表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

300/772

試練は簡単になるかも…



夕食後、アリアさんに別の部屋に案内される。

試練には参加しないユウキや両親も、一応聞いておきたいって事で一緒に。

ユウキ達も試練へ同行してもらえたら良かったけど、あまり人数が増えすぎてもダンジョンでは動きにくい。

それにまたクイズ大会をするのもね…。 (楽しかったのにー)

まぁね。ヤラセ感はすごかったけど。 (建前だし?)

そうね? 




応接室にはお茶の仕度がされていて、王妃様が一足先に待機してた。

「お掛けになって寛いでください」 

王妃様に言われて、それぞれソファーに座る。


「急なお呼び立てになり申し訳ありません。お祖母様からの正式な書状は参加者が全員いる場所で開けるように、との事でしたので…」

まずは基本の説明を聞く。試練のルールと言うか、根本に変わりはない。

戦って倒した相手のみ同行者として連れていける。

塔内部の情報は非公開。入ってから自分達で確かめながら進む。

挑戦が始まったらクリアするか、ギブアップするまで塔から出られない。


そして、アキナさんからの書状はみんなで確認してくれってことだね。 (あの書類、ドラゴンの紋章が入ってるの!)

うん。ちょっとドキドキする…。


王妃様も緊張しているのか書状を持つ手が少し震えている。

「読み上げますね…」


”試練に挑みし者、並びに協力者へ告ぐ。

塔内部を攻略し、最上階まで来られたし。

考え、試し、力を示すべし。

手段は問わぬ。 たどり着いてみせよ!“


「…あら、最後に何か…”壊すのだけはやめてね。また使うから!“って…」

コケそうになった。 (手段は問わずなのに壊すなって…)

そこはほら、暗黙のルールってことでしょ。 (むー)

それより、考え、試し、って所のが気になる。 (またクイズ?) 

まさか…そんな。 (ないかな?)

ありるかも? (あはっ)


「アキナらしいねー。最後までなりきれないとことか」

「塔ごと消し飛ばそうかと思ってたのに…」

お祖母ちゃんが怖いこと言ってる!! 多分冗談だろうけど…。

内部を攻略って言ってる時点で壊したらダメだろうし。 (そっか!)


文面からすると、壊せるような人が協力者にいる事も可能性として考えてるって事だよね。 (隊長さんから聞いたとか?)

そうかもしれないけど…なんとなく親衛隊の人達がその事を話してるとは思えないんだよね。 (そう?)

塔の内部情報は開示されないのに、こちらの情報だけ伝えるような不公平なことするかな?と。 

アキナさんも聞こうとはしないだろうし。

話そうとしたら、それこそアキナさんの意思に背くことになりそうじゃない? (ママどうしたの?)

え?何が? (今回めちゃくちゃ鋭いの!)

……ちょっとティーに私がどう思われてるのか問い詰めたくなってきたわ。 (やー!)

まったく…。 


私が試練を課す側になったらどうするかなって考えてみたんだよ。

慕ってくれる人達と、試練を越えてたどり着いてほしい…。

信頼できる相手が近くにいて手を貸してくれてる。

損得勘定なんて関係なしに協力してくれる。

そういう人達が傍にいるのなら安心して送り出せるって思うから。


だからこそ、戦えない未亜やシエルも必要なんだよ。 (すごいの…)

結局はアキナさんが安心したいって事なんじゃないかな。 前は飛び出して行っちゃってたわけだし。

後は、多分楽しんでると思うよ? (それはありそう)

ワクワクして最上階で待ってるんだと思う。

ただ…今回は王妃様の身体のことを考えると、悠長なことはしてられないけどね。 (それはそうなの)



「申し訳ありませんが…私は、積極的に戦うことができません。皆さんに頼ってしまいますが…お願い致します」

「(姉ちゃん、どういう事?)」

「(後で教えるから)」

「(了解)」

ユウキや母さん達は話を聞いてないし私も話すべきか悩んで、まだ話してないもんね。


「アスカちゃんはどうするつもりかしら?」

お祖母ちゃんに突然聞かれて少しびっくりした。

「私は… 状況が状況だから、最短、最速で終わらせようかと…」

私の作戦を説明。

……………

…………

………


体調の心配な王妃様は、もしもの時はレウィが乗せて運んでくれると言ってくれた。

だけど、ほとんど戦闘しないで済むんじゃないかな。 (完璧な作戦!)

私もあの子に頼りきりになるんだけどね? (頼られたら喜ぶと思うの)

かな?代償がちょっと怖いけど…。 (なんか悔しい…)

ティーの事も頼りにしてるんだけどなぁ。 (ふふ〜ん♪)


「何と言うか…アスカがいる時点で試練にさえならなさそうよね。さすがよ!」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、リアもちゃんとついてきてね」

「当たり前よ!」

「それなら安心ね。アスカちゃん達に任せるわ。私はアキナと対面してからね」

お祖母ちゃんは何をするつもりだろう? (さぁ…)



明日の朝、王妃様のお屋敷前に集合するって事で今日はお開きに。

行きと同じように馬車で帰宅。

馬車の中でユウキ達に王妃様のことを説明した。

母さんはなんとなく察してたみたい。その辺はさすが母親なのかもしれないね。

最近、母さんのイメージが粉砕されはしたけど…。 (粒子になって消えたの) 

うちの母さんは魔法陣か何かかな? (パリン! きらきらきら…)


ユウキも理解した様子。

「それは確かに無理したらダメだね」

「うん。だからこそ最速」

「納得したよ」

「ダンジョンアタックにアスカが一緒だったら楽ができたな」

「その場合は、こんな作戦使わないよ」

「良いじゃねぇか…」

「父さん、それでもらったギルド証で、高ランクのクエストを受けて達成できると思うの?」

「あぁそうか…そうだな。 すまん。ダンジョンのクリアって事だけ考えてた」

あれが試験だったって忘れてたのね…。 (まだギルドカード貰ってないから?)

ボロボロで床に転がってたからまだギルドに行けてないんだね。 それは確かに実感わかなさそう。


「母さんも明日からはギルドへ行くの?」

「うん! ちょっと稼いでくるよ」

「お金、何に使うの?ここでしか使えないのに」

「秘密!」

そうですか…。なんか母さんが楽しそうだからいいけど。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