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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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懐かしいくらい久しぶり



翌朝


アキナさんとお屋敷のメイドさん。それにスノウベルさんも見送りに来てくれて…。

「お姉ちゃんと元勇者は早めに戻ってきて手伝いしてね!」

「わかってるよ!」

「はい…」

多分本来なら地球時間にして2日もしないうちに送って来なきゃいけないのかもだけど。

ただなぁ…ユウキのお誕生日は一緒に過ごしたいんだよね…。


時間の流れに差があるのって不便だわ。 (時間戻れるのに…?)

そうなんだけど…。その辺はややこしくなるから。 所謂タイムパラドックスだね。 (わかんない…)

例えば、地球で7日過ごしたらフィリアータでは7ヶ月くらい過ぎるよね? (うんうん)

そうなると、アキナさん達は約束したのにちっともこない! ってなるでしょ? (それはそう)

でも、実際こっちへ来る時には時間を戻して、ひと月後に転移したら? (ひと月しか経ってないことになるの)

うん。でも…そうなると、7ヶ月待たされてた世界線は? (…並行世界?)

そうなってるのかもしれないし、なってないかもしれない。 (意味がわかんないの)

そう。訳がわからないことになる。過去に戻ることによって、あったはずの世界線がどうなるか解らない。


約束とかしてなくてこちらの世界の人が、意識してなければ大丈夫なのかもしれないけど…こればかりは全くわからないからね。 (なるほど…?)

まぁ、あまり気にしても仕方がないんだけどね。答えなんて出ないし。

今までも散々時間を戻してる訳だし。 (時間戻した時点でリセットされてそう)

世界から強制力を貰ったティーが言うのならそうかもね? (知らんけど!!)

知らんのかい! (なんとなくそんな気がしただけー)

でも、私個人の変化にまで強制力が働いたくらいだし…きっと何らかの力は働いてそうではあるよね。 (うんうん!)



ティーとそんな話をしてる間にうちの子達とアキナさん達との挨拶も済んでた。

トコトコと目の前に来たスノウベルさんにハグをされてびっくりする。

「また来て。 この前の技、教えてほしい。あと…またあの子達に会わせて。それと雪も見せて」

「わかりました。またうちの子達と遊んであげてください」

「うん。約束」

スノウベルさんは雪合戦でキャンディ達と仲良くなったのかな? (戦友!)

そうかもね。かなり盛り上がってたし…。


「珍しくスノウが自分から見送りに行くとか言い出したから何かと思ったら…雪、気に入ったんだね」

「うん…雪は懐かしいから。でも陛下のそばから離れて故郷へ帰るのはヤダし…」

「もう、可愛いなぁスノウは!」

そう言ってスノウベルさんを抱きしめるアキナさん。スノウベルさんはされるがまま無表情、でもなんとなく嬉しそうにしてる気がする。



「間に合ったわね」

「お祖母ちゃん!お祖父ちゃんも!」

来てくれないかと思った…。

「また会いに来てね。待ってるわ…。身体に気をつけるのよ」

「うん。お祖母ちゃんとお祖父ちゃんも」

「また会えるさ、セイナ」

「ええ…そうね」

初対面では色々あったけど…会えて本当に良かった。

お祖母ちゃん、お祖父ちゃんともハグをしてお別れ。

みんなにもハグをしてくれてるお祖母ちゃんが…

「あら…いつの間に」

「今回は私もついて行くからこっちへ連れてきてもらいました!」

「そう。 うちの孫達と仲良くしてあげてね」

「はい!」

ティアねえ様もお祖母ちゃんにハグされてびっくりしてる。

ドラゴンにとってお祖母ちゃんは伝説らしいから無理もないか…。



魔力ドームを展開。

出発した日曜の夕方に戻るように…。

見送りの人達にみんなで手を振りつつ転移。


ーーーーーー

ーーーー

ーー



今回はリビングへ戻ってきた。

自宅なら好きな場所へ飛べるようにしておいて良かったよ。

魔力ドーム内でティアねえ様と、シエルをチェック。

大丈夫そうね。

「我が家も久しぶりだな…」

「うん。 アスカ、今っていつくらい?」

「前にこっちを出発した日曜の夕方」

「こっちでは一日も経ってないんだね」

「そうなるね」

時間を確認した母さんは、夜ご飯を作るってキッチンへ冷蔵庫を見に行った。

確か空っぽだったような…?



