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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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約束の…



ユウキにシャーラへのプレゼントを作らせるのは失敗に終わった。

「絶対ヤダ! フラグが立つのとか本当にやめて」

ってよく分からない事を言われて、断固拒否されてしまった…。

なので、結局シャーラのも私が作る。

隠密行動が基本のあの子には目立つアクセサリーはご法度だろうから、黒の魔石に三点セットを刻んで黒の革ベルトのチョーカーにした。


流石に魔道具部分は私が作るつもりだったけど、デザインとかくらい考えてあげてほしかったなぁ。

きっと喜んだと思うのに。 (ソウダネー)

私が渡すより絶対に喜ぶのにさ。ユウキは意地悪だよ。 (ウンウン)



魔道具を作るのに少し散らかした部屋の片付けをしていたら未亜が呼びに来た。

「お姉ちゃん、ご飯できたよー! って…お姉ちゃん、また何かしてた?」

「うん、ちょっと魔道具を作ってたよ」

「へぇーそーなんだー?」

な、なに?


「それ、誰に渡すのかなぁ…?」

なんか未亜が怖い!? ジリジリと追い詰められて壁際へ。

「ねぇ? 誰に渡すのかなぁ?」

「ひっ… そ、それは…師匠とか戴冠式のお祝いにメリアさんへ…」

「へぇー。 お姉ちゃんはもう! まったくもうだよ!」

なんで怒られてるの私。 (……お腹空いたの)

ティー助けて? (仕方ないにゃー)


「未亜、お腹空いたのー。折角ママにーって作ったの冷めちゃうー」

「あっ、そうだよ! お姉ちゃんご飯できたから食べよう?」

「う、うん。ありがとう未亜」

ありがとねティー。 (世話の焼けるママなの)

面目ないです…。



リビングではリアとティアねえ様が待ちくたびれてて、また叱られた。

「遅いわよ! 冷めちゃうわ。せっかく私も手伝ったのに」

「そうだよー。頑張ったんだからね」

「ありがとう、ごめんね待たせちゃって」

ユウキを部屋へ呼びに行ってくれてたシエルとレウィも戻ってきて、いただきます。


「未亜、これってドラゴライナのお屋敷で食べたビーフシチューみたいなやつよね?」

「うん! メイドさんに教えてもらったのをこっちの材料で再現したの」

「すごいじゃない。 味も……うん。すごく美味しい」

「よかったぁ。 スキルもだいぶ上がったからね」

「それはおめでとう。将来はきっといい奥さんになるね。旦那さんになる人は幸せだー」 (……)

「「「………」」」

あれ…私変なこと言った? 

「お姉様、どんまい」

「わう?」

シエルに残念な子を見る目をされてる?


「姉ちゃん、さすがにそれは…」

「私、何か悪い事言ったかな!?」

「言ったような違うような…ほんっと鈍いな…」

「いいよ、ユウキ君。今はまだこのままで…」

「未亜姉ちゃんがいいならいいけどさ」

……?


「それよりアスカ! 私との約束覚えてる?」

「うん、デートだよね?ティアねえ様には心配かけちゃったし…」

「そうだよ! リア達には私が話しをつけたから!」

「どこか行きたいところ見つけた?」

「それが、いっぱいありすぎて困ってるの!」

モールやスーパー、遊園地にカラオケ…次から次へと本当にいっぱいだね。

いつの間にそんなに知識を蓄えたの? (雑誌やテレビ!)

まぁ、そうだよね。


「ただ、今回は戴冠式もあるでしょ?」

「そうだね」

うちの子達はみんな付いてくるって言ってたし。


「だから、明日! 学校から帰ってからでいいからモールへ連れてって」

「それだとあまり時間ないよ?」

「お姉ちゃん、明日はルナティアさんと外食してきたらいいよ」

「…今回だけなんだから! ねえ様、ちゃんと帰ってきてよ!」

「わかってるよー。そのまま二人でシケ込んだりしないって!」

また古い言葉を…。 (ルナティアは時代劇がお気に入り)

納得だわ。そのうち武士言葉とか使いだしたらもう笑うしかない。 (大丈夫で候)

やめてよ。本当に笑いそうになったじゃない。 (ふふん) 


「そういう事ならわかったよ。学校からは早めに帰るから」

「うん! 楽しみだよー」

「でも、そうなるとみんなのご飯は?」

「それは大丈夫。私に任せて!」

「ありがとね未亜。何かお土産買ってくるから」

「お土産ー!」

「わう?肉?」

レウィは肉がいいのね…。ペットショップ行くか、骨ガムとかもあるでしょ。 (フェンリルだから!)

