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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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よいではないか~



雪合戦と言う名のラストバトルを終え、ロッジへ戻ってきた。

休憩した後、アキナさんと王妃様は王国へ連絡を取るって事で、もし繋がらなかったら私の出番。

一応、内容は国家機密扱いだから私以外、うちの子達は一足先に屋敷へ帰宅した。

私も繋がるようなら帰るつもり。


「シルフィ?」

”お母様! お身体は大丈夫ですか?“

「ええ。大丈夫よ」

”おめでとうございます、お母様“


大丈夫そうだね?私はアキナさんに手振りで帰るって伝えて部屋を出た。

王妃様の通信が繋がったとしても、居ていいって言ってくれてたんだけど、なんとなくね。

家族の会話を聞いてしまうのも申し訳ないし。


外で待っててくれたチョコ達とまた召喚する約束をして送還。

キャンディは相変わらず激しいスキンシップをしていったけど。

あの子のハグは力が強いんだよ。ねっとりしてるし…。


ロッジへ戻り、部屋の一つにある転送魔法陣に乗って塔の一階へ。

「あ、来たわ」

「リア、ティー待っててくれたの?」

「ええ。なんとなくね。ティーが、多分すぐに降りてくるって言ってたから」

「予想バッチリー」

「他のみんなは?」

「先に帰ってお風呂の仕度よ! 時間的にメイドさんに頼みにくいし、未亜がやってくれるって言ってたわ」

「そっか。そろそろ夕食だもんね。じゃあ私達も帰ろうか」

「ええ!」

「はーい!」

飛びついてきたティーを抱いて、リアに腕を組まれての屋敷への帰り道。

屋敷の前でギルドから帰ってきたであろうユウキ達と合流。


「お、姉御じゃないか。試練は終わったのか?」

「…父さん今度その呼び方したら星にするからね」

「星ってなんだよ!」

「空の彼方までぶっ飛ばすってことでしょ?」

「…やめてくれよ」

なら言わなきゃいいのに。 (いらん事言いなの)

ほんとそれ。


「アスカ、姉御って何かしら?」

「話したくない…」

「ええっ! 気になるわよ!」

「それなら後でティーに聞いて」

「任せてー!」

「それ僕も聞きたい!」

「私も」

「俺も…」

「はぁ…好きにしたら? それよりユウキ、ギルドカードはもらえたの?」

「うん。ばっちり」

そう言ってカードを見せてくれる。 綺麗なゴールドのカード。


「初仕事もバッチリこなしてきたぜ」

「アスカにお土産もあるよーユウキ、渡してあげたら?」

「あぁ…。姉ちゃん使うでしょ?」

ユウキがくれたのは袋に入れられた大量の魔石。


「すごい量だね。いいの?こんなに…売ればお金になったでしょ」

「姉ちゃんに渡したほうが有効活用するでしょ?」

「ありがとね。母さんも父さんもありがとう」

「私達のは数個だけだよ?」

「あぁ。いつ溜め込んでたんだ? さてはユウキはシスコンか…」

「はぁ!?違うし! 渡すの忘れてただけだし!」

「慌てて否定するってことは図星か?」

「くっそ…殴ってやる!」

「前のように行くかよ!」

ユウキに追われて逃げていく父さん。 何してんのよ…。 (ママのパパは人を怒らせるプロ)

確かに…。変なスキル持ってないだろうな? (煽り師)

持ってたら封印させないと…。


「ユウキも変わらないね」

「うん?」

「昔からアスカにベッタリだったでしょ」

「それは母さん達がいなかったから」

「ごめん…」

「今さら責めるつもりもないからいいけど。一番甘えたい時に母さん達が居なかったのは大きいと思うよ」

「そうだよね…だからシスコンに…」

「違うから。どちらかと言うと、大人びてるよユウキは」

「……埋め合わせしないとね」

「頑張って」

「うん!」


「ねぇアスカ、シスコンって何かしら?」

「…知らなくていいよ?」

「嫌よ! なんか、知らなきゃいけない気がするわ」

「リア、…………が…………と一緒」

「ええ、なるほどね…。それなら、まぁ…」

何を話してるのやら。


「愛されてるのねぇ?アスカは」

「何?母さんまでケンカ売るの?」

「なんでよ!?」

「なんとなくそんなニュアンスを感じたから?」

「そんな理由で母親に喧嘩腰にならないで!」

なんか煽られた気がしたんだもの。


「ほら、もうお屋敷につくわよ! 未亜たちも待ってるから早く行きましょ!」

「そうだね」



試練も終わったし、私達も今後の予定を考えなきゃ。

そろそろ一度帰らないと、学校を忘れそう…。 (奈々と麻帆! 覚えてる?)

流石にその二人は忘れてないよ!





お屋敷に帰ってきた私とティーは、そのまますぐにお風呂に入ってる。

未亜達がお風呂の仕度をしてくれていたから、雪合戦で冷えた身体を温める。

「先に入っていいって言われたけど良かったのかな?」

「たぶん?」

「…ねぇティー、脱衣所が騒がしくない?」

「知ってたの」

「…?」


「まだ身体が冷たい気がするわ…」

「早く温まろうね」

「うちもいいの…?」

「大丈夫よ! ほら早く行くわよ」

ちょっと…みんな入ってきたよ!? (予想できたよ…?)

えー。先に入っていいって、みんなでやたら勧めて来ると思ったらこういう事?


「お姉ちゃん、来ちゃった!」

「ふふー大成功ね!」

「人が一杯で恥ずかしいの…」

「…まぁいいけど。 みんな早く温まった方がいいもんね」

「そうよ! アスカに後から来てって言っても絶対来ないでしょう?」

「まぁ確かに…。 あれ?レウィは?」

「レウィちゃんは男の子だから。お義父さん達の部屋のお風呂へいったよ」

「そう。ひとり待たされてるんじゃないならいいよ」

それだったらあまりにも可哀想。


「アスカ、ご褒美の事覚えてるかしら?」

「うん。決めたの?」

「ええ。私と…」

「お姉ちゃん! 私も!」

「ちょっと…未亜?私がまだ話してるのに!」

「何を言うつもりだったの?リアちゃん…」

「それは…………よ?」

「そ、そう。それなら…。………とか言うかと!」

「言わないわよ! それは流石にまだ早いというか…」

何を話しているのやら…。 (リリィ…)


「…それで二人のお願いは何?」

「背中の流しっこしたいのよ!」

「私もう洗っちゃったんだけど…まぁいっか。 未亜は?」

「私は…後でいいかな」

「そう。じゃあリア、洗い場に行くよ」

「ええ!」

何がそんなに嬉しいのかリアは上機嫌。


「じゃあ背中向いて」

「はーい!」

「…どうして翼を出すのかな?」

「繊細なの。乱暴にしたら嫌よ?」

「わかったよ〜。相変わらずきれいな翼だね」

「ふふ〜♪」

背中を洗い、翼は丁寧に泡立ててから手で洗う。繊細だって言ってたし…。傷つけたくはない。

「……んっ…それ…はぅ…」

「大丈夫…?痛かった?」

「違うのよ…大丈夫」

ならいいけど…。


「っ…んっ…ふぁ…」

「ねぇ?本当に大丈夫?」

「そろそろ無理かも…」

「ごめんね、すぐに流すから」

お湯をかけて翼の泡を流す。

「平気?」

「…ええ。次は私の番ね?」

なんかものすごく嫌な予感がするのだけど…。


「良いではないか、良いではないか…」

「ねぇ、なんでそんな手をわきわきさせてるの? ちょっと…背中流すんでしょ? イヤーーーー!」

(ここまでがお約束なの)







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