「へぇーここがアスカ達の生まれた世界なんだ! 見たことのないものばっかり!」

リビングにある家電やらを見て目をキラキラさせててちょっと可愛らしい…。

「ティアねえ様、体調は平気?」

「うん?元気だよ!」

ティアねえ様は魔力循環を一度してるから大丈夫だとは思うけど…前例があるから一応気にかけておこう。

シエルはしっかり魔道具の指輪をつけてくれてるから問題はないね。


「みんなおかえり」

「ただいま! お姉ちゃん」

「ただいまーアスカ!」

「ティーは帰ってきた! ただいまー!」

「ただいまなの」

「わう! ただいまー!」

「姉ちゃんお疲れ、ありがとね」

「ユウキもお疲れ」

前はユウキと二人きりだったなんて忘れそうなくらい賑やかになったな。 (お部屋が狭くなりそう…)

あ、そっか…。


「ティアねえ様、こっちでの専用の個室つくろうか」

「いいの!? ありがと!」

「私もあるけど、ほとんど使ってないわ。アスカの傍に居たいし」

そうだよね…リアは私物も私の部屋においてるし。


「確かに傍には居たいけど、私は安売りはしないんだから!」

「よくわからないわ。 ねえ様の好きにすればいいんじゃない?」

言い合いをするドラゴン姉妹を連れて、私の部屋へ。

荷物の整理をするというシエルは一緒についてきた。 (ティーはレウィとまってるの)

わかったよー。ユウキと未亜も自室へ荷物整理へ行ったものね。



クローゼットの魔石にティアねえ様の波長も登録して、地下へ移動。

「広ーい! 凄いねここー」

「そうだね、ここでリアの人化の訓練とかもしてたから」

「へぇー、たしかにここでならドラゴンにもなれる!」

キョロキョロしてるティアねえ様を止める。走り回りそうだし…。 (フィアみたい)

姉妹だしなぁ。

「部屋はリアの隣でいい?」

「うん! 内装は里のみたいに宿風がいいな」

「わかったよ」

リアの部屋の左隣へ空間拡張をして部屋を作り、街の宿っぽい雰囲気で部屋を作る。

「なんかこれだと自分の部屋って感じがしないわ…」

それは確かにリアの言う通りなんだけど、本人の希望だし。


「ありがと! うん、やっぱりこの雰囲気が私は落ち着くよ」

あちこち旅をしてたティアねえ様にとって、宿っていうのは落ち着ける特別な場所だったのかもしれない。

「この部屋はティアねえ様専用だから好きに使ってね。それと、私の部屋へはいつでも来ていいから」

「うん! わかったよ」

ティアねえ様、シエルと別れ、リアと自室へ戻る。


「リアも自室を好きに使っていいんだからね?」

「ええ。でもアスカの部屋に居るほうが落ち着くのよ」

「そっか…それならこの部屋も少し拡張しておこうか?」

「え?嫌よ、このままがいいの」

「そうなの?」

「ええ。広くなりすぎたら距離があいてしまう気がするし…」

今のところはそこまで狭いとか不便もないからいいけど。


私の部屋にいるリア、レウィ、ティーの為に小さいけど収納棚は設置してあるからそこへ皆荷物をしまってる。

遊園地で買ったティーのミニカーとかもそこへ飾られてる。 (これも飾るのー)

ティーは何やら置物をマジックバッグから取り出して飾る。

「それ、どうしたの?」

「ドラゴライナの街で買ったお土産ー」

「へぇードラゴンの置物かぁ。キレイにできてるね」

「お店の人が一つずつ手作りしてるっていってた! ママにもお土産!」

「ありがとうティー」

ティーが渡してくれたのは同じドラゴンの置物。ティーのとはポーズが違う。

「良くできてるね…この細かさは凄いよ」

「それねー秘密があるんだよ!」

「そうなの?」

ティーがドラゴンへ魔力を流すと翼を動かして部屋の中をぐるっと飛んだ後、またティーの手の中へ戻ってきた。

何それすごい…。

「ティーがね、それ見つけて…ものすごく吟味して選んでたのよ。アスカへのお土産だったのね。ズルいわよ…私も何か買えばよかったわ」

「ふふーん。ママとお揃い!」

鑑定してみたら簡易ではあるけど、魔道具になってる。子供向けの玩具なのに、すごいクオリティだな。 (でしょー?)

ありがとねティー。大切にするよ。 (うん!)

私もデスクの上へ飾る。 これ…よく見たらドラゴン姿のフィアに似てない? (それを探したの!)

そっかぁ、ありがとね。 (フィアのも買ったから今度行ったら渡すの)

喜びそうだねー。 (うん! フィアのはリア似のやつ探したの)

それはリアも喜びそう。




「おーい! 私は夕夜と買い物に行くけど、みんなはどうする?」

階下から母さんの声。

ティアねえ様がまだ落ち着いてないし、置いていくのもヤダから…

「私はパスー」

「アスカが来ないならみんな来ないよね…? わかったよー」

「母さん、僕は行くよー」

廊下でユウキが返事をしてる。珍しい…。

「ユウキが来てくれるの?珍しいねーいいよ、いこ!」

母さんはユウキと、父さんの運転する車で買い物へでかけていった。





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