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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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街へお出かけ



王妃様達が部屋を出ていってしばらくたつ。

「どうしたんだろう?」

弟たち連れてくるのやっぱりダメなのかな?


バーーン!

っびくぅ!

「アスカちゃんお待たせ!」

だから何で、そんな扉の開け方するの?

王妃様といい王女様といい、この母子は扉に恨みでもあるのだろうか…。


「私少し用事ができたから、アリアとユリネと一緒にのんびりしてて。街へ出かけてもいいし」

「はい。急に来てしまった私が悪いので…」

「それは気にしなくていいわよー。いつでも来てくれていいんだから」

「ありがとうございます」




用事があるという王妃様と別れ、アリア、ユリネと3人になる。

「アスカ様、どうされますか?街へお出かけならご案内しますが…」

アリアさんとは護衛についてもらい何度か街へでかけたりもしたが、広い街だ。行ってないとこは沢山ある。

ユウキや未亜ちゃんを連れてくるかもしれないならもう少し、見ておきたいかもしれない。


「えっとそれじゃあ、また街へ一緒に行ってもらえますか?今回はユリネさんも一緒にどうですか?」

「わかりました。お任せください」

「お供いたします」


ユリネさんと出かけるのは初めてだ。おすすめの服屋さんを聞いてアリアさんと買いには行ったけど。






馬車で城を出て城下町まで行き、馬車を降りて街を歩く。

「何処か行きたいところはありますか?」

そうアリアさんに尋ねられ考える。

まずは金属素材の換金できそうなところ。

ユウキなら冒険者ギルドとか気にしそうだなぁ。

未亜ちゃんは服やアクセサリー、食べ物かな。


「金属素材の換金所と、後ここはギルドってありますか?」

「わかりました。 ギルドですか?冒険者用と、商人用がありますね。やはり冒険者ギルドですか?」

「はい。多分弟が行きたがるかなと。なので一度見ておきたくて」

もし、未亜ちゃんも一緒だと危ないようなら考えなきゃいけないし…。


「わかりました。ではご案内しますね」

アリアさんに案内されて大通りを進み、武器や防具、様々な道具を扱う店が並ぶ通りに出る。

あぁ、この感じちょっと懐かしいな。しばらくこういうところへ来てないからなぁ。

召喚されたどこの世界も大体こんな雰囲気なんだよ。建物の作りとかは違ってもね。


まずは換金所。予め手持ちの金属でコチラでも出回ってるものを確認してある。

街を歩いたときの店とか、お城の鎧や武器からね。

お金作っておかなきゃ。ユウキ達を連れて来た時には自分のお金で払いたい。


そこそこの金属類を売ってある程度お金をつくる。


「アスカ様なにか買われるのですか?」

「そういう訳ではないのですが、こちらの現金が欲しくて…」

「そうでしたか…」

王妃様に知れたら絶対現金を渡してきてくれるからそれは避けたい。

すでに一度、国王様から貰ってて、それすらかなり残ってる。



次はギルドだね。

ここから割と近いみたい。


「アスカ様、冒険者登録されるのですか?」

ユリネさんにそう聞かれるが…正直今はそのつもりはない。

ユウキ次第かなって思う。

「今日は雰囲気を見てみたいだけですね、今後はわからないですけど…」

「そうですか…」


そんな話をしつつ、いかにも! って建物に到着する。

「ここが冒険者ギルドです。多少気の荒いものも居るのでご注意を」

まぁ定番だよね。今までも子供だーとか見た目で絡まれたこともあった。

仮に絡まれても、負けることはまずないし大丈夫だろう。


「アリアさん、メイド姿のユリネさんもいますし、外で待ってて貰えますか?私は慣れてるし」

「し、しかし…」 

「大丈夫ですよ。こういうの久しぶりだけど、私コレでも多少強いですからね。ユリネさんを守ってください」

「私なら大丈夫ですから、お一人になるのは…」

ユリネさんはそう言ってくれるけど、メイドさんが入るのはやっぱりね。

「少し覗くだけなので、待っててください」

そう二人に言うと扉を開けてギルドの中へ入った。



うん、この感じだよ。正面に受付、壁際には依頼書の掲示板。

