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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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王妃様愚痴を聴く



王妃様はあまり人に聞かれたい話じゃないでしょ?って人払いしてくれた。


「それで?こっちに遊びに連れてきてあげようって思ってるくらいなのに、なんで家出?」

「それは…えっと、うちの両親は仕事が忙しくて家に殆どいないんです…。

なので弟と、妹と三人で生活してるんですが、その二人がひどいんです」


聞き上手な王妃様に、ここ数日と今日転移する直前の話を聞いてもらった。

未亜ちゃんにポンコツ扱いされたり、ユウキに髪を引っ張られたりしたって。

「あはははは」

「笑うのひどくないですか!?」

「だって! 話聞く限り妹の未亜ちゃんが心配して怒るの当然よ」

「それはわかってるんですけど…」

「まぁでも、突然身体が変わってしまったんだから当然よね。それは本当にごめんね…」

「その事はもういいですから。何かアドバイスないですか?女性の先輩として」

「そうね〜警戒心の無さとか無防備なのは本当に危険よ?」

「それはこっちに来た時にユリネさんに押し倒されて理解しました」

「あの子なにしてるの!?魅了切ってるのよね?」

「当然ですよ。制御できた直後にユリネさんとアリアさんの魅了の解除もしましたし」

「…後で鑑定かけて調べてみるわ」

「はい…」

「それは後で確認するとして、アスカちゃんは本当に危険性の理解できてるの?」

「はい。ユリネさんに襲われてもし私が抵抗する時に力加減間違えたら大怪我させちゃうって」

「……これは強敵だわ」

「??」

王妃様はなぜか遠い目をしてる…


「アスカちゃん今自分が女の子になってるのは自覚してる?」

「はい。ほら、服も女性物です」

「うん、それはそうなんだけどね?」

「アスカちゃんは自分がすっごい美少女なのを、もう少し自覚してね?その上で聞くけど、アスカちゃんが男の子だった時に、美少女と知り合ったとしましょう」

「…? はい」

「その子がお風呂上がりに半裸で歩いてたらどう思う?」

「自宅なら問題ないのでは…?」

「……アスカちゃん、ちょっと待っててね」

「はい」






王妃Side




アスカちゃんってしっかりしてるし、魔法陣の事や解析のことを考えても頭は良いはずなのに。

なんであんなポンコツ?妹さんや弟さんの、心配と苦労がわかるよ。

急に性別変わった事をふまえても、流石に。

子供のときに強くなりすぎてる弊害かなぁ…。

本気で危ない目に合う前になにか対策考えないと…。

アスカちゃんの本気の涙なんて見たくない。


「アスカちゃん、ちょっとまっててね」

「はい」


扉を出たとこに待機してるアリアとユリネに声をかける。

「ちょっと二人には協力して貰うわ。隣の部屋に来て」

「はい」 

「畏まりました」



隣の部屋に入り扉を閉める。

「まず、二人に鑑定かけさせて貰うけどいいかしら?」

「大丈夫です」

「私も問題ありません」


まずアリア

うん、大丈夫そうね。魅了とかはしっかり解除されてる


次ユリネ

この子も大丈夫ね。その割におかしな行動したみたいだけど…



「アリア、ユリネ。二人に相談があるの」

「「はい」」

「アスカちゃんの警戒心の無さと無防備さが心配になるレベルでね」

「それはどういうことですか?」

アリアはよくわからないって顔をしてる。アスカちゃんの強さを多少なりとも感じ取っているから。



「アスカちゃんが男の子から女の子に変わってしまったのは二人とも理解してるわね?」

「はい」

「王子様の魔法陣の影響ですね」

「うぐっ…そうね。だけどアスカちゃんは女の子の危険性を全く理解してないの」

「それは…まだ自覚してないということですか?」

ユリネは首を傾げる。


「それもあるけど…あの子かなり強いのはアリアならわかるわね?」

「はい、本来なら私の護衛など必要ないですね」

「そんなにですか?アリア様は近衛騎士様ですよ?」

「ユリネ、仮によ?賢者全盛期の私が組んでたパーティが今揃っても、それでもアスカちゃんに勝てないわ」


ユリネもアリアも驚愕する、アリアもまさかそこまでとは思わない。

王妃が十数年ほど前に魔王討伐をしたパーティにいたのを二人は知ってる。

ということは、あの魔王よりアスカは強いということになる。

だからこそ信じられなかった。


「じゃあ…もしですよ?アスカ様が王子様に本気で怒って暴れてたら…」

「この国なんて消し飛んでるわ。でもなってないわよね?」

「はい…」

「それはアスカちゃんが優しい子で、力の使い方をよくわかってるからよ」


それはそうだろう。

最強の魔王として数百年過ごしたら力の怖さくらい身に染みている。

力を使うタイミングというものも。

王妃もアリアもユリネもそこまでは理解してないのだが。



「その強さがあるから女の子としての警戒心の必要性や、無防備さの危険性が理解できてないみたい。実際にそこを心配した妹にスキルがあるから大丈夫って答えたらしいわ」

「「………」」

「私もさっき話しててわかったわ。ユリネ、貴女アスカちゃん押し倒したでしょ?」

「…はい。お会いできたのが嬉しくて、勢い余って…」

指摘されてうつむくユリネは反省しているようだが、またしないとは限らない。


「アスカちゃんは警戒心の必要性を、咄嗟に抵抗してしまった時に自分の力でユリネを傷つけない為って解釈してるのよ。」

「そんな…」

「だからね、そんな純粋な子がひどい目にあったら嫌でしょ?いくら強くても、何があるかわからない。だから二人にお願い」

「はい」

「私にできる事ならなんでも致します」

「なにかいい解決策ないか一緒に考えて?」

難題である。一度怖い思いをすれば自覚はするかもだがそれは最終手段だろう。


「急に自覚するというのがそもそも難しいのであれば、少しづつしか無理な気もしますが…」

そう言うユリネに頷き、王妃は頭を抱える。

「かと言って毎度毎度指摘されて怒られてたらアスカ様もまいってしまうでしょうし…」

「今はまだ見守るしかないのかしら…心配だわ」

「王妃様の作れる魔道具に何かそういった物は…」

アリアの言葉にハッとする。そっち方面から対策考えるのが私に出来る事かもしれない。

「それよ! アリア、ありがとう。考えてみるわ」

「はい!」

「二人はしばらくアスカちゃんとそれとなく話したりして、他にも方法ないか考えてみて」

「「わかりました」」






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