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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第五章

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召喚獣と精霊と



師匠と揉めてる間に、チョコ達が到着。

魔剣士団の騎士達が大騒ぎになって、ユウキとティーが説明してくれて何とか事なきを得た。

私は師匠に後ろから抱えられる形で捕まってて動けなかった…。

性別が変わってから私は少し背が伸びたけど、それでも師匠はさらに高いな。頭にあご乗せられてるし…。


「おい。アスカ説明しろ…なんだよアレ」

「私の召喚獣です」

「それは聞いた」

「じゃあ何を…」

「全部だ全部! 頼むから私にはすべて話してくれ」

「わかりましたから…。取り敢えず離してください。帰り仕度もしましょう?」

「そうだな…しかし、あの人数どうするか…馬車が足りんな」

確かに…。 クッキーの作った氷の檻に入れられて、クッキーが運んできた盗賊。

同じ様に氷で出来た籠でチョコに吊られてきたのは人質の人達かな。

孤児の子たちはチョコの背中ではしゃいでる。


師匠に開放された私はキャンディたちの元へ向かう。

「ますたぁ…誰よあの人〜」

「私の師匠だから失礼のないようにお願いね」

「…ふ〜ん。わかったわ〜。 随時報告していた通り、死者はなし。盗賊に多少の怪我人はいるけど…」

「ありがとう。 それよりキャンディ達は?」

「当然無傷よ〜。でもありがとう〜心配してくれて〜」

「心配するのは当たり前でしょう!  土壌と水質も問題ないのね?」

「ええ。ラムネが地下水脈まで確認してくれたし、チョコも土壌は肥沃だって言ってるわ〜」

「わかったよ。チョコ、ラムネお疲れ様。ありがとね」

「クッキーも大活躍だったわよ〜? アジトも、孤児たちも、見つけたのはクッキーなんだから〜」

「そっかぁ。ありがとね、クッキー。お疲れ様。 キャンディも私の願いどおり気をつけてくれたんだよね?ありがとう」

「…ますたぁのお願いだもの」

みんなそれぞれハグしてあげる。 

「ふわぁ〜やっぱりいいわ〜」



呼べるかな…大丈夫よね?

「リコ、おいで」

「…ママー?呼んだかしらー?」

魔法陣からぴょこっと顔を出すリコ。枝がないとそうなるのね。

「ここの土地を回復させたいんだけど力を貸してもらえる?」

「……………水も土も大丈夫ね」

「うん。それは確認してくれたから間違いないよ」

「私も確認したわ…これなら私達、樹の精霊だけでもなんとかなりそう。前に渡した枝、あれを使って」

「どうしたらいい?」

「地面に挿して、ママが魔力流せばいずれ精霊が産まれるわ。後はその子に任せればいいから。数年もすれば豊かな土地になるはずよ」

「わかった、ありがとねリコ」

「うん。私もしばらく見ておくからやって」

そういう事なら…。 リコがくれた枝を地面に突き刺し、魔力を流す。


「それでいいわ。しばらくすれば精霊が産まれるから後は任せて。ママは忙しいんでしょう?私が時々見に来るから」

「世界が違うけど頻繁に来て大丈夫?」

「ええ、ここに私の枝があるし。 それに…産まれるのは私とママの子供みたいなものだもの」 (また増えた!!)

…子供ばかり増えていくね。 (ばかり、でもない気がするの…)

うん?


「それじゃあ任せるね。何かあったら頼るのよ」

「ええ。でも…精霊に関しては私に任せて」

「わかった」


振り返るとユウキと師匠にガッツリ見られてた。まぁそうだよね?傍に居たし。 (ティーもー)

ティーはいつもそばにいてくれるでしょう? (うん。ふふ〜♪)  

「姉ちゃんが無茶しなかったのは良かったけど…またメチャクチャな事したよね?」

「ユウキ、アスカは何をしたんだ? 何と話してたんだ?」

あぁ、師匠にはリコが見えないのか…。


「姉ちゃんは精霊を呼んで、この土地の回復をお願いしたんです」

「数年でキレイになるって言ってたのー!」

「…アスカ…。なぁ?頼むから早く全部説明してくれ。私は頭がおかしくなりそうだ…」

「わかりました。帰りながら話します。 師匠、皆さんへこの広場に場所を開けるように言ってくれますか?」

「ん?わかった。 おい、お前達! 場所を開けろ! 馬車とかも端へ寄せろー!」

「僕はもう何するかわかった」

「ティーも! またティーに任せて!」

「うん。お願いね」

魔剣士団の人達が場所を開けるのを待って魔力から魔力体をつくり…ドラツーを造る。


「やっぱり…」

「わぁーい! ドラマークツーだぁ!」

「一時的な物だから中は簡素だからね」

「うん!」

ティーは大喜びでドラツー…ドラマークツー?に乗り込んでいった。

そっか、ティーは扉開けれるんだっけ。 (うん!)