飲食スペースが広めにあって奥には厨房。相変わらず昼間から飲んでる冒険者も…十人程か。

どこの世界に行っても冒険者ギルドって大体こんなんだよ。

少しワクワクしちゃうな。



キョロキョロしながらギルド内をうろつくアスカへ視線が集まっているが気にしない。

私の脅威になるような強者はいない。それくらい見ただけでわかる。



壁際の掲示板にある依頼書を見てみる。

へぇ…見たことのない魔獣の討伐依頼ばっかり。



飲んだくれてた冒険者のうち一人がアスカへ近づき声をかける。

「なぁ?ネェちゃんよ、一人か?こんなトコに一人で来るもんじゃないぜ?」


ん?だれか女性が絡まれてるのかな…助けたほうがいいのかもだけど私冒険者登録してないしなぁ。

誰も助けないならやむを得ないけど、一人くらいまともなのいないのかな。


「おい、聞いてるのか!?」

突然肩を掴まれて壁に押さえつけられる。

「え?」


「何すっとぼけてんだ! 無視しやがっ…て、めちゃくちゃ美人じゃねぇか!」

えっと?もしかして絡まれてたの私だった?


「あぁぁぁぁ!」

そうだ、私女の子になったんじゃん! 忘れてた…こういう雰囲気への懐かしさで完全に忘れてた。

探索かけとくんだった…。


「急に大声出すなよ、おい! ちょっと付き合えや?な?」

ぇーこれナンパ?ないわ…むさ苦しいおっさんとか…ないわ。


「返事ぐらいしろよ、ビビって声も出ねぇのか?そんなんでここに何しに来やがった?」

「どんなとこか見に来ただけで…」


周りから笑い声が上がる。

「じゃあゆっくり見てけや。俺たちみんなでかわいがってやるよ」

おー!とか歓声が上がってる。


今までこんな絡まれ方したことないからわからないけど冒険者ギルドってこんな酷かったっけ。

他の世界で行ったとこは女性冒険者もそれなりにいたし、揉め事があっても誰かが助けたりしてた。

やっぱりユリネさんたちは待っててもらってよかったや。


「こっちに来い!」

腕を掴まれて引っ張られる。

もうこれ自分で対処していいよね?明らかに身の危険なのにギルド職員も何も言わないし。

言わないというか言えないのかな。受付に女性しかいないし怯えてるもんね。


「はぁぁ〜…」

「お?やっと諦めたか。そうだ、諦めが肝心だぜ」

むさ苦しいおっさんは嬉しそうに私を引き寄せ、手を伸ばし私の身体に触れようとする。

うん、もう我慢の限界。




〜ギルド入り口の扉前〜


ーアスカがギルドに入った直後ー



「アリア様…王妃様の仰ってた、警戒心が無く無防備ってもしかしてこの事でしょうか?」

「あぁ…しかし、アスカ様の言葉を無視して無理についていくわけにも…。冒険者程度ではアスカ様に敵わないだろうし、大丈夫だとは思うが」

「でも、アリア様。さっきアスカ様は久しぶりって…女の子になってからは初めてなのでは?」

「……まずい! ユリネすまないが付いてきてく…」

ドゴーーーーン!!


扉に近づこうとしたアリアの目の前を、扉を破り何かがすごい勢いで通り過ぎていった。

「…え?」

ドカッ…ガシャーーン!

「アリア様、これってまさか…」

ユリネと頷きあい、建物の中に入ると、そこには大の男が十数人ボロボロで転がっていた。

「こ、これは…」

そしてその奥では受付嬢と思われる女性に何度も頭を下げられているアスカの姿が。


「アスカ様! 大丈夫ですか?」

「あ、アリアさん、ユリネさんも。私は大丈夫ですよ」




アスカに謝っていた受付嬢は、騎士アリアから説明を受け、もう顔面蒼白。

それはそうだろう。国王陛下の客人で、騎士が護衛につくような人物への不祥事だ。

しかもギルド職員は見ていただけ…。

「どういう事か説明してもらえるか?事と次第によっては陛下直々に沙汰が下ることになるぞ」

「アリア様、取り敢えずこのボロボロのバカ達を縛るなりしませんか?」

「そうだな、ギルド職員! 全員手を貸せ」

「「「はい…」」」









~その頃王妃様~



魔道具を作るとは言ったものの、どういうのがいいのかな。

いざって時に身を守る?戦う力そのものはある子だから…。

アスカちゃんの許可無く触れようとしたら痺れるとか?うん、いいかも。

間違いだったとしても痺れるくらいならいいよね。

この線で案を煮詰めてみようかな。


楽しそうに魔道具を作ってた。



ギルドでの定番イベントー

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