取られたけど。わかってたからいい。初めからそのつもりだったし。

「あーアスカの手作りは最高だー! 病院の食事が続いたから有り難みがすごい…」

「それは良かった」

カツサンドを齧りながら泣いてるよ。


「病院のご飯って美味しくないの?」

「いや?普通に美味しいよ」

なんだよそれ…。

「アスカちゃんのは、別格って事よ…。本当に美味しいわコレ」

お詫びを兼ねて麻帆にもあげたんだけど、喜んでくれたなら良かった。 (ママのカツサンドはヤヴァイ)

どうしたの? (ティー達も今食べてるのーちょーうまー!)

そっか。カツが続いたけど。ごめんね。 (んー?すごくおいしいの!)

「…………」

やばっ…麻帆にまた監視されてる!?

「麻帆、そんなに熱い視線をアスカに送って何してるのかなぁ?」

「いや、違うのよ…そういうのじゃなくて! ほら、奈々も聞きたいことあるんじゃないの?アスカちゃんに」

「んー?なにがー?」

「何がって! あんな重症だったのに、元気になってるじゃない! それに、クラスでの話が変わってるのよ?」

「そうなんだー」

「…気にならないの?」

「気になるよ。病院でもいろいろおかしな事になったからね」

「……」

「だけど…私はアスカが話したくないなら聞かない」

「なんでよ! それでいいの!?」

「うん。だって、アスカはアスカだし。天使か神様か…もしそうだとしても私にとってのアスカは何も変わらない」

ごめん…私魔王…。 (ウケる)

確かにもう笑うしかないけど。


「私はイヤよ…気になって仕方がないもの」

「それで襲ったの?」

「あれは不可抗力というか…」

「やっぱり襲ったんだ!! トイレでも大騒ぎしたって聞いたし」

「誘導尋問はズルいわよ…。 ねぇ待って、その話し誰から!?」

「アスカ絡みなら情報なんてすぐ集まるからねー!」

「そうだったわ…ファンクラブ怖い」

それは私も怖いけど…。トイレであれだけ騒げば仕方がない気もする。 


「アスカちゃん、貴女何者なの?」

「やめなよ麻帆ー」

「でも!」

奈々はもっとグイグイ来るかと思った。


「ねぇ、奈々。本当に私の事、聞かなくていいの?」

「うん! ほら、電話でも話したじゃん。夢の中でアスカが助けてくれたって。私にはそれだけで充分」

「……二人が聞きたいって言うなら話すつもりだったけど、そうじゃないなら…」

「私は聞きたいわ。ずっとモヤモヤしてて辛いのよ」

「麻帆は頑固だよねー親友なら信じるだけじゃん」

「……」

親友なら信じるか…。


「午後の授業サボる事になるかもだけどいい?」

「アスカちゃん、話してくれるの?」

「うん、親友だもんね…二人を信じて話すよ」

「マジで!!」

いやめっちゃ食いつくやん奈々…。


「なによ、奈々も聞きたかったんじゃない」

「それはそうだよ…ただ、無理に聞くような事はしたくなかっただけ」

「ありがと、奈々。そう言ってくれたから私も決心したよ」

二人を魔力ドームで包む。行くならどこだろ…。 (ツリーハウス?)

それがいいか…。リコしかいないものね。お城だと迷惑かけそうだし。 (喜びそうだけど!)

魔力だけ隠蔽しておこう。離れててもお祖母ちゃんは気がついちゃうだろうし…。


二人を連れて転移。


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