そうだけどさ…。 (でも喜びそう)

だよね?


「シエルはあんな風になったらだめだからな?」

「えっと…はい?お兄様…」

シエルにはまた雑誌でも買ってこよう。そろそろ夏物のファション誌がでてくるし。




夜にはまた奈々からメールがあった。

相変わらず元気そうね。今週末には退院出来ると。良かった…。

落ち着いたら快気祝いしたいのね。了解。

それなら、何処かお店でも予約しておくか。

奈々も麻帆も来週の金曜日なら空いてるらしいからその日を空けておいてもらった。

スマホで調べたら、近場に完全予約制で少人数のみっていう隠れ家的なお店があったから電話して予約しておいた。

折角だし、一番いいコース。それくらいのお金は持ってるし…。

二人へのサプライズだ。 お酒は無しだから少し安くなったけどね。

店側へは友達の快気祝いなのと、制服で行くかもしれない事は伝えた。





翌朝、未亜と二人で朝食とお弁当を作る。最近は母さんに任せてたからちょっと久しぶりかも。

お留守番の子達にもお昼ご飯は必要だからね。 (ママのご飯ー♪)



でもって、学校では朝から麻帆によるストーキングが再開されて、気の抜けない一日になった。

「ねぇ、奈々が戻ったら話すから…それやめない?」

「イヤよ。自分の目でも見極めたいの。時々感じてた違和感の正体を!」

麻帆ってこんなに頑固だったっけ。 麻帆の監視がキツイからティーともあまり話せないし。


「…もう降参するから。どうしたらいい?」

「そのままでいいわよ。私が自分で気がつかなきゃ意味がないもの」 

逃げ場なしか! いっそもうボロを出してしまうか…。 (それは危険なの)

むー…。 しばらくはこれに耐えなきゃいけないのね私は。



無駄に疲れて、放課後は急いで帰った。


「ただいまー。 …ティアねえ様はいつからそこで待ってたの?」

玄関開けたらそこに居るんだもんなぁ。 (玄関開けたら2秒でドラゴン)

「んーちょっと前かな!」

それは絶対嘘だ。クッション置いて、ジュースとお菓子もあるし。 (お昼くらいから…)

気が早い!!


「すぐ着替えるから、ティアねえ様もそこを片付けて出かける準備してね?」

「わかったよー!」

私の部屋ではシエルが服を持って待ってた…。うちの子達は連携がすごいな?

シエルから服を受け取り着替える。

「お姉様、ピッタリなの」

「ありがとうシエル。素敵な服だね」

露出は控えめ、ロングスカートなのはありがたい。

「ふふー。楽しんできてなの」

「うん、行ってくるね」


出かける時に、帰ってきた未亜にも会えた。

「未亜、夕飯を任せっきりになるけど、ごめんね」

「大丈夫だよ。 気をつけてね。行ってらっしゃい」

「行ってきます」 (ティーもお留守番!)

みんなの事お願いね。リアとレウィは? (はーい。 んと、地下のリアの部屋) 

珍しい…。 (そういう時もあるの)

「アスカ、早くいくよー!」

「わかったよ」

バスにも乗りたいって事だから、二人でバス停へ向かう。



道路沿いでバスを待ってる間も走る車とかに興味津々。

「不思議だよ、こっちは魔力もないのに、あんな大きなものが動いてる!」

「似たような物を見たことがあるの?」

「グリシア王国に行った時にね。乗り物とかあったよ。ただ見ただけでも解る魔力効率の悪さで…よく使ってるなーってレベルだったけど」

それって魔法学校のある国か。確かアクシリアス王国の国王陛下の姉上が嫁がれたとか言う。

魔法科学みたいなものが発展してるのかな。王妃様も魔導船があったとか言ってたし…。


「あっ、来たよ! アレだよねバス」

「そう。よく知ってるね」

「テレビで見たから。私、記憶力はいいからね!」

ただ、見るのと実際に乗るのは訳が違うみたいで…

「怖い…なにこれ きゃぁっ!」

揺れたり、路面の影響で跳ねたりするのが怖いらしい。

「大丈夫、落ちたりしないし。私が傍にいるから」

「う、うん…」

まさかバスで怯えるとは思わなくて。ジェットコースターで大喜びしてたリアとのギャップが…。

姉妹でも随分違うんだなぁとティアねえ様にしがみつかれながら考えてた。

これは、帰りは歩いたほうがいいかもなぁ。











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