「師匠、これで帝都まで帰りましょう。  …師匠?」

「姉ちゃん、この人立ったまま気絶してる」

「嘘でしょ!?あの師匠が!? そんなバカな…」

師匠に触れたらそのまま倒れていったので慌てて抱き止める。

あの傍若無人、無敵超人の師匠が気絶するとは…。


「ユウキ、魔剣士団の人達へ説明お願いできる? 罪人はドラツーの倉庫があったところへいれて」

「わかった。任されたよ」

「ユウキぃ私も手伝う〜」

「うわっ…シャーラ居たの!?」

「居たのーそれより誰よアンタ。私のユウキに偉そうに指示出してさ」

「…アスカ兄ちゃんだよ。今は姉ちゃんだけど」

「…はぁ? んー確かに面影があるような…?」

私、この子とあまり相性がよくないんだよなぁ。なんかやたらユウキに執着してたから私の事は邪魔だと思われてたフシがあるし。

戦いの最中とかは流石にそんな素振り一切見せないんだけど…。 (そいつヤベーの…)

かな? 気配が一切なくて探索にもかかりにくいから、文字通り神出鬼没なんだよ…。 (今の探索レベルでも?)

どうだろ…今なら大丈夫かもね。探索スキルも当時よりずっと上がってるし。


「ユウキ、シャーラの事は任せるね?」

「…やなんだけど」

「ひっどーい! 私とあんな事やこーんな事したくせにぃ…」

「なんの話だよ…」

騒ぎながらも一緒に動いてくれてるから任せても大丈夫だろう。

ティー、倉庫…と言うか今回は牢屋になるけど、外に直通になる扉を開けてもらえる? (はーい!)


私は抱きかかえたままの師匠を休ませないと…。今回、船内唯一の個室へ連れて行きベッドへ寝かす。

ドラツーならVIPルームだったところ。私なりの師匠への敬意を込めてこの場所にした。



リビングへ戻ると人質だった人や孤児の子達が入ってきてた。

入り口の浄化機能で全身ピカピカ。みんな汚れがひどかったし…。 状況的に無理もないけど。

「皆さん、このまま帝都へ向かいますから、ここで寛いでください。今日中には帰れますから」

ストレージから飲み物や食べ物を出して、自由に食事ができるようにしておく。

子供たちがよろこんでフルーツを食べてる。大人達は遠慮してるみたいだけど、空腹だろうしそのうち食べてくれるでしょう。 


帝都からここまでチョコ達が飛んで数時間しかかからなかった。 今はまだ太陽が少し傾いてきたくらい。

これなら夜までには戻れるはず。 (うん! それくらいにはつくよ)

ありがとティー。 (悪い人達の積み込みは終わったの。倉庫の扉閉じるよ?)

待って、一応確認するから。 (はーい!)


外へ出て確認すると、ユウキからオッケーの合図。ティー、いいよ。 (あい!)

外に待機してくれていたチョコ達ともここで一旦お別れ。

もう一度お礼を言って送還した。


ユウキとシャーラ、魔剣士団も乗りこんだのを確認。

「アスカ様、私と数人はこちらに残るので、お預けした荷物を…」

「あっ…そうでしたね」

シスルさんから預かっていた荷物を返す。

「ありがとうございます。団長の事お願いしますね?」

「はい。 これ、飛びますから離れていてくださいね」

「わかりました。説明を受けても尚、理解できていませんが…そういうものだと思っておきます」

「はい、そうしてもらえると助かります」

シスルさんと残る数人に別れを言ってドラツーのドアを閉める。 (ドラツーじゃないのー)

そうだったね…。でもこれは帝都へ戻ったら消しちゃうから。 (…はーい)


それじゃあティー、帝都へ。 安全運転でお願いね。 (任されたのー!)








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